この言い回しを比喩として最初に文章に残したのは、1841年にアメリカの思想家ラルフ・ワルド・エマソンが発表したエッセイ『思慮』です。その中で彼は『薄い氷の上を滑るときは、速さこそが安全だ』と書きました。この1841年の一文が、薄い氷を比喩として使った最も古い記録とされています。もとになっているのは、凍った川や湖の氷が薄いところを歩くと踏み抜いてしまう、という誰もが想像できる場面です。
部活の顧問に『次に遅刻したら、大会のメンバーから外す』と言われた。それからの一週間は、いつもより早く家を出るようになった。一度目の注意で終わりではなく、次に何かあれば本当に取り返しがつかない。そんな緊張感のある立場を、英語ではon thin iceと表現する。
なぜこの意味になるのか
1841年、アメリカの思想家ラルフ・ワルド・エマソンがエッセイ『思慮』の中で、薄い氷の上を滑る場面を比喩として使いました。これが比喩としての最も古い記録とされています。
使うときの注意・使い分け
似た意味のin trouble(困った状態)より、『すでに一度警告を受けていて、次はない』という緊張感が強く出ます。
例文で確かめる
The team is on thin ice after losing three games in a row.
3連敗して、そのチームは後がない状況にある。
You're on thin ice with the teacher, so don't be late again.
先生の心証はもう良くないから、二度と遅刻しないほうがいい。
発音・リズム
thinの/θ/は舌先を上下の歯の間に軽く挟んで発音します。on thin iceは、3語をひとつなぎに素早く発音すると自然に聞こえます。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①内容一致問題で、『すでに一度警告を受けていて、次はない状況』を言い換えさせる形。②空所補充で、be動詞のあとに続く形として出す形。
- ここで外す
- iceという単語につられて、単に『寒い』『冬の話』だと誤読する誤りが定番です。実際は危険な立場についての比喩で、季節や天候の話ではありません。
- 決め手
- 直前の内容が『すでに一度注意・警告を受けている』場面で、on thin iceが出てきたら、『次に何かあれば取り返しがつかない』という意味だと判断します。
After missing two deadlines, he knew he was on thin ice with his manager.
- 誤答
- 彼は上司と一緒に薄い氷の上を歩いていた(文字どおりに読んでしまい、意味が通らない)
- 正答
- 彼は上司の心証を損ねていて、次のミスは許されない状況だった(危険な立場にあるという比喩として読む)
読み方が変わる
Before
on thin iceを見ると、氷や天候の話だと思い込み、文の続きが読めなくなっていた
After
直前に『すでに注意を受けている』という文脈があれば、on thin iceは『次はない状況』を表す比喩だとすぐ切り替えられる
こぼれ話
同じ場面から生まれた表現に、skate on thin ice(薄い氷の上を滑る)という動詞を使った形もあります。
似た表現・反対の表現
- 似た意味
- in hot waterwalking a tightrope
- 反対の意味
- on solid groundin the clear
on thin ice を教室で使う(5分)
ねらい: 『次に何かあれば取り返しがつかない』状況をon thin iceで表現させる
- 先生「一度注意されて、次は後がない、と感じた経験ある?」と問いかける
- 『薄い氷の上を歩くところを想像して』と伝え、on thin iceを板書する
- ペアで、自分や身近な人が『次はない』状況にあった場面を1つ挙げさせ、on thin iceを使って伝え合う
- 出口チケットで、on thin iceが天候の話ではない理由を説明させる
出口チケット: 『部活の顧問に一度注意され、次のミスは許されない』状況を、on thin iceを使って英語で書きなさい。
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
以下の条件で、私が書いた英語の文を直してください。①on thin iceを自然に使う。②天候の話だと誤解されない文脈になっているか確認する。③直した文とその理由を日本語で書く。 """(ここに自分の文を貼る)"""