Two heads are better than one.の意味|二人で考える強さの由来
入試に出るイディオム 第24回
一人で行き詰まったときに協力を誘うことわざ、頼まれごとを気持ちよく引き受ける相づち、そして次のミスが許されない状況を表す比喩表現。3つの由来をたどりながら、入試での出方まで身につけます。
監修:原田高志(原田英語.com)
今日も3つの箱から1つずつ。二人で考えようと誘うことわざ、頼みごとに即答する相づち、そして薄い氷の上に立つような緊張感を表す比喩です。どれも場面を思い浮かべると、忘れにくくなります。
Two heads are better than one.
トゥー・ヘッズ・アー・ベター・ザン・ワン 協力のことば一人で考えるより、二人で考えたほうが良い知恵が出る、ということ
1546年、イギリスの劇作家ジョン・ヘイウッドがことわざを集めた本に、この言い回しの最古の記録が残っています。ただし彼はそのすぐあとに『知恵のない頭が10個集まっても、それは無いのと同じだ』という一文も添えました。数を集めれば良いという話ではなく、知恵を持ち寄ってこそ意味がある、という釘刺しがセットだったのです。近い考え方は、旧約聖書の『二人は一人より勝る』という一節にも見られ、二人で助け合うことの価値は、それよりずっと昔から語られていたとされます。
部活のミーティングで新しい練習メニューを考えていたとき、自分の案だけでは行き詰まっていた。隣の部員が『こうしたら?』と一言加えた瞬間、案が形になった。一人で抱え込んでいた時間より、二人で話した数分のほうが、ずっと早く答えにたどり着いた。
こう使う
I was stuck on the math problem, but two heads are better than one, and my friend spotted my mistake right away.
数学の問題で行き詰まっていたけれど、二人で考えたほうがいいもので、友達がすぐに私の間違いを見つけてくれた。
Let's brainstorm this together—two heads are better than one.
一緒に案を出し合おう。二人で考えたほうがいいからね。
発音:headsの/iː/を短く切らずに伸ばし、two headsを一続きのリズムで発音すると自然に聞こえます。betterのtは、アメリカ英語では『ラ行』に近い音になります。
- こう問われる
- ①会話文の空所補充で、相手に協力を持ちかける場面の締めくくりとして入れる形。②内容一致問題で、グループワークやペアワークを勧める文脈の言い換えとして出す形。
- ここで外す
- two headsを文字どおり『二つの頭』と読み、比喩だと気づかずに内容と結びつけられない誤りが定番です。ここでのheadは『頭脳・考える人』を指す比喩だと気づく必要があります。
- 決め手
- 直前が『一人で困っている・行き詰まっている』場面で、直後に『相談しよう』『一緒に考えよう』と続くなら、Two heads are better than one.が『協力を持ちかける』決まり文句だと判断します。
- 誤答
- Better late than never.(『遅くてもやらないよりまし』となり、協力の申し出とはつながらない)
- 正答
- Two heads are better than one.(『二人で考えたほうがいい』となり、一緒に取り組もうという申し出と自然につながる)
Before
Two heads are better than one.を見ると、『頭が二つ』という表現の意味がつかめず、文の続きが読めなくなっていた
After
headが『考える人』を指す比喩だと分かれば、初見の文でも『協力しよう』という誘いだとその場で判定できる
動画で見る
@bbclearningenglish Two heads are better than one. を教室で使う(5分)
ねらい: 行き詰まった場面でTwo heads are better than one.を使い、相手に協力を持ちかけさせる
- 先生「一人で考えて、途中で止まってしまったこと、最近ある?」と問いかける
- 『英語には、二人で考えようと誘う決まり文句がある』と伝え、Two heads are better than one.を板書する
- ペアで、行き詰まっている課題を1つ挙げさせ、この表現を使って相手に相談を持ちかけさせる
- 出口チケットで、headが何を指す比喩か説明させる
出口チケット: 『数学の問題で行き詰まっている友達に、一緒に考えようと誘う』場面を、Two heads are better than one.を使って英語で書きなさい。
Sure thing.
シュア・シング 快諾のことば「もちろん」「いいよ」と、気軽に頼みを引き受けるときの返事
sure thingという言葉自体は1836年ごろから使われ始め、はじめは『失敗するはずのない、確実なこと』を指す名詞でした。19世紀の賭け事の言葉として、負けようのない賭けをこう呼んでいたのです。19世紀の終わりごろになると、この『確実さ』のイメージがそのまま相づちに転用され、『もちろん、間違いなく』という意味でSure thing.と単独で使われるようになりました。
後輩に『先輩、この動画の英語のところ、あとで教えてもらえますか?』と聞かれた。断る理由もなく、迷う時間もいらない頼みごとだったので、考える間もなくSure thing.と答えた。かしこまったI will help you.よりも、ずっと軽く、友達同士のようなやり取りになる。
こう使う
"Can you help me carry these boxes?" "Sure thing."
