陸上競技のスタートでは、ピストル(gun)の合図で選手が一斉に飛び出します。合図の前に飛び出すことを、もともとはbeat the gun(ピストルより先に出る)と言いました。1905年の陸上競技の本にも、スポーツマンらしくない選手が使うずるいやり方として記録が残っています。1920年代には、レース以外の場面での『早まった行動』を表す比喩としても使われるようになりました。
模試の自己採点だけで『もう受かった』と友達に言いふらしたら、あとで返ってきた本当の判定はC判定だった。そんな早合点の場面がjump the gunです。
なぜこの意味になるのか
ここでのgunは、陸上競技でスタートを知らせるピストルのことです。jumpも『飛びかかる』ではなく『(合図より先に)動き出す』という意味です。もとの言い方beat the gunから、jumpという語に置き換わって定着しました。
使うときの注意・使い分け
『まだ早いのに動いてしまった』という、時期尚早さを軽くたしなめるニュアンスで使われます。怒りよりも呆れや心配の混じった表現です。
例文で確かめる
Let's not jump the gun — we should wait for the official announcement first.
早まるのはやめよう。まず正式な発表を待つべきだ。
The company jumped the gun by announcing the merger before both boards had approved it.
その会社は、両社の取締役会の承認が下りる前に合併を発表し、先走ってしまった。
発音・リズム
gunは短く鋭く『ガン』。jumpのjuを強く読み、gunは添えるように軽く発音します。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①下線部の言い換え問題で、too early / prematureのような語と結び付けて意味を問う形。②会話文で、早合点した相手をたしなめる一言として空所に入れる形。
- ここで外す
- gunという単語につられて『銃で撃つ』のような物騒な意味だと誤解し、文脈と合わずに選択肢を外してしまう誤りが定番です。
- 決め手
- 直後に『まだ結果が出ていない』『早すぎる』という内容が続いていれば、jump the gunは『早まった行動をする』という意味だと判断します。
She jumped the gun by telling everyone she'd been accepted before the official results came out.
- 誤答
- 彼女は結果発表の前に、みんなに合格したと話して銃を撃った
- 正答
- 彼女は正式な結果発表の前に、みんなに合格したと話してしまい、先走った
読み方が変わる
Before
gunという単語だけを見て、物騒な意味の熟語だと思い込んでいた
After
スタートの合図より早く飛び出す絵が浮かび、『早まった行動をする』という意味だとすぐに判断できる
こぼれ話
日本語の『フライング』は和製英語で、英語ではflyingと言っても通じません。陸上競技の反則としてのフライングはfalse startです。
似た表現・反対の表現
- 似た意味
- act prematurelyget ahead of oneself
- 反対の意味
- wait for the right moment
jump the gun を教室で使う(6分)
ねらい: jump the gunの語源となる場面から、比喩の意味を導く
- 先生「短距離走で、ピストルが鳴る前に走り出したらどうなる?」と問いかけ、フライングの反則を確認する
- jump the gunを板書し、『スタートの合図より先に動く→早まった行動をする』という流れを説明する
- ペアで、『結果が出る前に早合点してしまった』場面を英語で発表し合う
- 出口チケットで、jump the gunを使った例文を1つ書かせる
出口チケット: 面接の結果が出る前に採用されたと思い込んだ、という場面をjump the gunを使って英語で書きなさい。
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
以下の条件で、私が書いた英語の文を直してください。①jump the gunを自然に使う。②物騒な意味に誤解されない文脈になっているか確認する。③直した文とその理由を日本語で書く。 """(ここに自分の文を貼る)"""