A bird in the hand is worth two in the bush.の意味は?確実さを選ぶことわざ
入試に出るイディオム 第22回
確実な1つを選ぶことわざ、続報を頼む会話表現、認識を揃える慣用句。3つの由来をたどりながら、入試での出方まで身につけます。
監修:原田高志(原田英語.com)
今日も3つの箱から1つずつ。確実さを選べということわざ、続報をお願いする一言、そしてみんなの認識を揃える慣用句です。どれも場面の絵を思い浮かべると、忘れにくくなります。
A bird in the hand is worth two in the bush.
ア・バード・イン・ザ・ハンド・イズ・ワース・トゥー・イン・ザ・ブッシュ 堅実のことばいま確実に手にしているものは、不確実な多くのものより価値がある
この考え方は中世の鷹狩りに由来する、という説がよく知られています。手に乗せた鷹は、訓練にも時間にもお金にもかけがえのない、確実な財産です。一方で藪の中にいる獲物は、数だけならもっと多いかもしれませんが、捕まえられる保証はどこにもありません。記録に残る最も古い形は1450年ごろの文献で、いまとほぼ同じ形で定着したのは1670年のことわざ集でした。
指定校推薦でほぼ合格が決まっている大学があるのに、もっとレベルの高い大学を一般入試で狙いたくなる。友達にその話をすると『それって賭けだよ』と言われる。それがA bird in the hand is worth two in the bush.の場面です。
こう使う
You already have one scholarship offer. A bird in the hand is worth two in the bush, so just accept it.
もう奨学金の内定を1つもらっているじゃない。確実なほうを取ったほうがいいよ、それを受けなよ。
I know the new job sounds exciting, but a bird in the hand is worth two in the bush.
新しい仕事は魅力的に聞こえるけど、いま手にしている確実なもののほうが価値があるよ。
発音:bushは/bʊʃ/で、日本語の『ブッシュ』よりも短く、口をあまり開けずに発音します。
- こう問われる
- ①会話文で、確実な選択肢を選ぶよう助言する一言として空所に入れる形。②下線部の内容一致で、『数の多さ』ではなく『確実さと不確実さの比較』を説明した選択肢を選ばせる形。
- ここで外す
- bird(鳥)とbush(藪)という単語につられて、『鳥を捕まえる話』『藪の中に何羽いるか』という文字どおりの意味で読んでしまう誤りが定番です。実際には、確実な1つと不確実な複数のどちらを選ぶかという比較の話です。
- 決め手
- 直前の内容が『確実なものを手放して、もっと大きい不確実なものに賭けようとしている』場面ならこのことわざが正解です。
You already have one scholarship offer. A bird in the hand is worth two in the bush, so just accept it.
- 誤答
- 藪の中にいる鳥を2羽つかまえたほうが得だから、そちらを狙うべきだ
- 正答
- いますでに手にしている確実な1つ(奨学金)のほうが、不確実な話より価値がある、だからそれを受けるべきだ
Before
A bird in the hand is worth two in the bush.を見ると『鳥が1羽と2羽、数の話』としか読めず、何を言いたいのか分からなかった
After
手前のbird(確実な1つ)とbushの中のtwo(不確実な複数)を比べる文だと分かり、同じ場面で使われても文字どおりの意味に引きずられず、確実さと不確実さのどちらの話かをすぐ判断できるようになる
A bird in the hand is worth two in the bush. を教室で使う(6分)
ねらい: 『確実な選択』と『賭け』を比べる場面で、このことわざを使わせる
- 先生「確実に1つもらえるものと、当たれば3つもらえるかもしれないもの、どっちを取る?」と問いかける
- 「英語にはこの迷いをそのまま表すことわざがある」と伝え、A bird in the hand is worth two in the bush.を板書する
- ペアで、自分や友達が『確実な道と、挑戦する道』で迷った経験を1つ挙げさせ、この表現を使って一文にする
- 出口チケットで、鳥や藪の話ではなく何の比較をしていることわざかを説明させる
出口チケット: 『合格がほぼ決まっている大学より、憧れの難関大学に賭けたい』という状況を、A bird in the hand is worth two in the bush.を使って英語で書きなさい。
Keep me posted.
キープ・ミー・ポステッド 気づかいのことばまた分かったら教えてね、随時報告してね
post(掲示する、記帳する)という語には、最新の情報を反映させるという意味があります。有力な説の1つは、19世紀のアメリカの帳簿づけに由来するというものです。帳簿に最新の数字を書き込むことをpostと呼び、そこから『情報が最新に保たれている』状態をposted-upと表現するようになりました。植民地時代に、木の柱へ知らせの紙を打ちつけたことに由来するという説もあります。
部活の先輩がケガで通院している。試合には出られるのか、治り具合はどうなのか、気になって仕方がない。そんなとき『何か分かったら教えてください』と伝える。それがKeep me posted.の場面です。
こう使う
I'll be waiting for the test results, so keep me posted.
試験の結果を待っているから、分かったら教えてね。
"My brother is in the hospital." "Keep me posted, okay?"
