もとの形はSpeak of the devil, and he shall appear.(悪魔の話をすれば、悪魔が現れる)です。16世紀のイギリスで、『悪』について軽々しく口にすると、本当にその存在を呼び寄せてしまうという迷信への戒めとして使われ始めました。1666年には、イタリア人作家ジョヴァンニ・トリアーノが著書『Piazza Universale』の中で、当時のイギリス人がすでにこの言い回しを使っていたと書き残しています。当時は冗談ではなく、本気の警告でした。19世紀に入るとこの重みが薄れはじめ、いまのような、偶然の一致をおどけて指摘する軽い言い方になったのは20世紀に入ってからです。
教室で友達の話をしていたら、ちょうどその本人からLINEやメッセージが届いた、という経験はありませんか。Speak of the devil.は、そういう場面で『うわ、噂をすればだ』と軽くツッコむための一言です。
なぜこの意味になるのか
speak of ~ で『~の話をする』。もとの形は Speak of the devil, and he shall appear. で、名前を口に出すこと自体が、その相手を呼び寄せるという考え方が土台にあります。いまは devil の位置に、実際に噂をしていた人が重なって読まれます。後半の and he shall appear は言わなくても伝わるので、前半だけで使うのがふつうです。
使うときの注意・使い分け
日本語の『噂をすれば影がさす』と同じように、偶然の一致をおどけて指摘するときに使います。
例文で確かめる
We were just talking about Emma, and speak of the devil, here she comes!
ちょうどエマの話をしていたところなのに、噂をすれば、彼女が来たよ!
I wonder if Mr. Tanaka will call today.
田中先生、今日電話してくるかな。
Speak of the devil—my phone's ringing right now.
噂をすれば……ちょうど電話が鳴ってる。
発音・リズム
devilは/ˈdev.əl/で、『デビル』よりも最初の母音を短く『デヴル』に近く読みます。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①会話文の応答選択で、話していた人物が現れた場面の反応を選ばせる形。②devilという単語だけを見て、宗教的・道徳的な意味だと誤読させる形。
- ここで外す
- devil(悪魔)という単語につられて、本当に恐ろしい話や、誰かを非難する場面だと誤読する誤りが定番です。実際には軽い驚きを表すだけで、悪い意味は含みません。
- 決め手
- 会話の中で、直前に話していた人物や物事が、ちょうどそのタイミングで現れた場面が描かれていたら、Speak of the devil.は『噂をすれば』という軽い驚きの意味だと読み取ります。
- 誤答
- 悪魔の話はやめてよ
- 正答
- 噂をすれば
読み方が変わる
Before
Speak of the devil.を聞くと、devilという単語につられて、何か悪いことが起きたのかと身構えていた
After
話していた人物がちょうど現れた場面だと分かれば、『噂をすれば』という軽い驚きだとすぐに読み取れる
こぼれ話
イギリスでは古くからtalk of the devilという言い方も使われており、どちらも同じ意味で通じます。
似た表現・反対の表現
- 似た意味
- Talk of the devil.
Speak of the devil. を教室で使う(5分)
ねらい: 偶然の一致を表す会話表現を、日本語の『噂をすれば影』と結びつけて覚える
- 先生「友達の話をしていたら、本人からちょうど連絡が来た経験はある?」と問いかける
- Speak of the devil.のもとの形(Speak of the devil, and he shall appear.)と、16世紀には本気の警告だったことを紹介する
- ペアで、『噂をすれば』が使えそうな場面を1つ考えて、英語で言ってみる
- 出口チケットで、Speak of the devil.を使った短い会話を2行で書かせる
出口チケット: 友達の噂話をしていたら本人が現れた場面を、Speak of the devil.を使って2行の会話で書きなさい。
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
以下の条件で、Speak of the devil.を使った会話文を3つ作ってください。①友達や先生の話をしていたら本人が現れる場面にする。②中学・高校生が実際に使いそうな場面にする。③日本語訳も添える。