TED-Ed✓ 視聴済4:52⚡ 速くて聞き取れない人へ:0.75倍→1.25倍で耳を慣らす
1.25倍のあとに等速へ戻すと、ゆっくりに感じる。その耳を0.75倍から1段ずつ作る
30秒でわかる
- できるようになること
- 再生速度を道具として使い、ふつうの速さの英語に耳を慣らす練習です。速さのせいで聞こえない所が減っていきます。
- 入試ではここに効く
- 共通テストのリスニングなど、ふつうの速さで流れる音声についていく力に直結します。1.25倍で慣らしておくと、本番の音声に余裕を感じやすくなります。
- こんな人に
- 「速くて何を言っているか分からない」と感じる人に。
今日やること10分
TED-Ed✓ 視聴済4:52体の話で単語を推測しやすく、ナレーションも整っているので、速さだけに集中して練習できます。
▶ この動画でミッションやってみた例:原田英語の「速さメモ」と音の印のつけ方
原田英語が、同じ30秒を3つの速さで聞き比べたメモです。どこで崩れるかが分かると、やることが1つに決まります。
| 速さ | 聞こえ方(自分の感覚) |
|---|---|
| 0.75倍 | ほぼ意味が取れる。でも2文目のつながる所だけ聞こえない |
| 1.0倍 | 前半はOK。後半から単語がくっついて「音のかたまり」になる |
| 1.25倍 | 話題しか分からない |
→ 今のスタート地点は「1.0倍の後半」。ここを3日で通して聞けるようにする、と決めます。
音の印のつけ方(オリジナルの例文)
字幕を見ながら0.75倍で聞き、つながる所に「‿」、消えかける音に( )、強く聞こえる語に太字の印をつけます。下は原田英語が作った例文です。
| 例文(オリジナル) | 印をつけたもの | 聞こえ方の目安 |
|---|---|---|
| Pick it up and put it on the desk. (手に取って、机に置いて) | Pick‿it‿up and put‿it on the desk. | ピッキラップ/プリロン |
| I'm going to call you next week. (来週電話するね) | I'm going to call you nex(t) week. | next の t が消えかける |
| Turn it off and get out of bed. (消して、ベッドから出て) | Turn‿it‿off and get‿out of bed. | ターニロフ/ゲラウロブ |
カタカナはあくまで聞こえ方の目安です。印をつけたら、その文だけゆっくり→ふつうで3回ずつ声に出します。口で言えると、耳でも聞き取りやすくなります。
3日間の記録
| 日 | やったこと | 結果 |
|---|---|---|
| 1日目 | 0.75倍3回(字幕あり)→1.0倍3回 | 1.0倍の後半で2か所落ちる |
| 2日目 | 0.75倍2回→1.0倍5回→1.25倍1回 | 1.0倍で落ちるのは1か所に |
| 3日目 | 1.0倍3回→1.25倍2回→1.0倍2回 | 1.0倍がゆっくりに感じた。卒業して次の30秒へ |
よくあるつまずき
0.75倍にしても、同じ所が聞き取れない
0.75倍と1.25倍、どっちを先にやる?
0.5倍で聞いてもいい?
1.5倍まで上げる練習は必要?
どれくらいで速さに慣れる?
