Speech is silver, silence is golden.
スピーチ・イズ・シルヴァー、サイレンス・イズ・ゴールデン
「雄弁は銀、沈黙は金。話すことにも値打ちはあるが、黙っているほうがよいときがある」
Wikipedia によると、このことわざのいまの形は、アラビア語の文化で生まれた可能性が高いとされています。9世紀の書き手ジャーヒズは、「もし言葉が銀なら、沈黙は金だ」と書いています。
そこから、14世紀のスペインのユダヤ人の著作を通って、ヨーロッパに入ったという見方があります。19世紀のはじめにはドイツで広まり、そこから英語に入ったとされています。
英語で最初に記録されたのは、トマス・カーライルの小説『衣服哲学(Sartor Resartus)』(1833〜34年)だとされています。カーライルは、なぜかこれを「スイスの碑文」の言葉として紹介しました。
あなたは部活のミーティングで、練習のやり方について先輩に強く言われます。言い返したい言葉が、のどまで出かかっています。
でも、あなたは何も言わずに、最後まで話を聞きました。帰り道、先輩のほうから「さっきは言いすぎた」と声をかけてきます。
あのとき口を開いていたら、話はこじれていました。英語なら Speech is silver, silence is golden.(雄弁は銀、沈黙は金)と言えます。
なぜこの意味になるのか
speech は「話すこと」、silence は「黙ること」です。そこに silver(銀)と golden(金の)を当てて、2つの金属の値打ちの差で、話すことと黙ることの重みの差を表しています。どちらも価値のある金属なので、話すことを全否定してはいません。
使うときの注意・使い分け
言い返したいときや、余計なひと言を言いそうなときに、自分や相手をいさめる言い方です。後半だけの Silence is golden. の形でもよく使います。Wiktionary には、後半だけの形に「静かであることには値打ちがある」という意味も載っています。
例文で確かめる
I wanted to argue back, but speech is silver, silence is golden.
言い返したかったけれど、雄弁は銀、沈黙は金だ。
Sometimes silence is golden, especially when you're angry.
ときには黙っているのがいちばんだ。とくに腹が立っているときは。
発音・リズム
silver と golden を強く「スピーチ・イズ・シルヴァー、サイレンス・イズ・ゴウルドゥン」と言います。golden は「ゴールデン」ではなく「ゴウルドゥン」に近い音です。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①ことわざの空所補充で、Speech is ( ), silence is ( ). に silver と golden を正しい順に入れさせる形。②内容一致で、このことわざを引いた筆者が「話すこと」をまったく価値のないものと見ているかを問う形。③似たことわざの言い換えで、Still waters run deep. など沈黙をほめる表現と結びつけさせる形。
- ここで外す
- Speech is golden, silence is silver. と、金と銀を入れかえて書く答案が出ます。もう1つは、「話すことは無駄だ」と読む誤りです。銀にもちゃんと値打ちがあるのに、そこを落としてしまいます。
- 決め手
- 金と銀の順番を見ます。銀より金が上なので、「話すことにも値打ちはあるが、黙ることはもっと値打ちがある」と読みます。silence の側に golden が付きます。
When you are angry, remember: speech is ( ), silence is ( ).
腹が立っているときは思い出しなさい。雄弁は( )、沈黙は( )。
- 誤答
- golden, silver/金と銀を入れかえると、話すほうが上という逆の意味になります
- 正答
- silver, golden/黙るほうが一段上。話すことにも銀の値打ちはある、という形です
読み方が変わる
Before
silence is golden だけを覚えていて、前半の speech is silver が空所になると、金と銀のどちらを入れるか迷っていた
After
銀<金の順番で、黙るほうが上と分かれば、前半に silver、後半に golden を迷わず入れられる。筆者が話すことを全否定しているかを問う内容一致でも、正しく選べる
こぼれ話
Wikipedia によると、英語には沈黙をほめることわざがほかにもあります。Still waters run deep.(静かな川は深い)や、Empty vessels make the most sound.(空の器ほど大きな音がする)です。どちらも、静かなものの値打ちを言うことわざです。
似た表現・反対の表現
- 似た意味
- Silence is golden.Still waters run deep.
Speech is silver, silence is golden. を教室で使う(5分)
ねらい: Speech is silver, silence is golden. の金と銀の順番から、話すことと黙ることの重みの差を読み取れるようにする
- 黒板に「雄弁は銀、沈黙は金」と書き、「銀と金、値打ちが高いのはどちらですか」と聞きます
- 「金ですね。では、話すことに値打ちはないのでしょうか」と聞き、「銀にも値打ちがある」ことを確かめます
- Speech is ( ), silence is ( ). を書き、ペアで空所を埋めさせます。答えは silver と golden です
- ペアで、黙っていたほうがよかった場面を1つ日本語で話し合わせ、最後に Speech is silver, silence is golden. で締めさせます
出口チケット: Speech is silver, silence is golden. の意味を、「銀」と「金」という語を使って日本語1文で説明させる
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
Speech is silver, silence is golden. が自然に使える短い会話を3つ作ってください。条件は次のとおりです。①高校生の部活・家族・友達の場面にする。②会話は A と B の2人で、4行以内にする。③それぞれに日本語訳を付ける。④なぜその場面で黙るほうがよいのかを、日本語で一言添える。