It takes two to tango.
イット・テイクス・トゥー・トゥー・タンゴ
「1人では成り立たない(争いやもめごとは、両方に原因がある)」
この表現のもとは、1952年にアル・ホフマンとディック・マニングが書いた曲『Takes Two to Tango』です。パール・ベイリーが歌ったレコードは、その年のビルボードのヒットチャートで7位まで上がり、17週にわたってランクインしました。歌詞は『1人でできることはたくさんあるけれど、タンゴだけは1人では踊れない』という内容で、ダンスの話がそのまま『争いやもめごとには両方に責任がある』という比喩に転用され、日常表現として定着しました。
友達と言い合いになったとき、『あっちが先に言ってきたんだから、悪いのは向こうだ』とお互いに言い張った経験はありませんか。It takes two to tango.は、そういう『どちらか一方だけが悪いわけではない』場面で使われる表現です。
なぜこの意味になるのか
tango(タンゴ)はアルゼンチン発祥のダンスで、1人では踊れず、必ず2人の息が合って初めて成立します。この『1人では成立しない』という構造が、争いやもめごとにもそのまま当てはまることから生まれた比喩表現です。
使うときの注意・使い分け
対立や言い争いが起きたとき、片方だけを一方的に責めるのはおかしい、とやんわり指摘する場面で使われる表現です。
例文で確かめる
Both of them kept blaming each other for the breakup, but it takes two to tango.
2人ともお互いのせいにし続けていたが、そういうもめごとは両方に原因があるものだ。
He says the whole argument was my fault.
あの言い争いは全部私のせいだって、彼は言っているの。
Well, it takes two to tango. He must have said something too.
でも、そういうもめごとは両方に原因があるものだよ。彼も何か言ったに違いない。
発音・リズム
tangoは/ˈtæŋɡoʊ/で、日本語の『タンゴ』とほぼ同じ音ですが、最初のtaを強く読みます。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①会話文の空所補充で、双方に責任があると指摘する返答として選ばせる形。②長文中で、対立の原因を一方だけに求める意見をたしなめる文脈で使われる形。
- ここで外す
- danceやtangoという単語につられて、実際にダンスを踊る話だと誤読する誤りが定番です。実際には争いやもめごとの話で、ダンスは比喩にすぎません。
- 決め手
- 2人以上が対立していて、片方だけが責められているという文脈でこの表現が出てきたら、『両方に原因がある』という意味で読み取ります。
- 誤答
- タンゴを踊るには2人必要だよ
- 正答
- そういうもめごとは両方に原因があるものだよ
読み方が変わる
Before
it takes two to tangoを見ると、ダンスの話としてしか読めず、争いの場面で出てくる理由が分からなかった
After
対立や言い争いの場面で使われる比喩だと分かり、片方だけを責める文脈にすぐ気づけるようになる
こぼれ話
同じ1952年に、ルイ・アームストロングもこの曲を録音しています。こちらはビルボードのチャートに28位で1週だけ入りました。表現そのものが世界の新聞に並ぶようになったのは、1982年の記者会見でレーガン米大統領が米ソ関係についてこの言い回しを使ってからだとされます。
It takes two to tango. を教室で使う(5分)
ねらい: 対立には両方に原因があるという考え方を表す表現を、身近な場面と結びつけて覚える
- 先生「友達とけんかしたとき、どっちが悪いって話になったことある?」と問いかける
- 1952年のヒット曲が由来だと紹介する
- ペアで、『どちらか一方だけが悪いわけではない』場面を1つ考えて英語で言ってみる
- 出口チケットで、It takes two to tango.を使って1文書かせる
出口チケット: 『友達とのけんかで、お互いに言い分がある』という場面を、It takes two to tango.を使って英語で1文書きなさい。
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
以下の条件で、It takes two to tango.を使った会話文を3つ作ってください。①友人関係や部活動でのもめごとの場面にする。②中学・高校生にも理解できる語彙にする。③日本語訳も添える。