もっとくわしく
気になる所だけ開けばOK。
速度を落として効く人、効かない人初級
「速いから聞き取れない」と思って再生速度を下げる人は多いです。でも、下げて効く人と効かない人がいます。違いは、聞き取れない原因が「速さ」にあるかどうか。原因が別なら、遅くしても同じ所で聞き取れないままです。
- 0.75倍にすると、聞こえなかった単語が急に聞こえる
- 音は聞こえるが、口が追いつかない(シャドーイングで遅れる)
- 字幕を見たら、知っている単語ばかりだった
- 1.0倍の音が「ひと続きの音のかたまり」に聞こえる
- 0.75倍でも、同じ所が聞き取れない
- 字幕を見ると、知らない単語だらけだった
- 音は聞こえても、文の意味が頭に入らない
- ずっと0.75倍で聞いていて、等速に戻すのが怖い
ざっくり見分けるテスト:1つの区間を0.75倍で聞き、そのあと英語字幕で確かめる。「知っている単語なのに聞こえなかった」が多ければ、速さと音の変化が原因。「知らない単語が多かった」なら単語が原因なので、単語・表現メモの記事が先です。
0.75倍は、音を細かく確かめるための道具。最終的には等速(1.0倍)で意味が取れるのが目標です。補助輪をずっとつけていると、自転車に乗れるようになりません。同じ区間で0.75倍を使うのは1〜3日までにしよう。
0.75倍→1.0倍→1.25倍の練習の組み方初級
速さを1段ずつ上がる練習です。低い段で音のしくみをつかみ、等速で身につけ、高い段で余裕を作ります。
| 段 | 速さ | 回数 | ねらい | 字幕 |
|---|---|---|---|---|
| 1段目 | 0.75倍 | 3回 | 単語の境目や、弱く言われる所を確かめる | 英語字幕を見てOK |
| 2段目 | 1.0倍 | 3〜5回 | 本番の速さで、意味と音を結びつける | 隠す。最後の1回だけ確認 |
| 3段目 | 1.25倍 | 1〜2回 | 等速を「ゆっくり」に感じるための耳ならし | なし。聞き取れなくてOK |
| 戻し | 1.0倍 | 2回 | 1.25倍のあと、等速がどう聞こえるか確かめる | なし |
3段目の1.25倍は、聞き取れなくて構いません。等速に戻した時に少しゆっくり聞こえれば成功です。1.5倍まで上げる必要はありません。速すぎると、練習ではなくただの耳の負担になります。
- 区間を決めてループにする1分
30〜60秒の区間を選び、練習プレイヤーでA-Bループに。区間の選び方はシャドーイングの記事へ。
- 0.75倍で3回、英語字幕を見ながら3分
何が聞こえて、何が聞こえないかを確かめます。「ここがつながっている」と気づいた所に印をつけます。
- 等速で3〜5回、字幕を隠して4分
0.75倍で確かめたことを、本番の速さで確かめます。最後の1回で字幕を見て、どれくらい聞き取れたかを確認。
- 1.25倍で1〜2回、聞き流す1分
追わなくて大丈夫。等速に戻して1回聞き、ゆっくりに感じたら、その区間は卒業です。
1〜2日目は0.75倍と等速。3〜4日目は等速中心に1.25倍を足す。5日目からは新しい区間で、また0.75倍から。慣れてくると、新しい区間でも0.75倍の回数を減らせるようになります。
サイトの基本のやり方「ミッション(5ステップ)」でいうと、この練習は③英語字幕で観る段階を深くするものです。④でまねる30秒を、先に0.75倍→等速で聞いておくと、口が追いつきやすくなります。ミッションは入試コース30日から。
音の変化:日本語話者がつまずきやすい5つの型中級
英語は単語を1つずつ区切って発音しません。前後の音がつながる・消える・弱まる。知らないと、知っている単語が聞こえない状態になります。逆に型を知っておくと、聞き取れる範囲がぐっと広がります。下は主にアメリカ英語でよくある現象を、オリジナルの例文で示したものです。
| 型 | 例文(オリジナル) | 聞こえ方の目安 | 何が起きている? |
|---|---|---|---|
| つながる | Pick it up. | ピッキラップ | 語の最後の子音が、次の語の母音にくっつく |
| つながる | Turn it off. | ターニロフ | 同じ。3語が1語のように聞こえる |
| 消える | Next week is fine. | ネクスウィークイズファイン | 子音が続く所で、間の t が弱くなって消えたように聞こえる |
| 弱まる | A cup of tea, please. | アカッパティー、プリーズ | of や a のような文法の語が、弱く短くなる |
