get the ball rollingの意味は?最初のひと押しで始める
入試に出るイディオム|第77回
今日の3つは、話や計画を動き出させる get the ball rolling、変化があるから人生はおもしろいという Variety is the spice of life.、「どういたしまして」にも「かまいませんよ」にもなる Not at all. です。比喩表現・ことわざ・会話表現を1つずつ、由来から入試の出方まで見ていきます。
監修:原田高志(原田英語.com)
話し合いの最初の1人になるのは、気が重いものです。毎日同じ練習メニューにうんざりして、「たまには違うことがしたい」と思った日もあるはずです。帰り際に友達から「今日はありがとう」と言われて、返事に迷ったこともあるでしょう。この3つの場面を英語で何と言うか、由来から入試の出方まで順に見ていきます。
get the ball rolling
ゲット・ザ・ボール・ローリング 始動のことば(話し合いや作業を)始める、動き出させる
この言い方がいつ生まれたのか、Wiktionary に語源の説明はなく、確かめられる記録は見つかりませんでした。ここでは、語の並びが作る絵を頭に置いてください。
広場に、止まったままのボールがあります。誰かが最初にひと押しすると、ボールは転がり始めます。
「動かなかったものを、動かし始める」のが get the ball rolling です。Wiktionary は、意味を「行動を始める、何かを動き出させる」と説明しています。
同じ形の keep the ball rolling は、「動き始めたものを、止めずに続ける」という言い方です。
ホームルームで、文化祭の出し物を決めることになりました。黒板の前は静まり返り、みんな下を向いています。
あなたが手を挙げます。
「じゃあ、まず私から言うね」
英語なら Let's get the ball rolling. と言えます。Okay, let's get the ball rolling. Who has an idea?(さあ、始めましょう。誰かアイデアはありますか)のように、最初の1人になるときのひと言です。
こう使う
Did you ever get the ball rolling on your plans to build a shed?
物置を作る計画は、もう動き出しましたか。
Let's get the ball rolling with the first speech.
最初のスピーチで、始めましょう。
発音:ball と rolling を強く「ゲット・ザ・ボール・ローリング」と言います。get the は続けて「ゲッダ」のように聞こえます。
- こう問われる
- ①下線部の言い換えで、get the ball rolling を start や begin と同じ意味だと選ばせる形。②空所補充で、Let's ( ) the ball rolling. に get を入れさせる形。③keep the ball rolling と並べて、「始める」のか「続ける」のかを見分けさせる形。
- ここで外す
- ball と rolling から、スポーツの話だと読んでしまう答案が出ます。もう1つは、make the ball rolling と書いてしまう誤りです。Wiktionary が挙げる形は get・set・start の3つで、make は載っていません。
- 決め手
- 動詞を見ます。get・set・start なら「始める」、keep なら「続ける」です。話題がスポーツではなく、会議・計画・話し合いなら、ボールは比喩です。
- 誤答
- keep/keep the ball rolling は「続ける」なので、まだ誰も話していない場面に合いません
- 正答
- get/get the ball rolling で「始める」です
Before
ball と rolling を一語ずつ訳して「ボールを転がす」と読み、会議の場面で意味が取れず、前後の流れから当てずっぽうで選んでいた
After
get(動かす)+the ball rolling(転がっている状態)で「動き出させる」と読める。下線部の言い換えでは、動詞が get か keep かを見るだけで、始めるのか続けるのかが決まる
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get the ball rolling を教室で使う(5分)
ねらい: get the ball rolling を「話や計画を始める」ひと言として使い、keep the ball rolling と区別できるようにする
- 机の上に消しゴムを置き、「これは止まっています。動かすにはどうしますか」と聞きます
- 指で押して転がし、「最初のひと押しです。英語では get the ball rolling と言います」と伝えます
- 「転がり始めたあと、止めずに続けるときは keep です」と言って、keep the ball rolling を並べて書きます
- ペアで、「グループ発表の準備を始める」場面を1つ決め、Let's get the ball rolling. で始まる2文の英文を作らせます
出口チケット: 「部活のミーティングを始めよう」と呼びかける英文を、get the ball rolling を使って1文書かせる
Variety is the spice of life.
