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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
IDIOMS 第42回 標準 読了 7分

out of the blueの意味は?青から出てくるものとは

入試に出るイディオム|第42回

青空から落ちてくる雷、塩の広告から広まったことわざ、そして指を組む縁起かつぎ。今日の3本は、どれも「絵」が残っている表現です。由来まで知っておくと、選択肢で迷わなくなります。

監修:原田高志(原田英語.com)

今日は3本。空から落ちてくる比喩、塩の広告で広まったことわざ、そして願かけの一言です。3つとも、頭の中に絵が浮かべば覚えたのと同じです。

out of the blue

アウト・オブ・ザ・ブルー 驚きのことば

突然に、思いがけなく、だしぬけに

起源 雲ひとつない青空から、雷が落ちてきた

まず、絵を思い浮かべてください。よく晴れた日です。雲はひとつもありません。空はまっすぐな青。

そこへ突然、雷が落ちます。

予兆がまったく無いというのが、この絵の要です。黒い雲が出て、風が変わって、遠くで鳴って。ふつう雷にはそういう前ぶれがあります。ところがこの雷には、それがありません。

もとの形は a bolt from the blue(青空からの雷)でした。ここでの the blue は青空そのものを指す名詞です。bolt は「稲妻」。

トマス・カーライルが1837年に書いた『フランス革命』に、a bolt out of the blue という形が出てきます。突然の逮捕を、晴れた空から落ちた雷にたとえた場面です。

やがて bolt が落ちて、out of the blue だけが残りました。それでも絵は消えていません。「青から出てきた」と言うだけで、前ぶれの無さが伝わるのです。

いま 中学のときの友だちから、急に連絡が来た

何年も会っていない人から、ある日いきなりメッセージが届く。

「中学のときの友だちから、out of the blue で連絡が来たんだよね」

このとき言いたいのは、連絡が来たこと自体ではありません何の前ぶれも無かったということのほうです。

日本語の「だしぬけに」「藪から棒に」に近い言い方です。藪から棒が出てくるのも、青空から雷が落ちるのも、同じ驚き方をしています。

ちなみに、良いことにも悪いことにも使えます。急に仕事をやめた、急にプロポーズされた、急に雨が降った。中身は問いません。前ぶれが無ければ、それで out of the blue です

the blue は青空。雲ひとつない空から雷が落ちるから「だしぬけに」。

こう使う

She quit her job out of the blue.

彼女はだしぬけに仕事をやめました。

Out of the blue, he asked me to join the team.

思いがけず、彼は私にチームに入らないかと言ってきました。

発音:out of は「アウトオブ」ではなく「アウタヴ」とつなげます。t は弱く、of の o はほとんど聞こえません。4語ではなく、「アウタヴザブルー」で1かたまりです。

入試 ここで差がつく
こう問われる
①空所補充で、suddenly や unexpectedly の言い換えとして選ばせる形。②長文中で、出来事の唐突さを示す語句として下線を引かれる形。③並べかえで、out / of / the / blue を正しい順に並べさせる形。
ここで外す
いちばん多いのは、the blue を「憂うつ」だと取り違える誤りです。たしかに英語には feel blue(気がめいる)という言い方があり、the blues なら「憂うつ」や音楽のブルースを指します。 ですが out of the blue の the blue は青空です。憂うつとは関係がありません。「落ちこみから抜け出して」と読むと、文がどこにも着地しなくなります。 もう1つは、前置詞を from にしてしまう誤りです。a bolt from the blue なら from ですが、bolt が無い形では out of のほうが標準です。
決め手
文の中に「急に、いきなり」と入れて意味が通るかどうかで判断できます。通れば青空、通らなければ読み違えています

He called me ______ the blue after ten years of silence.