「兄が入院しているんだ」「何かあったら教えてね」
発音:postedの語尾-edは/ɪd/で、『ポステッド』とはっきり1音節分発音します。
- こう問われる
- ①会話文の応答選択で、続報を頼む一言として空所に入れる形。②postedを『郵便』の意味だと誤解させる選択肢と並べる形。
- ここで外す
- postedを見て『郵便で知らせて』という意味だと思い込み、mail me the resultsのような選択肢を選んでしまう誤りが定番です。ここでのpostedは郵便ではなく『最新の状態にしておく』という意味です。
- 決め手
- 直前の内容が『まだ結果や進み具合が分からない話』で、あとで知らせてほしいという流れならKeep me posted.を選びます。
- 誤答
- mail me the letter(『手紙を郵送して』という意味になり、続報を頼む場面には合わない)
- 正答
- keep me posted(『分かったら教えてください』と続報を頼む、自然な受け答え)
Before
Keep me posted.のpostedを郵便のことだと思い込み、何を頼んでいる文なのか分からなかった
After
postedが『最新の状態』を表すと分かり、続報を頼む場面でLet me know.と使い分けて選べるようになる
Keep me posted. を教室で使う(5分)
ねらい: 『あとで続報がほしい』場面でKeep me postedを使わせる
- 先生「結果がまだ出ていない話、最近ある?」と問いかけ、2〜3人に答えさせる
- 「英語には『分かったら教えて』という決まり文句がある」と伝え、Keep me posted.を板書する
- ペアで、まだ結果が出ていない出来事を1つ挙げさせ、Keep me posted.を使って頼む練習をする
- 出口チケットで、Keep me posted.が郵便の話ではないと説明させる
出口チケット: 模試の結果を待っている友達に、Keep me posted.を使って声をかける一文を英語で書きなさい。
on the same page
オン・ザ・セイム・ページ 共有のことば同じ認識でいる、意見や理解が一致している
起源ははっきりしませんが、有力な説が2つあります。1つは合唱や合奏で、全員が同じ楽譜の同じページを見ていないと演奏がそろわないことに由来するという説。もう1つは教室で、先生が生徒全員に同じ教科書の同じページを開かせてから授業を始めることに由来するという説です。どちらの説でも、『同じものを見ている』という状態が、そのまま『認識が一致している』という意味に育っています。
文化祭のクラス企画で、飾りつけ係と受付係が、それぞれ違う内容を先生から聞いていた。話し合いのたびに『え、そんな話だったの?』となる。そんなとき『まず認識をそろえよう』と声をかける。それがon the same pageの場面です。
こう使う
Before we start the project, let's make sure we're all on the same page.
プロジェクトを始める前に、全員の認識がそろっているか確認しよう。
I don't think we're on the same page about the deadline.
締め切りについて、私たちの認識は一致していないと思う。
発音:sameは/seɪm/、pageは/peɪdʒ/。どちらも母音は同じ二重母音/eɪ/で、『エイ』と2つの音をつなげて出します。pageの語尾/dʒ/は『ジ』ではなく、舌を上あごにつけてから離す音です。
- こう問われる
- ①下線部言い換えで、agreeやunderstand each otherのような形に置き換えさせる形。②会話文で、認識のズレを確認する一言として空所に入れる形。
- ここで外す
- pageという単語につられて、本や読書の話だと誤読してしまう誤りが定番です。直前に計画や意見のすり合わせの話があれば、比喩だと判断します。
- 決め手
- 直前に会議・計画・意見のすり合わせの話があれば、on the same pageは『認識が一致している』という意味の比喩として読みます。
Before we start the project, let's make sure we're all on the same page.
- 誤答
- プロジェクトを始める前に、全員が同じ本のページを開いているか確かめよう
- 正答
- プロジェクトを始める前に、全員の認識がそろっているか確かめよう
Before
on the same pageを見ると、本や教科書の話だと思い込んで文の流れを見失っていた
After
pageが出てきても、直前の話題が計画や意見のすり合わせなら、認識の一致を表す比喩だとすぐ切り替えられる
動画で見る
on the same page を教室で使う(5分)
ねらい: 認識のズレを確認する場面で、on the same pageを使わせる
- 先生「グループで作業していて、話が食い違っていたこと、最近ある?」と問いかける
- 「英語には『みんな同じページを見ている』という比喩でこれを表す表現がある」と伝え、on the same pageを板書する
- ペアで、認識がずれていた経験を1つ挙げさせ、この表現を使って一文にする
- 出口チケットで、on the same pageが本の話ではないと説明させる
出口チケット: 『グループ発表の前に、担当を確認し合いたい』という状況を、on the same pageを使って英語で書きなさい。
よくある質問
3つの表現のうち、どれがいちばん会話でよく使いますか?
Keep me posted. と on the same page はどちらも日常会話やビジネスの場でよく使われます。A bird in the hand is worth two in the bush. はことわざなので、少しあらたまった助言の場面で使われます。