once bitten twice shy の意味は?一度いやな目にあうと次は用心する
入試に出るイディオム|第67回
いやな経験のあとで慎重になることを言う Once bitten, twice shy.、気持ちを隠さず見せる wear one's heart on one's sleeve、会話で賛成を伝える Hear, hear!。ことわざ・比喩表現・会話表現を1つずつ、由来から入試の出方まで見ていきます。
監修:原田高志(原田英語.com)
一度失敗した人は、次はとても慎重になります。気持ちが顔や態度にすぐ出る人もいます。そして、だれかの発言に「そのとおり!」と声をそろえる場面もあります。3つの表現を、由来から入試の出方まで順に見ていきます。
Once bitten, twice shy.
ワンス・ビトゥン・トゥワイス・シャイ 用心のことば一度いやな目にあうと、次は用心深くなる(あつものに懲りてなますを吹く)
語句の由来を調べるサイト Phrase Finder によると、このことわざとほぼ同じ内容の文が、1751年の小説 The History of Miss Betsy Thoughtless に出てきます。
I have been bit once, and have made a vow never to settle upon any woman while I live, again.
「一度ひどい目にあったので、生きているあいだは二度とどの女性とも身を固めないと誓った」という意味の文です。まだ、いまの形ではありません。
Phrase Finder が見つけた、いまの言い方と同じ形でいちばん古い例は、1806年の小説 Lady Maclairn の once bit twice shy です。登場人物が「一度かまれたら二度目は用心、というのが私がいちばん強く思っている教えだ」と話す場面で出てきます。「私が見つけた最初の例」と書かれているので、これより古い例がある可能性は残ります。
去年、あなたは電車の座席にスマホを置き忘れて、見つかるまで一晩中不安でした。
それ以来、電車を降りる前には、かならず座席を振り返ります。友だちには「心配しすぎ」と笑われますが、やめられません。
一度いやな目にあったから、次は用心する。
この考えを、英語のことわざは Once bitten, twice shy. と言います。I always check my seat now. Once bitten, twice shy. と言えます。
こう使う
I lost my phone on a train last year, so I never leave it on a seat now. Once bitten, twice shy.
去年は電車で携帯をなくしたので、いまはもう座席に置かない。一度いやな目にあうと、次は用心深くなるものだ。
My brother won't try the same trick again. Once bitten, twice shy.
兄は、同じ手はもう使わないでしょう。一度いやな目にあうと、次は用心するものです。
発音:once bitten は「ワンス・ビトゥン」と区切って読みます。twice shy は、tw の音をはっきり出し、「トゥワイス・シャイ」と言います。
- こう問われる
- ①下線部の言い換えで、Once bitten, twice shy. を people become careful after a bad experience / dogs are afraid of shy people / friends should not bite each other から選ばせる形。②和訳で、shy を「恥ずかしがり」と訳していないかを見る形。③空所補充で、Once ( ), twice shy. に bitten を入れさせる形。
- ここで外す
- shy を「恥ずかしがり」と訳して、「一度かまれると二度目は恥ずかしがる」とする和訳が起きやすい誤りです。空所補充では、bite の過去形 bit を入れてしまう答案もあります。1806年の例のように once bit という古い形もありますが、いまふつうに使うのは過去分詞の bitten です。
- 決め手
- このことわざの shy は「恥ずかしがり」ではなく「用心深い」です。前の文に失敗や痛い経験が書かれていれば、このことわざを「次は慎重になる」と読みます。
I lost my phone on a train last year, so I never leave it on a seat now. Once bitten, twice shy.