ヴァライアティ・イズ・ザ・スパイス・オヴ・ライフ 多彩のことば変化があるから、人生はおもしろい
このことわざのいまの形は、William Cowper の詩 The Task に出てくる一節と重なります。The Task は1785年に出た詩で、第2巻は「The Timepiece」という題です。
その中に、Variety's the very spice of life という一節があります。Variety's は Variety is の短縮で、very は「まさに」の意味です。
Wiktionary は、このことわざの意味を「変化こそが人生をおもしろくする」と説明しています。
料理に香辛料を少し足すと味が変わるように、毎日に違いを足すと人生の味が変わる、という絵のたとえです。
もう2週間、部活の練習メニューは同じです。体は動くのに、気持ちが乗りません。
顧問の先生が、曜日ごとにメニューを変えると言い出しました。月曜は基礎、水曜は試合形式、金曜は自由練習です。
不思議と、同じ練習なのに楽しくなります。
「やることが変わると、毎日がおもしろいな」
英語なら Variety is the spice of life. と言えます。
こう使う
I eat something different every day. Variety is the spice of life.
私は毎日、違うものを食べます。変化があるから人生はおもしろいのです。
Our coach changes the practice every week. Variety is the spice of life, he says.
コーチは毎週、練習を変えます。変化があるから人生はおもしろい、とコーチは言います。
発音:variety と spice を強く「ヴァライアティ・イズ・ザ・スパイス・オヴ・ライフ」と言います。variety は「ヴァライアティ」で、「バラエティ」とは少し違います。
- こう問われる
- ①空所補充で、( ) is the spice of life. に Variety を入れさせる形。②下線部の言い換えで、the spice of life を「人生をおもしろくするもの」と同じ意味だと選ばせる形。③内容一致で、筆者が「変化」を良いものと見ているかを問う形。
- ここで外す
- Various is the spice of life. と、形容詞の various を主語の位置に入れてしまう答案が出ます。もう1つは、spice を辞書の「香辛料」のまま読み、辛い料理の話だと取る誤りです。
- 決め手
- is の前を見ます。主語になれるのは名詞なので、variety です。spice of life は料理の話ではなく、「人生を味わい深くするもの」と読みます。
( ) is the spice of life, so I try a new club every year.
( )は人生の味つけだから、私は毎年、新しい部活を試している。
- 誤答
- Various/形容詞なので、is の前の主語になれません
- 正答
- Variety/名詞で主語になり、「変化・多様さ」を表します
Before
spice を「香辛料」と覚えただけで止まり、the spice of life が何を指すのか分からず、内容一致で筆者が変化を良いと見ているのかどうか判断できなかった
After
spice(料理の味を変えるもの)を人生に当てはめて「変化が人生の味になる」と読める。筆者が変化を肯定しているかを、この1文で判断できる
Variety is the spice of life. を教室で使う(5分)
ねらい: Variety is the spice of life. を「変化があるから人生はおもしろい」という意味で読み、空所補充で variety を選べるようにする
- 黒板に spice と書き、「料理にこれを入れると何が変わりますか」と聞きます。答えは「味」です
- 「毎日に変化を入れると、人生の味が変わります。それが Variety is the spice of life. です」と伝えます
- ( ) is the spice of life. を書き、Various と Variety のどちらが入るかを聞きます。主語なので名詞の Variety です
- ペアで、「最近変えてみて楽しかったこと」を1つ言い合い、Variety is the spice of life. で締めさせます
出口チケット: 「毎日同じだと飽きる」という内容の英文を、Variety is the spice of life. を使って1文書かせる
Not at all.