10年も音信不通だったのに、彼は(  )連絡してきました。

誤答
from / a bolt from the blue なら正しいのですが、bolt の無い形では使いません
正答
out of / out of the blue で「だしぬけに」。空所は out of の2語です

Before

blue を見ると「憂うつ」だと思いこんでいたので、out of the blue を「落ちこみから抜け出して」と読んでいた。文の意味が合わないのに、なぜ合わないのか分からないまま次へ進んでいた。

After

the blue が青空だと分かるので、その場で「だしぬけに」と読める。さらに a bolt from the blue(青天の霹靂)まで一緒に入るので、長文でどちらの形が出ても止まらなくなる。

out of the blue を教室で使う(5分)

ねらい: the blue が青空だと、絵で入れる

  1. 黒板に、雲ひとつない空の線を1本引きます。「これ、何色でしょう」と聞きます
  2. 「青ですね。英語で the blue と言うと、この空そのものを指します」と書きます
  3. そこへ稲妻を1本描き足します。「前ぶれ、ありましたか」と聞きます
  4. 「無いですね。だから out of the blue は『だしぬけに』です」とつなげます
  5. 「最近あった out of the blue な出来事を、隣の人に日本語で1つ話してください」と2分取ります

出口チケット: 「out of the blue を使った文を1つ書いてください。良いことでも悪いことでも構いません」

out of the blue をもっと深く(語源・こぼれ話・自分用の例文づくり)

When it rains, it pours.

ウェン・イット・レインズ、イット・ポーズ あきらめのことば

降るとなれば土砂降り。悪いことは重なるものだ

起源 塩の広告が、ことわざを書き換えた

この言い方には、兄にあたる古い形があります。

It never rains but it pours.(降るとなれば必ず土砂降りだ)

こちらはイギリスの古い言い方で、1726年には It cannot rain but it pours という題名の小冊子が出ています。ジョン・アーバスノットらの作とされるものです。

ところが、いま英語圏でよく聞くのはアメリカ式の When it rains, it pours. のほうです。

この形を広めたのは、塩の会社の広告でした。1914年、モートン・ソルト社が自社の塩に付けたキャッチコピーがこれです。

⚠ ここが面白いところですが、広告での意味は逆でした。当時の食塩は湿気で固まってしまい、雨の日には振っても出てきませんでした。同社は固まりにくい塩を売り出し、「雨の日でも、ちゃんと出ますよ」と言いたかったのです。傘をさした女の子の絵は、いまもその缶に残っています。

良い意味で作られた形が、もとのことわざの悪い意味を引き受けて広まった。言葉には、こういうことが起こります。

いま 寝坊した朝に、かぎも見つからない

目覚ましが鳴らなかった。あわてて起きたら、かぎが見つからない。やっと家を出たら、電車が止まっている。

こんな日に、英語ではこう言います。When it rains, it pours.

直訳は「雨が降るときは、土砂降りになる」。悪いことは1つでは終わらない、という感覚です。

日本語の「泣きっ面に蜂」「弱り目にたたり目」が近いのですが、少し違います。日本語の2つは「弱っているところに、さらに」という順番が入っています。英語のほうは順番を言わず、まとめて来ることだけを言います。

なお、良いことが重なったときにも使えます。合格して、誕生日で、しかも部活で勝った日。「来るときは、まとめて来るね」という言い方になります。

pour は「注ぐ」だけではない。it pours で「土砂降り」。だから「まとめて来る」。

こう使う

First the rain, then the flat tire. When it rains, it pours.

まず雨、次はパンク。降るとなれば土砂降りです。

Three job offers in one week! When it rains, it pours.

1週間で内定が3つ。来るときはまとめて来ますね。

発音:pours は「ポ・ア・ー・ズ」と伸ばしません。「ポーズ」に近い、ひと息の音です。r は舌を軽く丸めるだけで、はっきり「ア」とは言いません。 rains と pours は、どちらも語尾の s を /z/ で濁らせます。ここを /s/ にすると、別の語に聞こえます。