- 誤答
- 去年は電車で携帯をなくしたので、いまはもう座席に置かない。一度かまれると、二度目は恥ずかしがるものだ。
- 正答
- 去年は電車で携帯をなくしたので、いまはもう座席に置かない。一度いやな目にあうと、次は用心深くなるものだ。
Before
Once bitten, twice shy. の shy を「恥ずかしがり」と覚えていて、和訳でつじつまの合わない日本語になっていた
After
ことわざの shy は「用心深い」だと分かる。前の文の失敗とつなげて、「だから次は用心する」と訳せる
Once bitten, twice shy. を教室で使う(5分)
ねらい: Once bitten, twice shy. の shy が「用心深い」であることを言え、前後の文脈から和訳できるようにする
- 黒板に Once bitten, twice shy. と書き、「shy は何と訳しますか」と聞きます。「恥ずかしがり」と答えが出たら、そのまま書き取ります
- 「このことわざでは、shy は『用心深い』です。bitten は『かまれた』ことから、いやな目にあったことを指します」と伝えます
- 「一度かまれたら、二度目は用心する」と声に出して言わせ、自分の体験に置き換えさせます
- ペアで、1人が I once ... と過去の失敗を英語で言い、もう1人が Once bitten, twice shy. と返します。役を替えて2回やらせます
出口チケット: 「一度やけどした人は、次は気をつける」を、Once bitten, twice shy. を使って英語で書かせる
wear one's heart on one's sleeve
ウェア・ハート・オン・スリーブ 素直のことば気持ちを隠さず、すぐ顔や態度に出す
まず、こんな場面を思い浮かべてください。袖口に、心臓がぶら下がっています。鳥がそれをつつきにやってきます。
Phrase Finder によると、この言い方が記録に残る最初の例は、シェイクスピアの劇 Othello(1604年)です。イアーゴという登場人物が、こう言います。
But I will wear my heart upon my sleeve / For daws to peck at: I am not what I am.
「だが、私は心を袖に着けて、鳥にでもつつかせてやろう。私は見かけどおりの人間ではない」という意味です。daws は鳥の名前です。
中世の馬上試合で、騎士が応援する貴婦人の色の布を腕につけた習慣から来たという説もあります。ただし Phrase Finder は、この言い方はその時代のものではなく、記録の最初は Othello だと書いています。
あなたは、うれしいことも悔しいことも、すぐ顔に出ます。
模試の返却日、点数がよかった日は、席に着く前から口元がゆるんでいます。悪かった日は、ひとことも話さなくても、友だちに気づかれます。
思っていることが、そのまま外に見えている。
これを、英語は wear one's heart on one's sleeve と言います。She wears her heart on her sleeve. と言えます。
こう使う
My sister wears her heart on her sleeve, so I always know when she is upset.
妹は気持ちを隠さないので、落ち込んでいるときや怒っているときは、いつも分かります。
He is the kind of person who wears his heart on his sleeve.
彼は、気持ちをすぐ顔に出すタイプの人です。
発音:heart は「ハート」と口を大きく開けて読みます。sleeve は「スリーヴ」で、最後は上の歯を下唇に軽く当てて v の音を出します。
- こう問われる
- ①下線部の言い換えで、wears his heart on his sleeve を shows his feelings openly / hides his feelings / wears a heart-shaped badge から選ばせる形。②空所補充で、wear one's heart on one's ( ) に sleeve を入れさせる形。③内容一致で、He is a person who wears his heart on his sleeve. を「感情を隠せない人」と読めるかを見る形。
- ここで外す
- sleeve を shoulder や hand と書いてしまう空所補充の誤りが起きやすいです。もう1つは、「袖に心臓をつけた」と直訳して終わる和訳や、hides his feelings を選んでしまう言い換えの誤りです。
- 決め手
- 文の主語が人で、その人の気持ちが顔や態度に出ていると読めれば「気持ちを隠さない」です。動詞は wear(身につける)の形で、sleeve の前の所有格は主語に合わせて変わります。
Mika never hides her feelings. She always wears her heart on her ( ).
ミカは気持ちを隠さない。いつも気持ちを顔や態度に出している。
- 誤答
- hand/「手に心を着ける」という形は成り立ちません
- 正答
- sleeve/wear one's heart on one's sleeve の決まった形です
Before
wear one's heart on one's sleeve を丸ごと覚えようとして、sleeve を shoulder や hand と書き間違えていた
After
「心を袖に着けて見せている」という絵が1つ浮かぶので、sleeve を取り違えにくい。下線部の言い換えでも、hides his feelings のような反対の選択肢を消せる
wear one's heart on one's sleeve を教室で使う(5分)
ねらい: wear one's heart on one's sleeve が「気持ちを隠さない」の意味だと言え、sleeve を正しく書けるようにする
- 黒板に袖口と心臓の絵を描き、「この人は、どんな人だと思いますか」と聞きます
- 「気持ちを隠さない人です。英語では wear one's heart on one's sleeve と言います」と伝え、sleeve に線を引かせます
- 「シェイクスピアの劇 Othello に出てくる言い方です。そこでは upon my sleeve と書かれています」と伝えます
- ペアで、1人がクラスの友だちの様子を He / She wears ... の形で言い、もう1人が本当にそうか、日本語で答えます。役を替えて2回やらせます
出口チケット: 「私の妹は、気持ちをすぐ顔に出す」を、wears her heart on her sleeve を使って英語で書かせる
Hear, hear!
