夜が明けたばかりの草地。土から出てきたミミズは、日差しに驚いてまだ動きが鈍い。そこへ一番乗りした鳥だけが、争う相手もなく朝ごはんにありつけます。
17世紀の英語のことわざ集に、すでに載っている古い言い回しです。当時の農村では、早く畑に出た者から、その日いちばん良い場所と、いちばん実った作物を選べました。その現実が、そのまま言葉になりました。
この一文が言っているのは鳥の話ではなく、「まだ誰も来ていない場所に、一番乗りする」という状況です。
朝早く行くと、自習室の窓際の席が空いている。人気の模試の申込枠が、朝のうちに埋まる。心当たりがあるはずです。
これは運ではありません。先に動いた人にだけ、選べる余地が残っている。早起きが偉いのではなく、早く動いた人から順に選択肢が多い。この一文が言っているのは、それだけです。
なぜこの意味になるのか
17世紀のイギリスのことわざ集に、すでに記録されている古い言い回しです。
使うときの注意・使い分け
「早起き」そのものより「先に動いたかどうか」に重心があります。日本語の「善は急げ」に近い場面でも使えます。
例文で確かめる
She submitted her application the day it opened. The early bird catches the worm.
彼女は応募開始日にすぐ申し込みを済ませた。まさに早いもの勝ちだ。
I always arrive at the library right when it opens. The early bird catches the worm, after all.
私はいつも図書館が開くと同時に行く。結局、先に動いた者が得をするからね。
発音・リズム
catches の語尾は「キャッチィズ」と、チの後にイの音を軽く添えます。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①会話文の空所補充で、迷っている相手に「早く動け」と言う一言として選ばせる形。Better late than never.(遅くてもやらないよりまし)と並ぶと、向きが逆なので迷います。②長文の締めのことわざとして、筆者の主張と一致するものを選ばせる形。③整序・英作文で catches の三単現の s を問う形。
- ここで外す
- catches の s を落として The early bird catch the worm. と書く誤りが定番です。主語は The early bird で三人称単数。 読みの側では、「早起き」という表面だけで覚えていると、健康や睡眠の話だと思って無関係の選択肢を選びます。言っているのは起きる時刻ではなく、先に動いた者が取るという順番の話です。
- 決め手
- bird を「先に動いた人」、worm を「先着だから取れるもの」に置き換えます。置き換えが通れば、応募でも予約でも出願でも同じ意味で読めます。鳥も虫も出てこない場面のほうが、むしろ普通です。
- 誤答
- Better late than never./「遅くてもやらないよりまし」。待つことを認める側なので、Send it in now. と続きません
- 正答
- The early bird catches the worm./「先に動いた者が取る」。だから「いますぐ出せ」と続きます
読み方が変わる
Before
「早起きは三文の徳」の英語版として、日本語のことわざと1対1で覚えていました。だから健康や生活習慣の話でしか結びつかず、応募や予約の場面で出てくると、別のことわざに見えていました。
After
bird=先に動いた人、worm=先着だから取れるもの、と部品で読めます。鳥も虫も出てこない文でも「順番の話をしている」と分かるので、長文の締めに置かれたことわざから、筆者の主張までつなげられます。
こぼれ話
英語には、逆から皮肉る言い方もあります。The second mouse gets the cheese.(2番目のネズミがチーズにありつく)。一番乗りは罠にかかる危険も背負う、という茶化しです。
似た表現・反対の表現
- 似た意味
- strike while the iron is hot
The early bird catches the worm. を教室で使う(5分)
ねらい: ことわざの意味を、体の動きを伴う具体例で理解する
- 「みんなの生活の中で、早く動いた人だけが得をした場面を1つ思い出してみてください」と投げかける
- 出てきた例(席取り・限定商品・部活の道具の順番など)を黒板に3つ並べる
- 「その全部に共通する一言が、実は英語のことわざになっています」と言って the early bird catches the worm を提示する
- ペアで「自分の一番乗り体験」を1つずつ英語一文で言わせる
出口チケット: The early bird catches the worm. を使って、自分の体験を表す一文を書いてください。
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
英語のことわざ The early bird catches the worm. を使った短い会話文を、次の条件で作ってください。①場面は高校生の日常(部活・勉強・買い物のいずれか)②登場人物は2人、3〜4往復のやり取り③このことわざを使う側のセリフの直前に、なぜそう言いたくなったのかが分かる一文を入れる。