中世の狩猟では、勢子と呼ばれる人が長い棒で茂みをたたき、隠れている鳥や獣を追い出して、待ち構える猟師に捕らえさせていました。隠れているのが危険な獲物だった場合にそなえ、茂みの『中』ではなく『周り』をたたいて、直接ぶつかる危険を避けていた、という説があります。
本当に聞きたいこと、伝えたいことがあるのに、切り出せずに関係のない話ばかりしてしまう。相談の予約をした職員室の前で、そんな経験をした人もいるはずです。まさにbeat around the bushの状態です。
なぜこの意味になるのか
狩りの場面が由来とされます。中世の狩猟では、勢子(beater)と呼ばれる人が茂み(bush)を棒でたたいて獲物を追い出し、猟師が仕留める役割分担がありました。茂みを直接たたかず『周りを(around)』たたいたのは、隠れているのが危険な獲物(イノシシなど)だった場合に、直接ぶつかる危険を避けるためだった、という説があります。1440年ごろの中英語の詩『Generydes』に『茂みをたたく人がいて、鳥を捕まえる人がいる』という一節があり、aboutが付いた beat about the bush の形は、1572年のジョージ・ガスコインの作品集に出てきます。
使うときの注意・使い分け
はっきり言わずに周辺の話ばかりする人に対して使います。
例文で確かめる
Stop beating around the bush and tell me what happened.
遠回しに言うのはやめて、何があったのか教えて。
He beat around the bush for ten minutes before admitting he'd broken the vase.
彼は花瓶を割ったと認めるまで、10分間も遠回しな話を続けた。
発音・リズム
bushは口をあまり開けない/bʊʃ/の音。日本語の『ブ』より短く、こもった響きです。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①下線部の内容一致で、『遠回しに言う』の言い換えとして beat around the bush を選ばせる形。②会話文で、率直に話すよう促す表現との対比で問う形。
- ここで外す
- aroundをinやintoと書き間違えると、『茂みの中をたたく』ことになって由来の絵と逆になります。なお、イギリス英語のbeat about the bushも正しい形です。
- 決め手
- 『茂みの中に踏み込まず、周りをたたく』という絵を思い出せば、inとaroundを混同しません。
He kept beating ______ the bush instead of answering directly.
空所に入る前置詞は?
- 誤答
- in(茂みの中に踏み込む形になり、由来の絵と逆になる)
- 正答
- around(茂みの周りをたたく=遠回しにする。イギリス英語ではaboutも正解)
読み方が変わる
Before
beat around the bushを『茂みを叩く』という意味不明な丸暗記で覚えていた
After
『危険な獲物に直接触れず、周りから追い出す』という狩りの絵と結びつけて、aroundの理由まで説明できる
こぼれ話
aroundを使うのはアメリカ英語で、イギリス英語ではaboutを使い beat about the bush となります。
似た表現・反対の表現
- 似た意味
- hem and hawdance around the question
- 反対の意味
- get to the pointspeak plainly
beat around the bush を教室で使う(7分)
ねらい: 由来の絵からaroundの意味を体感させる
- 先生「机の下にボールが隠れています。捕まえたいけど直接手を入れたくない。どうする?」と問いかけ、周りを軽くたたいて追い出す動作を実演する
- 「これがbeat around the bushの絵です」と伝え、狩りの勢子の役割を説明する
- ペアで『遠回しに言われて困った』場面を1つ挙げさせ、beat around the bushを使って一文にする
- 出口チケットで、aroundをinに変えた誤答を直させる
出口チケット: 次の文を正しく直しなさい。Stop beating in the bush and tell me the truth.
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
以下の条件で、私の英作文を直してください。①beat around the bush を自然に使う。②aroundをin/intoに変えていないか確認する。③直した文とその理由を日本語で書く。 """(ここに自分の英文を貼る)"""