入試 ここで差がつく
こう問われる
①ことわざの意味を選ばせる形。②日本語のことわざとの対応を選ばせる形(泣きっ面に蜂など)。③会話文で、不運が続いた人への応答として選ばせる形。
ここで外す
pour を「注ぐ」としか覚えていないと、意味が取れません。pour には「土砂降りに降る」という自動詞の使い方があります。It's pouring. だけで「どしゃ降りだよ」の意味になります。 もう1つは、because のような因果で読んでしまう誤りです。「雨が降るから注ぐ」ではありません。ここでの when は条件に近く、「降るとなれば」という意味です。 古い形 It never rains but it pours. のほうは、but が「〜せずには」という古い用法なので、そのまま直訳すると意味が反転します。「降れば必ず土砂降り」と覚えてください。
決め手
この表現が出てきたら、直前に不運が2つ以上並んでいるはずです。1つしか無ければ、たいてい読み違えています。
I lost my wallet, missed the bus, and broke my phone. 財布をなくして、バスに乗り遅れて、スマホも壊しました。
______ (  )
誤答
It never rains./「雨は決して降らない」になってしまい、話がつながりません
正答
When it rains, it pours./「来るときはまとめて来るね」という応答です

Before

pour は「注ぐ」だと覚えていたので、When it rains, it pours. を「雨が降ると、水を注ぐ」と読んでいた。ことわざだと分かっても、なぜその形で「重なる」の意味になるのか説明できなかった。

After

pour が自動詞で「土砂降りに降る」だと分かるので、天気の話でも比喩でも読める。It's pouring outside.(外はどしゃ降りです)のような日常の1文まで、同時に入る。

When it rains, it pours. を教室で使う(5分)

ねらい: pour の自動詞の使い方を、ことわざごと入れる

  1. 「pour の意味は?」と聞きます。ほぼ全員が「注ぐ」と答えます
  2. 「では It's pouring. は?」と聞きます。ここで教室が止まります
  3. 「どしゃ降りです。pour には『激しく降る』という使い方があります」と黒板に書きます
  4. 「では When it rains, it pours. は?」ともう一度聞きます。今度は自力でたどり着きます
  5. 「今週あった『まとめて来た』出来事を、隣の人に1つ話してください」と2分取ります

出口チケット: 「It's pouring. を使った短い会話を2往復書いてください」

When it rains, it pours. をもっと深く(語源・こぼれ話・自分用の例文づくり)

Fingers crossed.

フィンガーズ・クロスト 願いのことば

うまくいきますように、幸運を祈っています

起源 指を組むと、願いがかなうと信じられていた

英語圏には、願いごとをするときに人差し指と中指を交差させるしぐさがあります。

手を胸のあたりに上げて、2本の指をねじるように重ねる。それだけです。スポーツの中継でも、合格発表を待つ人の映像でも、よく映ります。

このしぐさが先にあって、それを言葉にしたものが Fingers crossed. です。もとは I'll keep my fingers crossed for you.(あなたのために指を組んでおきます)という長い形で、そこから頭とうしろが落ちました。

⚠ いつ始まったのかは、はっきり分かっていません。十字を切るしぐさから来たという説がよく紹介されますが、確かな裏づけがあるわけではありません。「幸運を祈るしぐさ」として英語の文章に出てくるのは、20世紀に入ってからです。

由来があいまいなのに、しぐさのほうは英語圏の子どもでも知っている。言葉というのは、そういうこともあります。

いま 友だちが面接に向かう朝

友だちが「これから面接なんだ」と言う。緊張しているのが見て取れる。

そこで長い励ましは要りません。Fingers crossed. と一言だけ言って、指を組んでみせます。

2語です。Good luck. と同じ場面で使えますが、少し違いがあります。

Good luck. は「幸運を」と相手に渡す言い方です。Fingers crossed. は「こちらで祈っておくね」。自分が何かをしている形になっているぶん、一緒にいる感じが出ます。

だから、結果を待っているあいだにも使えます。試験が終わって、発表までの数日。その間ずっと Fingers crossed. です。

指を組むしぐさが、そのまま言葉になった。祈るのは、これからのことだけ。

こう使う

Fingers crossed. You'll do great tomorrow.