ナット・アット・オール 気づかいのことばどういたしまして、かまいませんよ、少しも〜ない
この言い方がいつ生まれたのか、Wiktionary に語源の説明はなく、確かめられる記録は見つかりませんでした。ここでは、語の並びが作る絵を頭に置いてください。
not は「〜ない」、at all は「少しも」です。「少しもない」と言い切ることで、相手の気がかりを、ひと言で消してしまいます。
Wiktionary は、この言い方を2つの使い方で載せています。
- ・お礼への返事。Thank you for coming.(来てくれてありがとう)に、Not at all.(どういたしまして)と答える
- ・心配やおわびへの返事。「気にしないで」の意味で使う
あなたの家で、友達と英語の勉強会をしました。帰り際、友達が玄関で言います。
「今日はありがとう。呼んでくれてうれしかったよ」
英語ならこう言います。Thank you for having me.(お招きありがとう)。あなたは、少し照れながら返します。
Not at all.(どういたしまして)
こう使う
Thank you for coming. / Not at all. Thank you for having me.
来てくれてありがとう。/どういたしまして。こちらこそ、お招きありがとう。
Do you mind if I open the window? / Not at all.
窓を開けてもいいですか。/かまいませんよ。
発音:not と all を強く「ナット・アット・オール」と言います。at all は続けて、「アタール」のように聞こえます。
- こう問われる
- ①会話文の応答選択で、Thank you for helping me. に対する返事に Not at all. を選ばせる形。②A: Do you mind if I sit here? の返事に、Not at all. を選ばせる形。③副詞の not at all(少しも〜ない)を使った文を訳させる形。
- ここで外す
- Do you mind if I sit here? に Yes, please. や Yes, go ahead. と答える選択肢を選んでしまう答案が出ます。日本語の「はい、どうぞ」につられた誤りです。もう1つは、Not at all. を「全部ではない」と読む誤りです。
- 決め手
- mind は「いやがる」と読みます。Do you mind ~? は「いやですか」と聞いているので、かまわないときは No か Not at all.、いやなときは Yes と答えます。
- 誤答
- Yes, I do./mind は「いやがる」なので、「はい、いやです」になります
- 正答
- Not at all./「少しもいやではない」で、どうぞという意味です
Before
Do you mind ~? を「〜してもいいですか」と日本語の感覚で読み、Yes で答える選択肢を選んで、応答選択で何度も間違えた
After
mind = いやがると読めば、No か Not at all. が「かまわない」と決まる。応答選択で、Yes と No のどちらを選ぶか迷わなくなる
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Not at all. を教室で使う(5分)
ねらい: Not at all. が、お礼への返事とDo you mind ~? への返事の両方で使えることを分かるようにする
- 黒板に Do you mind if I open the window? と書き、「これは何を聞いていますか」と聞きます。答えは「開けるといやですか」です
- 「いやではないとき、Yes とは答えません。少しもいやではない、で Not at all. と言います」と伝えます
- Thank you for coming. も書き、「お礼への返事にも Not at all. が使えます」と伝えます
- ペアで、窓を開けてよいか聞く役と、Not at all. で答える役を交代しながら、2回ずつ練習させます
出口チケット: Do you mind if I use your pen? に、かまわない返事を英語で1文書かせる
よくある質問
get the ball rolling と start the ball rolling は、どう違いますか?
意味は同じで、「(話や作業を)始める」です。Wiktionary は get the ball rolling の同義語として、set the ball rolling と start the ball rolling を挙げています。
Variety is the spice of life. は、誰の言葉ですか?
William Cowper(ウィリアム・クーパー)の詩 The Task(1785年)の第2巻「The Timepiece」に、Variety's the very spice of life という一節があります。いまのことわざは、この一節と重なります。
Do you mind if I sit here? に Not at all. と答えると、座ってよいのですか?
はい、座ってよいという返事です。mind は「いやがる」という意味なので、Not at all.(少しもいやではない)は「どうぞ」になります。反対に Yes, I do. と答えると「いやです」になります。