イソップ寓話の1つに、羊の番をしていた少年が、退屈しのぎに『オオカミが来た!』とうそをついて村人を騒がせる話があります。少年は何度もこのいたずらを繰り返しました。ところがある日、本物のオオカミが現れて少年が助けを求めても、村人はまた嘘だと思い込み、誰も助けに来ませんでした。この寓話から、『うそや大げさな警告を繰り返すと、本当のことを言っても信じてもらえなくなる』という意味の英語表現cry wolfが生まれました。
大丈夫なのに『もうだめだ、間に合わない』と大げさに言い続けていたら、本当に困ったときに誰も信じてくれなかったという経験はありませんか。cry wolfは、そういう『大げさな警告を繰り返した結果、信用を失う』場面で使われる表現です。
なぜこの意味になるのか
wolf は『オオカミ』。イソップ寓話の一編にある、いたずらでオオカミが来たと繰り返し叫んだ羊飼いの少年の話に由来します。cryはここでは『叫ぶ、大声を上げる』という意味です。
使うときの注意・使い分け
実際には危険がないのに何度も警告や助けを求めることで、本当に困ったときに誰も信じてくれなくなる、という結末まで含む表現です。
例文で確かめる
The company has cried wolf about running out of money so many times that investors no longer take the warnings seriously.
その会社は資金が尽きるといううその警告を何度も繰り返してきたので、投資家はもう真剣に受け止めなくなっている。
Don't cry wolf about being sick just to skip practice, or no one will believe you when you're really unwell.
練習を休みたいだけで仮病を使ってはいけない。本当に具合が悪いときに、誰にも信じてもらえなくなるよ。
発音・リズム
wolfは/wʊlf/で、語頭のwoは日本語の『ウォ』に近い音です。日本語の『オオカミ』の音に引っ張られて、最初のwを弱く発音しないよう注意してください。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①下線部言い換えで、cry wolfの意味を選ばせる形。②長文中で、繰り返しの誇張表現がのちに信用を失う原因になったという文脈を読み取らせる内容一致問題。
- ここで外す
- wolfという単語につられて、実際にオオカミが登場する話だと誤読する誤りが定番です。実際には、うそや誇張した警告を繰り返す行動そのものを指す比喩です。
- 決め手
- 同じ警告や訴えを何度も繰り返していて、それが後で信じてもらえなくなるという文脈でこの表現が出てきたら、『うそをつき続けた結果、信用を失う』という意味で読み取ります。
The company has cried wolf about running out of money so many times that investors no longer take the warnings seriously.
- 誤答
- その会社はオオカミに向かって何度も叫んだので、投資家はもう警告を真剣に受け止めない。
- 正答
- その会社は資金が尽きるといううその警告を何度も繰り返してきたので、投資家はもう真剣に受け止めない。
読み方が変わる
Before
cry wolfを見ると、オオカミが登場する話としてしか読めず、比喩だと気づかなかった
After
繰り返しの誇張やうそが信用を失わせるという文脈だと分かれば、すぐに比喩だと読み替えられる
こぼれ話
この寓話はイソップ寓話の1つで、紀元前600年ごろにさかのぼるとされる古い話です。オオカミが来たと繰り返しうそをついた羊飼いの少年は、本物のオオカミが現れたときに誰にも信じてもらえず、羊を守れませんでした。
cry wolf を教室で使う(6分)
ねらい: うそを繰り返すと信じてもらえなくなるという表現を、寓話と結びつけて覚える
- 先生「オオカミが来たとうそをつき続けた少年の話を知っている?」と問いかける
- イソップ寓話『オオカミ少年』のあらすじを紹介する
- ペアで、『大げさな警告を繰り返す』とどうなるかを1つ考えて英語で言ってみる
- 出口チケットで、cry wolfを使って1文書かせる
出口チケット: 『大丈夫なのに毎回大げさに心配させていたら、誰も信じてくれなくなった』という場面を、cry wolfを使って英語で1文書きなさい。
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
以下の条件で、cry wolfを使った例文を3つ作ってください。①学校生活や部活動など、身近な場面を扱う。②中学・高校生にも理解できる語彙にする。③日本語訳も添える。