First come, first served.
ファースト・カム・ファースト・サーヴド
「先に来た人から順に対応する(先着順)」
まず、こんな場面を思い浮かべてください。袋に入れた麦を背負って、村の人が粉ひき小屋に集まってきます。石臼は1つしかありません。
14世紀の終わりごろに Chaucer が書いた The Canterbury Tales に、こんな1行があります。登場人物「バースの女房」の話の前置きの部分です。
Who-so that first to mille comth, first grint;
「粉ひき小屋に先に来た人が、先に粉をひいてもらえる」という意味です。女房はこの言葉のすぐあとで、「だから私は、夫たちより先に文句を言った」と続けます。
いまの First come, first served. と同じ考えが、粉ひきの順番の形で書かれています。ただし、言い回しはいまとは違います。
昼休みのチャイムが鳴りました。購買には、1日20個だけの限定パンが並びます。
予約はできません。早く着いた人から買えて、20個がなくなったら終わりです。あなたは、授業が少し長引いた日は買えたことがありません。
早く来た人から順に、対応してもらえる。
このやり方を、英語は First come, first served. と言います。The bread is first come, first served. と言えます。
なぜこの意味になるのか
first come は「最初に来た(人)」、first served は「最初に対応される」です。served は serve「出す、対応する」の過去分詞で、受け身の意味になります。2つを並べて、「先に来た人が、先に対応される」という意味になります。
使うときの注意・使い分け
来た順に対応する、という決まりを伝えるときに使います。Merriam-Webster は、早く来た人が、あとから来た人より先に対応してもらえることを言う、と説明しています。同じ辞書は first come, first serve という形も載せています。
例文で確かめる
There are no reservations. The seats are first come, first served.
予約はできません。席は先着順です。
The free tickets will be given out on a first-come, first-served basis.
無料のチケットは、先着順で配られます。
発音・リズム
first come と first served を、同じ調子で2回くり返すように読みます。served の d は、軽く添えるだけです。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①掲示や会話の内容一致で、Seats are first come, first served. を「先着順で座れる」「予約した人だけ座れる」「最初の客は無料」から選ばせる形。②和訳で、served を「出してもらう、対応してもらう」と訳せているかを見る形。③空所補充で、on a first-come, first-served ( ) に basis を入れさせる形。
- ここで外す
- 「最初に来た人が、最初に料理を出す」という和訳が出ます。served を「出す側」と読んだ誤りです。もう1つは、on a first-come, first-served basis の on を in と書く誤りです。
- 決め手
- served は「出してもらう、対応してもらう」という受け身です。来た人は「対応される側」なので、「先に来た人から順に対応してもらえる」と訳します。直後に basis が来たら、前置詞は on です。
There are no reservations. The seats are first come, first served.
- 誤答
- 予約はありません。最初に来た人が、最初に席を案内します。
- 正答
- 予約はできません。席は先着順です。
読み方が変わる
Before
first come, first served を単語ごとに訳して、served を「出す」と読み、だれが何をするのか分からない和訳になっていた
After
served は「対応してもらう」側の形だと分かる。掲示の英文を見たら、すぐに「先着順」と言い換えられる
こぼれ話
Wiktionary の翻訳欄には、デンマーク語やスウェーデン語で、粉ひき小屋(mill)を使った同じ意味のことわざが載っています。スウェーデン語の först till kvarn は「粉ひき小屋へ一番に」という形です。
似た表現・反対の表現
- 似た意味
- on a first-come, first-served basis
First come, first served. を教室で使う(5分)
ねらい: First come, first served. が「先着順」の意味で、served が受け身であることを言えるようにする
- 黒板に First come, first served. と書き、「served はだれが何をされるのでしょう」と聞きます
- 「serve は『食事を出す、対応する』です。served は『対応される』で、主語は来た人です」と伝え、served に線を引かせます
- 「Chaucer の本には、粉ひき小屋に先に来た人が先に粉をひいてもらえる、という1行があります」と紹介します
- ペアで、1人が The tickets are first come, first served. と言い、もう1人が「チケットは先着順です」と日本語で返します。役を替えて2回やらせます
出口チケット: 「この席は予約できません。先着順です」を、first come, first served を使って英語で書かせる
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
First come, first served. を使った短い英文を3つ作ってください。条件は次のとおりです。①高校生の生活の場面(購買・文化祭・部活の申し込み)にする。②served が「対応してもらう」という受け身であることに、日本語で短く触れる。③1つは on a first-come, first-served basis の形にする。④それぞれに日本語訳を付ける。