bite off more than you can chew
バイト・オフ・モア・ザン・ユー・キャン・チュー
「自分の力量を超えることに手を出す、無理な量を引き受けすぎる」
この表現が記録に現れるのは19世紀のアメリカで、当時人気だったのはchewing tobacco(かむタバコ)でした。板状に固められたタバコから、自分がかめる分よりも大きな一口をbite off(かじり取る)してしまうと、口の中で処理しきれずに困ってしまいます。1877年に出版されたJohn Hanson Beadleの著書『Western Wilds』には、Men, you've bit off more'n you can chaw.という初期の例が残っています。ただし、この表現の起源がはっきり分かっているわけではありません。かむタバコから生まれたというのは、よく紹介される説の1つです。
部活の大会、生徒会の行事、模試の申し込み。気づけば全部同じ週に重なっていて、どれも中途半端になってしまった。そんな経験はありませんか。頼まれごとを断れずに引き受け続けた結果、どれ1つとして終わらせられなくなる。そんなときに、周りの人はこの表現を使います。
なぜこの意味になるのか
bite off(かじり取る)は、かむタバコから一口分をちぎり取る動作そのものです。chew(かむ)は、口に入れたものを処理する能力を表します。『かじり取った量』と『かめる量』のあいだにあるズレそのものが、この表現の意味そのものになっています。
使うときの注意・使い分け
take on too much(引き受けすぎる)よりも、『後になって処理できないと気づく』という後悔のニュアンスが強い表現です。
例文で確かめる
Volunteering to organize the whole festival by yourself? You might be biting off more than you can chew.
文化祭の企画を1人で全部引き受けるつもり? それは無理をしすぎかもしれないよ。
I bit off more than I could chew when I signed up for four club activities.
部活を4つも掛け持ちすると決めたとき、私は自分の手に負えないことを引き受けてしまっていた。
発音・リズム
biteの/aɪ/を、chewの/uː/よりも短く鋭く読むと、bite offのつながりが自然に聞こえます。moreとthanのあいだは、軽く音をつなげてmore'nのように読まれることもよくあります。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①下線部の内容を言い換えさせる問題で、『無理な計画を立てて後悔する』という内容の慣用表現として選ばせる形。②長文の要約文の空所補充で、登場人物の行動を評した表現として使わせる形。
- ここで外す
- biteという動詞につられて、『食べ物の話』や『誰かにかみつく』という意味だと誤解するのが典型的な誤りです。実際には食べ物の話ではなく、『自分の処理能力を超えた仕事や約束を引き受けること』という比喩表現です。
- 決め手
- 文の前後に『引き受けた量・約束の大きさ』と『それをこなせなかった、あるいは苦労した』という結果の両方があるかを確認してください。量の大きさと、それに見合わない結果の両方がそろっていれば、この表現が使えます。
By agreeing to lead three club activities at once, Kenji realized he had bitten off more than he could chew.
- 誤答
- 健二は、一度に3つも食べ物をかんでしまったことに気づいた。
- 正答
- 健二は、自分の手に負えないほどのことを引き受けてしまったと気づいた。
読み方が変わる
Before
bite off more than you can chewを、biteという語につられて食べ物の話だと思っていた
After
『自分の力量を超えた量を引き受ける』という比喩だと分かり、長文中で登場人物の失敗の原因を説明する文として素早く見つけられる
こぼれ話
かむタバコは板状に固められて売られ、人にすすめられて一口かじり取るのがふつうの習慣でした。かめる量を超えて大きくかじると、口の中で処理しきれなくなります。そこからこの表現が生まれたとよく紹介されますが、確かめられた起源ではなく、有力な説の1つです。
似た表現・反対の表現
- 似た意味
- take on too muchovercommit
bite off more than you can chew を教室で使う(7分)
ねらい: 自分の予定を見積もり、bite off more than you can chewを使って説明できるようにする
- 先生が今週の自分の予定(授業準備・部活の顧問・原稿の締め切りなど)を挙げ、I think I've bitten off more than I can chew this week.と自己開示する
- 生徒に、今週や今月に引き受けている予定をすべて紙に書き出させる
- 隣同士で予定を見せ合い、多すぎると感じたら『bite off more than you can chewかもしれない』と英語で指摘し合う
- 最後に、優先順位をつけるとしたら何を減らすかを1つ発表させる
出口チケット: 自分が引き受けすぎていると感じた経験を、bite off more than you can chewを使って英文で1つ書きなさい
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
次の条件でbite off more than you can chewを使った例文を作ってください。①学校生活の場面(部活・委員会・勉強のいずれか)を舞台にする。②引き受けすぎて困っている描写を先に書き、そのあとにこの表現でまとめる。③似た意味のtake on too muchを使った言い換え文も1つ添えてください。