Phrase Finder によると、Be my guest. は、特定の出来事から生まれた言い方ではありません。もとは「私の客になってください」という、そのままの意味の言葉です。
「どうぞ、ご自由に」の意味で使った、いちばん古い例として載っているのは、Oxford English Dictionary が挙げる1955年の雑誌 American Speech です。そのあと、1962年と1965年の本にも出てきます。
1965年の例は、あまり乗り気ではない言い方でした。同じ Be my guest. でも、口調によっては、しぶしぶ許す響きになります。
1594年ごろの詩にも、この3語が並ぶ一節はあります。ただしそれは、文字どおりの意味で、いまの「どうぞ」ではありません。
昼休み、隣の席の友だちが言います。その参考書、ちょっと借りてもいい?
あなたは、すぐに渡したい気分です。そのとき、ひと言で「いいよ、どうぞ」と伝える言い方があります。
Be my guest.
相手が「〜してもいい?」と許可を求めたあとに返す、「どうぞ」のひと言です。文の頭に Yes と付けなくても、それだけで許可になります。
なぜこの意味になるのか
be は命令の形で「〜になってください」、my guest は「私の客」です。「私の客としてふるまってください」から、「遠慮なく、好きにしてください」の意味に進みました。客は、主人のもてなしを自由に受けられる立場だからです。
使うときの注意・使い分け
相手が何かをしていいか聞いたときに、「どうぞ、遠慮しないで」と伝える返事です。笑顔で言えば親切な許可になります。一方で、Be my guest. と冷たい声で言うと、「やれるものなら、どうぞ」とつき放す言い方にもなります。
例文で確かめる
Can I borrow your eraser?
消しゴムを借りてもいい?
Be my guest.
どうぞ。
You think you can fix it faster? Be my guest.
そっちのほうが速く直せると思うの? じゃあ、やってみれば。
発音・リズム
強く読むのは guest ひとつです。ビマイ・ゲストのように、be my は軽くつなげます。guest の st は、ゲストと母音を入れずに、短く止めます。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①会話文の応答選択で、A: Can I borrow your pen? への返事として、Be my guest. / Never mind. / Help me out. / Thank you. の4つから選ばせる形。②空所補充で、A: May I sit here? B: ( ). Go ahead. の空所に、Be my guest. を入れさせる形。
- ここで外す
- my guest を「私のお客」と訳して、パーティーや宿泊の場面だけの言い方だと決めつける答案が定番です。そのため、許可を求められた場面で選べません。もう1つは、Never mind.(気にしないで)と混ぜて、断りの返事に見えてしまう誤りです。
- 決め手
- 相手が「借りてもいい?」「座ってもいい?」と許可を求めたすぐあとの返事なら、Be my guest.(どうぞ)です。Never mind. は「気にしないで」で、許可の返事ではありません。
- 誤答
- Never mind./「気にしないで」で、貸してよいという返事になりません
- 正答
- Be my guest./「どうぞ」と、貸すことを許すひと言です
読み方が変わる
Before
Be my guest. を「私のお客さんになって」と直訳していて、会話文で許可の返事として選べず、Never mind. と迷っていた
After
相手が許可を求めたすぐあとに Be my guest. が来たら、「どうぞ」と読める。直訳の「お客」に引っぱられず、応答選択をその場で決められる
こぼれ話
Phrase Finder が挙げる1594年ごろの Richard Barnfield の詩には、Be my guest にあたる3語が出ます。ただし、それは文字どおりの「私の客になって」で、いまの「どうぞ」ではありません。同じ語の並びでも、意味が生まれた時期は、ずっとあとです。
似た表現・反対の表現
- 似た意味
- Go ahead.Please do.
- 反対の意味
- Never mind.
Be my guest. を教室で使う(5分)
ねらい: Be my guest. が、許可を求められたときの「どうぞ」だと、ペアの会話で体験させる
- 「友だちに、消しゴムを貸してと頼まれました。日本語で何と答えますか」と聞き、何人かに答えさせます
- 「英語では、こう言います」と言って、Be my guest. と板書します
- A: Can I use your eraser? B: Be my guest. の会話を、ペアで役を替えて2回読ませます
- 「言い方によって、しぶしぶ許す響きにもなります」と言い、笑顔で言う場合としぶしぶ言う場合を、先生が1回ずつ見本で読みます
出口チケット: Can I ~? と聞かれたら、Be my guest. と返す短い会話を、英語で1つ書かせる
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
Be my guest. を使った英語の短い会話を3つ作ってください。条件は次のとおりです。①友だちが文房具を借りる場面、②先輩が席にすわる許可を求める場面、③家族がお菓子を食べてよいか聞く場面。④それぞれに日本語訳を付けてください。⑤最後に、Never mind. との意味のちがいを1文で説明してください。