the apple of one's eye
ジ・アップル・オブ・ワンズ・アイ
「(〜にとって)いちばん大切な人、目に入れても痛くないほどかわいい人」
この apple は、果物のりんごではありません。Wiktionary によると、もとは目の瞳を指す言葉でした。瞳を「硬くて丸いもの」と見ていたことが、apple と呼んだ理由だろうとされています。
瞳は、体の中でも大事に守りたい場所です。何かが飛んできたら、まず目を閉じます。
Wikipedia によると、この言い方がいちばん古く見つかるのは、アルフレッド大王のものとされる9世紀の古英語訳です。1611年の欽定訳聖書でも、いくつもの箇所に出てきます。申命記32章10節には he kept him as the apple of his eye(瞳のように彼を守った)とあります。
自分の瞳と同じくらい大切に守る相手。そこから「いちばん大切な人」の意味になりました。
あなたが祖父母の家に着くと、おばあちゃんが真っ先に玄関まで出てきます。好きなおかずが、テーブルにもう並んでいます。
「この子は目に入れても痛くない」
日本語はこう言います。英語は同じ気持ちを、目の中の瞳で言います。You are the apple of her eye. と言えば、「あなたはおばあちゃんにとって、いちばん大切な孫だ」という意味になります。
なぜこの意味になるのか
apple は古い英語で「瞳」も指しました。of one's eye は「〜の目の」です。〜の目の中の瞳という並びになります。瞳は自分が大切に守るものなので、「〜が大切にしている人」の意味になります。one's の所に入る人が、大切に思っている側です。
使うときの注意・使い分け
家族、とくに親や祖父母が子や孫をかわいがる場面でよく使います。恋人や、ペット・大事な物に使うこともあります。日本語の「目に入れても痛くない」に近い言い方です。
例文で確かめる
My little sister is the apple of my grandmother's eye.
妹は、祖母にとって目に入れても痛くないほどかわいい存在だ。
That old dog is the apple of my father's eye.
あの年老いた犬は、父のいちばんの宝物だ。
発音・リズム
apple と eye を強く「アップル・オブ・ヒズ・アイ」と言います。of は軽く「アヴ」くらいに弱めます。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①下線部の言い換えで、the apple of his eye を his favorite person / someone he loves most と同じ意味だと選ばせる形。②空所補充で、She is the ( ) of her father's eye. の空所に apple を入れさせる形。③内容一致で、誰が誰を大切にしているのかを問う形。
- ここで外す
- His son is the apple of his eye. を「息子は父の目の上のたんこぶだ」と、邪魔者の意味に取る答案が出ます。目の中に何かが入る絵から「目障り」を連想するためです。もう1つは向きの取りちがえで、「息子が父を大切にしている」と主語の側を愛する人にする誤りです。
- 決め手
- of のあとの 〜's eye の人が「大切に思っている側」、be 動詞の主語が「大切にされている側」です。A is the apple of B's eye なら、B が A をかわいがっています。
Their youngest daughter is the apple of their eye.
- 誤答
- 末の娘は、両親にとって目障りな存在だ。
- 正答
- 末の娘は、両親にとって目に入れても痛くないほどかわいい存在だ。
読み方が変わる
Before
apple が出てくると果物の話だと思い、the apple of his eye を「彼の目のりんご」と直訳して、言い換え問題で選べなかった
After
apple=瞳と分かれば、「瞳のように大切な人」とすぐ訳せる。A is the apple of B's eye の形で、誰が誰を大切にしているかも取りちがえない
こぼれ話
Wikipedia によると、シェイクスピアは1590年代の劇で、この言い方を「瞳」そのものの意味で使っています。登場人物オベロンのせりふ Sink in apple of his eye(彼の瞳にしみこめ)がその例です。いまの「大切な人」の意味と並んで、もとの「瞳」の意味も生きていたことが分かります。
似た表現・反対の表現
- 似た意味
- someone's favoriteloved one
the apple of one's eye を教室で使う(5分)
ねらい: the apple of one's eye の apple が瞳を指すことを知り、A is the apple of B's eye の向きを正しく言えるようにする
- 黒板に the apple of my eye と書き、「この apple は果物でしょうか」と聞きます
- 「この apple は、昔の英語で瞳のことです。瞳は、何かが飛んできたらまず守る場所ですね」と伝えます
- His son is the apple of his eye. を書き、「大切に思っているのは誰ですか」と聞きます。答えは his(父)です
- ペアで、家族やペットを主語にして A is the apple of B's eye. の文を1つずつ作らせ、相手に日本語で訳させます
出口チケット: 「その犬は、祖父にとっていちばん大切な存在だ」を、the apple of one's eye を使って英語で書かせる
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
the apple of one's eye を使った英文を4つ作ってください。条件は次のとおりです。①高校生の家族・ペット・部活の場面にする。②A is the apple of B's eye の形で、A と B をはっきり書く。③それぞれに日本語訳を付ける。④誰が誰を大切にしているのかを、日本語で一言添える。