| 混ざる | Did you eat yet? | ディジュイーチェット | d+y、t+y が混ざって別の音(ジュ・チュ)になる |
| ラ行っぽくなる | I need a lot of water. | アイニーダ ラロブ ウォーラー | 母音にはさまれた t が、ラ行に近い音になる(アメリカ英語で一般的) |
表の例文を、実際に声に出してみよう。カタカナ通りに言うと、ふしぎと英語の音に近づくのが体で分かるはずです。
英語の音はカタカナで完全には書けません。「ピッキラップ」は、つながる感じをつかむための地図で、正確な発音記号ではありません。実際の音声をよく聞いて直していこう。
日本語話者の耳のくせ
日本語は、ほとんどの音が「子音+母音」のセットで、同じ長さで発音されます。そのため英語を聞く時も、つい子音のあとに母音を足して聞いてしまうことがあります。stop が「ス・ト・ッ・プ」のように聞こえると思っていると、実際の短い音に頭が追いつきません。
もう1つのくせは、弱く短い語を「無かったこと」にしてしまうこと。to・of・a・the などは弱く短く言われるので聞こえにくい。でも意味の中心ではないので、内容語(名詞・動詞・形容詞)が聞き取れていれば大丈夫です。全部聞き取ろうとせず、強く言われる語をつかむ意識に切り替えよう。
聞き取れない原因の5つの分け方中級
聞き取れなかった所を英語字幕(または公式トランスクリプト)で確かめてから、次の表で原因を分けます。字幕は各自が公式のものを開いてください(このサイトは載せていません)。
| 原因 | こんな感じ | 対処 |
|---|---|---|
| ①速さ | 0.75倍にすると聞こえる | この記事の練習。等速に戻す回数を増やす |
| ②音の変化 | 字幕を見れば知っている語。でも音が別物に聞こえた | つながる・消える・弱まるの型を確認。その1文を3語ずつまねる |
| ③単語 | そもそも単語や意味を知らない | 表現メモへ。3つまで調べて、声に出して言う |
| ④文のつくり | 単語は分かるが、文の意味がつながらない | 文を意味のかたまりごとにスラッシュで区切って読む |
| ⑤集中・予備知識 | 何の話か分からなくなった、途中で迷子になった | 日本語字幕でもう1回通して観る |
分けるのは、その区間の聞こえなかった所最大5か所で十分。どの原因が多いかで課題が分かります。①②が多いなら速さの練習、③なら単語、④なら読解、という具合です。
この分類は書き取りをするとやりやすくなります。くわしくはディクテーションの記事へ。
音の変化ドリル:声に出して覚える中級
耳だけでなく口で覚えるのが近道。次の文をゆっくり→自然な速さで3回ずつ言ってみよう。つなげて言えるようになると、聞こえ方も変わります。
音がつながる・消える例文
弱く言う語・縮まる語
音が混ざる例文
gonna・wanna・gotta のようなくだけた縮まり方は、まず聞いて分かることが最初のゴールです。TED のような場のスピーチでは、話し手や場面によって使う多さが違います。決めつけず、聞こえた時に対応できるようにしておこう。
等速でもどうしても聞き取れない時の特訓上級
等速でどうしても聞き取れない区間には、次の4ステップを試そう(15分)。
- 1文だけ切り出す(A-Bループをいちばん短くする)。0.75倍で5回聞く。
- 英語字幕で確かめ、聞こえなかった所に印をつける。原因を①〜⑤のどれかに分ける。
- その文を3語ずつ区切って、聞いて言う(リピーティング)。各3回。
- 全体を等速で3回通して聞く。最後に1.25倍を1回。
1文でも、こうして耳と口で分解すると、似た音が次に出てきた時に聞き取れるようになります。1日3文で十分。量より、原因を1つずつつぶすことが大事です。
この練習に向く動画中級
TED-Ed は整ったナレーション、TED は生の話し方。同じ「速さの練習」でも、手ごたえが変わります。
0.75倍から等速へ:TED-Ed
TED-Ed✓ 視聴済4:53食べ物が、頭の働きを変える?脳と食事の話
TED-Ed✓ 視聴済5:042つの言葉を話す脳は、なにがすごい?
食べ物と脳の話、2つの言葉を話す脳の話。どちらも整ったナレーションで、まず等速で意味が取れるかを確かめる用です。
等速から1.25倍へ:TED
TED✓ 視聴済6:13才能より「やり抜く力」が大事かも
TED✓ 視聴済7:41配信停止ボタンを探す、長い旅
- やり抜く力の話…短い TED。等速で通して聞けるようになったら、1.25倍を試す教材に。
- 配信停止ボタンを探す話…会話っぽく、ユーモアがあって語りが速め。速さの壁を感じたい人の応用編です(全部使わず、30秒を1つだけ)。