The grass is always greener on the other side.
ザ・グラス・イズ・オールウェイズ・グリーナー・オン・ジ・アザー・サイド
「自分が持っていないものの方が、よく見えてしまうこと(隣の芝生は青い)」
紀元前後のローマの詩人オウィディウスは、恋愛について書いた作品の中で「隣人の畑は、いつも自分の畑より豊作に見える」という意味のラテン語を残しています。他人の持ち物がより良く見えてしまう心理は、2000年以上前から変わっていないということです。
『芝生』を使ういまの英語の形は、1924年に発表されたポピュラーソングのタイトルがきっかけの1つとされています。畑が芝生に変わっても、自分の側より、他人の側の方が良く見えてしまうという中身は同じまま、いまの表現に受け継がれました。
友達のSNSに、楽しそうな部活や旅行の写真が並んでいるのを見て、自分の毎日だけが地味に思えてくることがあります。
The grass is always greener on the other side. は、その『他人の方が良く見えてしまう』心理そのものを言い当てた表現です。
なぜこの意味になるのか
古代ローマの詩人オウィディウスが、恋愛について書いた作品の中で『隣人の畑はいつも豊作に見える』という趣旨のラテン語を残したことが起源の1つとされます。英語で『芝生』を使う形は、1924年のポピュラーソングをきっかけに広まったとされています。
使うときの注意・使い分け
日本語の『隣の芝生は青い』とほぼ同じ発想の表現です。
例文で確かめる
Don't waste your summer wishing you'd joined a different club — the grass is always greener on the other side.
別の部活に入っていればよかったのにと夏を無駄にしないで。他人の方がつい良く見えてしまうだけだから。
I sometimes wonder if I'd be happier at a different school.
別の学校だったらもっと楽しいのかなって、たまに思うんだ。
The grass is always greener, you know.
他人の芝生はいつも青く見えるものだよ。
発音・リズム
greener の gree は、日本語の『グリ』より舌先を上あごに近づけて【グリー】と伸ばします。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①長文で、他人の生活をうらやむ人物の心情を表す表現として使われる形。②会話文で、部活や進路を迷っている人へのアドバイスとしての空所補充。③ You don't know what you've got till it's gone.(失って初めてありがたみに気づく)との判別を問う形。
- ここで外す
- 失ったあとの後悔を表す表現だと勘違いする誤りが定番です。The grass is always greener は『いま自分にあるものと、他人が持っているものを比べて羨む』場面で使う表現で、『すでに失ったものに、あとから気づく』You don't know what you've got till it's gone. とは、時間の向きが逆です。
- 決め手
- 比べている対象が『いま自分の手元にあるもの』なのか『すでに失ったもの』なのかを見ます。手元にあるものと他人を比べて羨んでいるなら the grass is greener、失ってから初めて気づいたなら you don't know what you've got till it's gone です。
He keeps comparing his part-time job to his friend's — the grass is always greener, as they say.
- 誤答
- 彼は自分のアルバイトと友達のアルバイトを比べてばかりいる。もう手遅れだ、とよく言われるとおりに。
- 正答
- 彼は自分のアルバイトと友達のアルバイトを比べてばかりいる。人はつい、他人の方が良く見えてしまうものだ。
読み方が変わる
Before
the grass is greener という一文を見た瞬間、庭や芝生の説明をしている文だと思い込み、話の筋を見失っていました。
After
比べている対象が『いま持っているもの』であれば、これは人の心理を表す比喩だとすぐ気づけるようになります。長文の心情読解で、話の筋を見失わなくなります。
こぼれ話
2000年以上前のローマの詩から、いまのSNS時代の感情まで、同じ心理を言い当てられているのは面白いところです。
似た表現・反対の表現
- 反対の意味
- Bloom where you are planted.
The grass is always greener on the other side. を教室で使う(6分)
ねらい: the grass is greener を、他人の生活と比較する心理のサインとして認識できるようにする
- 「友達のSNSを見て、うらやましいと感じたことはありますか」と軽く尋ねる(個人名は出させない)
- The grass is always greener on the other side. を黒板に書き、直訳と比喩の意味を並べて確認する
- 短い英文を2つ見せ、『いま持っているものと他人を比べている文』はどちらかを選ばせる
- ペアで、部活・進路・持ち物など身近な題材でこの表現を使った一文を作らせる
出口チケット: The grass is always greener on the other side. を使って、他人の状況をうらやむ気持ちを表す一文を書いてください。
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
The grass is always greener on the other side. を使った短い文章を、次の条件で英語で作ってください。①場面は部活・進路・SNSのいずれか②話し手が他人の状況を羨んでいることを示す③この表現を自然な形で使う。