祈っていますね。明日はきっとうまくいきますよ。

I'll keep my fingers crossed until the results come out.

結果が出るまで、ずっと祈っています。

発音:crossed の -ed は /t/ の音1つです。「クロスド」ではなく「クロスト」。2語をつなげて「フィンガーズクロスト」と、ひと息で言い切ります。

入試 ここで差がつく
こう問われる
①会話文で、これから試験や面接に向かう人への応答として選ばせる形。②リスニングで、別れぎわの一言として出る形。③言い換えとして I hope it goes well. を選ばせる形。
ここで外す
crossed を動詞の過去形だと思って読む誤りがあります。「指が交差した」という過去の出来事ではありません。ここでの crossed は状態を表す形で、Fingers (are) crossed. の are が落ちた言い方です。 もう1つは、済んだことに使ってしまう誤りです。この表現はこれから起きることにしか使えません。結果が出たあとに言うと、意味が通りません。 ⚠ そしてもう1つ。指を組むしぐさには、「うそをつくときの言い訳」という別の顔があります。子どもが背中に手を回して指を組み、「これなら約束を破っても許される」とする遊びです。ただし Fingers crossed. と口に出して言う場合は、ほぼ必ず「幸運を祈る」のほうです。
決め手
これから起きることかどうかで決まります。未来の話なら Fingers crossed.、済んだ話なら別の表現です。
My audition is tomorrow morning. オーディションは明日の朝なんです。
______ (  )
誤答
That's too bad./悪い知らせへの応答なので、ここでは合いません
正答
Fingers crossed./うまくいくよう祈っていますね、という一言です

Before

Fingers crossed. を見ると「指が交差した」と読んでしまい、会話文の応答としてなぜそれが入るのか分からなかった。Good luck. しか知らなかったので、結果を待っているあいだに言える表現が無かった。

After

be動詞が落ちた形だと分かるので、その場で「祈ってるね」と読める。しかもこれから起きることにだけ使うという線が引けるので、応答選択で迷わない。

Fingers crossed. を教室で使う(5分)

ねらい: しぐさと一緒に、口に入れてしまう

  1. 何も言わずに、人差し指と中指を組んでみせます。「これ、知ってる人」と聞きます
  2. 何人か手が挙がります。「意味は?」と聞くと、たいてい『幸運』と返ってきます
  3. 「英語では Fingers crossed. と言います」と黒板に書きます
  4. 「Fingers are crossed. の are が落ちています」と、are を書いてから消してみせます
  5. ペアで、片方が「明日テスト」「明日試合」と言い、もう片方が指を組んで Fingers crossed. と返す。役を替えて2往復させます

出口チケット: 「これから起きることを1つ書いて、その下に Fingers crossed. と書いてください」

Fingers crossed. をもっと深く(語源・こぼれ話・自分用の例文づくり)

動画で見る

out of the blue の意味・由来・歴史 (Superduper English Idioms) 今日の1本目の由来を、英語でたどっている動画です。

よくある質問

out of the blue の blue は「憂うつ」ではないのですか?

違います。ここでの the blue は青空のことです。もとの形は a bolt from the blue(青空からの雷)で、雲ひとつない空から突然落ちてくる雷のたとえでした。feel blue(気がめいる)の blue とは別の使い方です。

When it rains, it pours. はどこから来た言い方ですか?

古いイギリスのことわざ It never rains but it pours. が元にあり、1726年には It cannot rain but it pours という題名の小冊子が出ています。いまよく使われるアメリカ式の形は、1914年にモートン・ソルト社が塩の広告に使ったことで広まりました。広告での意味は「雨の日でもちゃんと出る」という良い意味でした。

Fingers crossed. と Good luck. はどう違いますか?

Good luck. は「幸運を」と相手に渡す言い方です。Fingers crossed. は「こちらで祈っておきます」という形なので、一緒に願っている感じが出ます。結果を待っているあいだにも使えるのが、Good luck. との大きな違いです。