ヒア・ヒア 賛成のことばそうだ、そのとおり!(相手の発言への賛成を声で伝える一言)
まず、こんな場面を思い浮かべてください。大勢の人が集まる議場で、ある議員が話しています。周りの人が「この人の話を聞け」と声を上げます。
Wiktionary によると、この言い方は1689年から記録があります。はじめは hear him(彼の話を聞け)の形で、話し手に注意を向けさせるための呼びかけでした。
いまは、相手の発言に賛成するときの声として使われます。イギリスのように、議員が拍手をしない習慣の議会では、この言葉が賛成の声の役目をしている、と同じ辞書は説明しています。乾杯のあとにも使われます。
文化祭の話し合いで、友だちが「みんなで最後まで片づけをやろう」と提案しました。あなたも同じことを思っていました。
けれど、みんなの前で長く話すのは苦手です。
短く、声だけで賛成を伝えたい。
この一言を、英語は Hear, hear! と言います。A: Let's all stay and clean up. B: Hear, hear! と言えます。
こう使う
Let's thank everyone for their hard work today.
今日はみんなの頑張りに感謝しましょう。
Hear, hear!
そのとおり!
Hear, hear! That is exactly what I wanted to say.
そうだ、そのとおり。それこそ私が言いたかったことです。
発音:hear は「ヒア」と、口を横に引いて言います。2回目の hear を、少し強く言うと、賛成の気持ちがはっきり伝わります。
- こう問われる
- ①会話文の応答選択で、A: Let's thank everyone for their hard work. のあとの B の返事として、Hear, hear! / Here you are. / Not at all. から選ばせる形。②空所補充で、( ), hear! に hear を入れさせる形。③下線部の言い換えで、Hear, hear! を I agree / Listen to the radio / Come here から選ばせる形。
- ここで外す
- Here, here! と、「ここ」の here で書いてしまう誤りが起きやすいです。「ここだよ、ここ」と読んで、Here you are. のような「どうぞ」の返事と混ぜる答案もあります。
- 決め手
- 直前の相手の発言が提案・意見・感謝の言葉で、それに賛成する返事なら Hear, hear! です。物を渡す場面なら Here you are. です。つづりは hear(聞く)の2回です。
- 誤答
- Here, here/「ここ」の意味で、賛成の返事になりません。つづりも誤りです
- 正答
- Hear, hear/相手の発言に、声で賛成を伝える一言です
Before
Hear, hear! の発音が Here, here! と同じなので、つづりを here と書いたり、Here you are. と混ぜたりしていた
After
Hear, hear! は「聞け、聞け」から来た賛成の声だと分かる。前の発言への賛成の返事かどうかで、Here you are. と区別して選べる
Hear, hear! を教室で使う(5分)
ねらい: Hear, hear! が賛成を声で伝える一言だと言え、here との書き分けができるようにする
- 黒板に Hear, hear! と書き、「声に出して読んでください。何と聞こえますか」と聞きます
- 「『ここ、ここ』ではありません。hear は『聞く』で、もとは『この話を聞け』という呼びかけでした。いまは『そのとおり』の意味です」と伝えます
- その横に Here you are. と書き、「こちらは物を渡すときの『どうぞ』です」と伝えて、使う場面を分けさせます
- ペアで、1人が今日の授業やクラスについて意見を英語で1文言い、もう1人が賛成なら Hear, hear! と返します。役を替えて2回やらせます
出口チケット: 「そのとおり!」と賛成する返事を、Hear, hear! を使った短い会話文にして書かせる
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よくある質問
Once bitten, twice shy. の shy は、どう訳しますか?
このことわざでは「恥ずかしがり」ではなく、「用心深い」「警戒する」の意味です。Wiktionary によると、一度かまれたり傷ついたりした人が、同じ目にあうことを警戒するようになる、という意味のことわざです。
wear one's heart on one's sleeve は、いつの表現ですか?
Phrase Finder によると、記録に残る最初の例は、シェイクスピアの劇 Othello(1604年)です。そこでは on ではなく upon my sleeve と書かれています。
Hear, hear! と Here, here! のどちらが正しいですか?
賛成を伝える表現は Hear, hear! です。Wiktionary によると、もとは話し手に注意を向けさせる呼びかけで、hear は「聞く」の意味です。