無声映画のころ、観客がいちばん沸くのは追いかけっこの場面でした。その前には、たいてい説明のための場面が長く続きます。編集の現場で「前置きはいいから、追跡の場面へ切り替えろ」と指示した言葉が、そのまま言い回しとして残ったと言われています。
記録に残るのは1920年代の終わりごろからです。それ以前にさかのぼれるかどうかは分かっていません。いまは映画と関係のない場面でも、話を先へ進めたいときに使われます。
班の発表が始まった。3分たっても、まだ「私たちがこのテーマを選んだ理由」が続いている。聞いている側は、結論を待っています。cut to the chase は、その「早く見せ場へ」という気持ちを、そのまま言葉にしたものです。
なぜこの意味になるのか
無声映画のころ、観客がいちばん沸くのは追いかけっこ(chase)の場面でした。編集で「前置きはいいから、追跡の場面へ切り替えろ」と指示した言葉が、そのまま残ったと言われています。記録に残るのは1920年代の終わりごろからです。
使うときの注意・使い分け
せかしている感じが出るので、目上の人には使いにくい。自分について「本題に入ります」と言うぶんには問題ない。
例文で確かめる
We only have ten minutes, so let me cut to the chase.
時間が10分しかないので、本題に入ります。
Stop explaining the background and cut to the chase.
背景の説明はもういいから、本題に入ってくれ。
発音・リズム
chase は「チェイス」。ch は「チ」の音で、k の音にはならない。cut の u は口をあまり開けない短い「ア」。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①下線部の言い換えで、cut to the chase に近い get to the point を選ばせる形。②正反対の beat around the bush と並べ、本文に合うほうを選ばせる形。③空所補充で、cut to the ______ の空所に入る語(chase)を問う形。
- ここで外す
- 空所に chase ではなく point や case を入れる誤り。cut to the point という形は使わない。もう1つは、cut を「打ち切る」と読み、話をやめる側の意味だと取る誤り。
- 決め手
- cut のうしろに to があるかを見る。to が続けば「〜へ切り替える」で、話を先へ進める側。打ち切るなら cut off や call off になり、to は付かない。
I know you're busy, so I'll cut to the chase: we need your answer by Friday.
- 誤答
- お忙しいのは分かっているので、追跡は打ち切ります。金曜までにお返事が必要です。
- 正答
- お忙しいのは分かっているので、本題に入ります。金曜までにお返事が必要です。
読み方が変わる
Before
cut を「切る」とだけ覚えていたので、cut to the chase を「追跡を打ち切る」という逆の意味で読んでいた
After
cut to ~ が「〜へ切り替える」という映像の言葉だと分かり、cut off との違いを、うしろの前置詞だけで見分けられるようになる
こぼれ話
同じ場面で "Let's get to the point." も使える。cut to the chase のほうがくだけていて、勢いがある。
似た表現・反対の表現
- 似た意味
- get to the pointget down to business
- 反対の意味
- beat around the bush
cut to the chase を教室で使う(5分)
ねらい: cut to ~ が「〜へ切り替える」だと分かり、cut off との違いを前置詞で見分けられるようにする
- 「話が長い人に、どう切り出す?」と日本語で問いかける
- cut to the chase を提示し、無声映画の見せ場が chase だったことを説明する
- cut off(打ち切る)と並べ、うしろが to か off かで意味が変わることを確認する
- 自分の発表の前置きを1文にまとめさせ、そのあとに本題を言わせる
出口チケット: cut to the chase を使って、自分の発表の切り出しを1文書いてみよう。
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
発表の原稿を短くしたいときに使えます。①場面:「授業での3分間の発表」②いまの原稿:"""(ここに自分の原稿を貼る)""" ③前置きを1文に縮め、cut to the chase を自然に使った切り出しを、英語と日本語訳の両方で提案してください。