ENGLISH TEACHER’S BUNA · ☕
📜 原田先生の英語教育ニュースレター
中高英語教師のための授業アイデア&最新情報
2026年6月25日(木)| Vol.130 ጤና ይስጥልኝ
JEBENA I ─ TODAY’S POUR ☕
上智大学、リアルタイム多言語翻訳「TranSpeech」を導入 — 教室の「言語の壁」をその場で字幕に
VMFi社のリアルタイム多言語翻訳「TranSpeech」が上智大学に導入されました(6/17こどもとIT)。登壇者の発話をその場で字幕化し、日本語の講義を英語で、英語スピーチを日本語で同時表示。新任教員研修や多国籍イベントで、参加者全員が同じ情報を共有できる環境をつくります。「英語で言い直す前に、まず意味を共有する」——母語と英語を橋渡しする発想は、今日の世界の教室(エチオピア)とも響き合います。翻訳が当たり前になる時代に、「では英語をどう教えるか」を問い直す一報です。
JEBENA II ─ WARM-UP / 帯活動
焙煎前の5分 — 今日の帯活動
☕ Three Roasts Retell(三焙煎リテリング)
対象:中2〜高校 | 時間:5分 | 準備:不要
① 短いエピソード(写真・前時の本文など)を生徒がペアで英語で語る。1回目は「ライト焙煎=言いたいことを全部」——詰まってOK、量を出す。
② 相手を替え、2回目は「ミディアム=30秒に短縮」。要点だけを残す。
③ 3回目は「ダーク=10秒・1文に凝縮」。最も濃い一文へ。
💡 ねらい:Paul Nation式 4-3-2 の発想で、繰り返すほど言い回しが洗練。エチオピアの三巡コーヒー(Abol→Tona→Baraka)に着想を得た「濃縮」の流暢さ訓練です。
🔤 Say It, Then Fix It(言って、直す)
対象:中1〜 | 時間:5分 | 準備:黒板のみ
① 教師が今日の鍵となる語を1つ板書(例:thought / through / though)。
② 生徒はまず自分流の発音で声に出す(間違いOK・全員同時)。
③ 教師が母音・子音を1つだけ取り上げ、口の形を見せて再挑戦。「直す前に、まず出す」を徹底。
💡 ねらい:発音は「正しさ」より先に「試す量」。Adrian Underhill(本号の名言)の音声指導の発想——気づきは発話のあとに来る——を5分に落とし込みます。
JEBENA III ─ AI × ELT
🤖 AI × 英語指導 最前線
🆕 教師向け:Lesson Robot
トピック・学年・目標を入れるだけで、学習目標・活動・導入/展開/まとめ・評価・差別化の手立てまで揃った授業案を数秒で生成。白紙から組み立てる手間を省き、「叩き台→自分で調整」を最短にします。無料で試用でき、年間プランも手頃。
✅ 学年・教科・所要時間を指定して即・授業案
✅ 差別化(習熟度別)の手立ても提案
✅ 単元を日ごとの授業に分解
✅ ブラウザ完結・印刷もしやすい構成
📱 生徒向け:Speakometer
英単語・文を発音すると、AIが音素レベルで判定。米英2種のアクセントを聴き比べでき、IPA(発音記号)に基づいて「どの音が崩れているか」を可視化します。よく間違える語・母音の長短・語末の -ed/-s など、日本人がつまずく音をテーマ別に練習。40以上の言語で訳が出るので自宅練習にも。
JEBENA IV ─ NEWS FLASH
📰 英語教育ニュース FLASH
🇯🇵 JAPAN
小学校に「情報の領域」付加、中学は新教科創設へ — 次期学習指導要領
文科省の情報・技術ワーキンググループが、小学校への「情報の領域(仮称)」付加と中学「情報・技術科(仮称)」新設を議論し大詰めに(6/8会合)。2026年夏ごろに取りまとめ、年度内に中教審答申の予定。生成AIが浸透する社会を前提に、教科横断で情報活用力を育てる方向です。英語科でも、AIを使った調べ学習・発信が「当たり前」になる土台が整っていきます。
🏫 CLASSROOM
翻訳が字幕で並ぶ教室 — TranSpeech、研修・国際イベントで実装
上記ヘッドラインの続報。上智大では新任教員FD研修で日本語の講義を英語字幕でリアルタイム表示し、年度内に計3回利用予定。市販エンジンより高速な処理で「待たせない」のが特徴です。英語教師にとっては、翻訳ツールが整うほど「人が英語を学ぶ意味=対話・表現・思考」をどう授業で残すかが問われます。
🌍 GLOBAL
“They’re Our Kids” — 英語学習者(EL)指導が変わる:2人担任という解
EdWeekが、英語学習者を教える専門性の地位向上を取材。ナッシュビルの小学校では、内容を教える教師と言語発達を支える教師が同じ教室の前に2人で立つ「parallel co-teaching」を実践。「ELの子は誰?」と外からはわからないほど一体化し、どちらも全員の先生になる——多言語環境で英語を教える日本の教室にも示唆的なモデルです。
🔗 EdWeek — ‘They’re Our Kids’: How Teaching English Learners Is Changing
JEBENA V ─ FREE TOOLS
🛠 無料で使える学習ツール4選
Sounds: The Pronunciation App
Macmillanの発音記号(IPA)チャート。各記号をタップすると音と口の形が確認でき、本号の発音テーマと相性抜群。語の音節・強勢の指導に。
JEBENA VI ─ WORLD CLASSROOM
🌎 世界の教室から学ぶ
🇪🇹 エチオピア — 「母語で考え、英語へ橋を架ける」段階的トランジション
アフリカ屈指の多言語国家エチオピアでは、子どもたちは小学校低学年でアムハラ語やオロモ語など自分の母語を足場に学び、上の学年で英語を学習言語へと切り替えていきます。中等教育以降の多くの教科が英語で教えられる一方、英語を母語とする国民はごくわずか。だからこそ教室では、英語は「全員の第2言語」。完璧さより「伝わること」を称え、互いに助け合いながら学ぶ発話文化が根づいています。コーヒー発祥の地らしく、知は急がず、巡らせて深める——三巡のコーヒーのように。
🔑 明日から使えるテクニック「Mother-Tongue Bridge(母語の橋)」
難しい概念は、まず母語(日本語)で考えさせ、要点を1語・1句にまとめさせる。次に “How do we cross this into English?” と問い、橋を架けるように英語へ言い換えさせます。母語を「禁止」ではなく「足場」として明示的に使うと、抽象的な内容でも英語で表現する挑戦のハードルが下がります。
JEBENA VII ─ QUOTE
TODAY’S QUOTE FOR TEACHERS
“It is when learners are given the time and space to discover for themselves that the deepest learning takes place.”
学習者が自分自身で発見するための時間と余白を与えられたとき、最も深い学びが生まれる。
— Adrian Underhill(『Sound Foundations』著者・発音指導の第一人者)
JEBENA VIII ─ THURSDAY SEGMENT
☕ Thursday Roast Check(木曜の焙煎チェック)
週の4日目。コーヒー豆の焙煎を見極めるように、今週の授業の「火の通り」を3段階で確かめます。
🫘 GREEN(生豆) まだ手をつけられていない・温めきれなかったクラスや単元は? 1つ書き出す。
🔥 ROASTING(焙煎中) 今いちばん「火が通りつつある」手応えは? どの活動が効いている?
☕ POURED(注いだ) 今週、生徒に確かに届いた一杯は? 来週もう一度淹れたい工夫を1つ。
💡 焙煎は「止めどき」が命。やりすぎず、淹れたては惜しまず。今週の自分に小さな一杯を。
JEBENA IX ─ LINKS
📎 今号の参考リンクまとめ
📰 ニュース
・リシード — 小学校に「情報の領域」付加、中学は新教科創設へ
・EdWeek — ‘They’re Our Kids’: How Teaching English Learners Is Changing
🤖 AIツール・学習ツール
📜 原田先生のニュースレター Vol.130
haradaeigo.com
━━━━ ABOL · TONA · BARAKA ━━━━
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