「この箱、運ぶの手伝ってもらえる?」「もちろん。」
Sure thing, I'll email you the notes tonight.
了解、今夜ノートをメールするね。
発音:sureは『シュア』、thingのthは舌を上下の歯の間に軽く挟んで発音します。2語をつなげて一息で言うと自然に聞こえます。
- こう問われる
- ①電話・対面の会話文で、頼まれごとへの即答として空所に入れる形。②Of course. / No problem. と同じ働きの表現として言い換えさせる形。
- ここで外す
- sureとthingを別々の単語として訳し、『確かなもの』という名詞のまま読んでしまう誤りが定番です。会話の応答としては、この2語で1つの決まり文句だと覚える必要があります。
- 決め手
- 直前が依頼・質問(Could you ~? / Can I ~?)で、直後に依頼された内容へすぐ移るなら、Sure thing.は『もちろん、いいよ』という即答の相づちだと判断します。
- 誤答
- Sure things.(複数形にしてしまい、決まり文句として通じなくなる)
- 正答
- Sure thing.(『もちろん』と即答する自然な相づち)
Before
Sure thing.を見ると、名詞のかたまりとして訳そうとして、会話の中でどう使われているか分からなかった
After
依頼のすぐあとに置かれていれば、2語まとめて『もちろん』という相づちだとその場で判断できる
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Sure thing. を教室で使う(5分)
ねらい: 頼まれごとに即答する場面でSure thing.を使わせる
- 先生「Of course.以外に、頼まれごとに答える言い方を知っている?」と問いかける
- 『Sure thing.はもともと賭け事の言葉で、そこから相づちになった』と伝え、板書する
- ペアで、頼みごとを1つ考えさせ、Sure thing.を使って即答する会話を演じさせる
- 出口チケットで、Sure thing.が元は何を指す言葉だったか答えさせる
出口チケット: 『友達にノートを貸してほしいと頼まれ、快く引き受ける』場面を、Sure thing.を使って英語で書きなさい。
on thin ice
オン・シン・アイス 警戒のことば危険な状態にある、失敗すれば大きな問題になりかねない状況にある
この言い回しを比喩として最初に文章に残したのは、1841年にアメリカの思想家ラルフ・ワルド・エマソンが発表したエッセイ『思慮』です。その中で彼は『薄い氷の上を滑るときは、速さこそが安全だ』と書きました。この1841年の一文が、薄い氷を比喩として使った最も古い記録とされています。もとになっているのは、凍った川や湖の氷が薄いところを歩くと踏み抜いてしまう、という誰もが想像できる場面です。
部活の顧問に『次に遅刻したら、大会のメンバーから外す』と言われた。それからの一週間は、いつもより早く家を出るようになった。一度目の注意で終わりではなく、次に何かあれば本当に取り返しがつかない。そんな緊張感のある立場を、英語ではon thin iceと表現する。
こう使う
The team is on thin ice after losing three games in a row.
3連敗して、そのチームは後がない状況にある。
You're on thin ice with the teacher, so don't be late again.
先生の心証はもう良くないから、二度と遅刻しないほうがいい。
発音:thinの/θ/は舌先を上下の歯の間に軽く挟んで発音します。on thin iceは、3語をひとつなぎに素早く発音すると自然に聞こえます。
- こう問われる
- ①内容一致問題で、『すでに一度警告を受けていて、次はない状況』を言い換えさせる形。②空所補充で、be動詞のあとに続く形として出す形。
- ここで外す
- iceという単語につられて、単に『寒い』『冬の話』だと誤読する誤りが定番です。実際は危険な立場についての比喩で、季節や天候の話ではありません。
- 決め手
- 直前の内容が『すでに一度注意・警告を受けている』場面で、on thin iceが出てきたら、『次に何かあれば取り返しがつかない』という意味だと判断します。
After missing two deadlines, he knew he was on thin ice with his manager.
- 誤答
- 彼は上司と一緒に薄い氷の上を歩いていた(文字どおりに読んでしまい、意味が通らない)
- 正答
- 彼は上司の心証を損ねていて、次のミスは許されない状況だった(危険な立場にあるという比喩として読む)
Before
on thin iceを見ると、氷や天候の話だと思い込み、文の続きが読めなくなっていた
After
直前に『すでに注意を受けている』という文脈があれば、on thin iceは『次はない状況』を表す比喩だとすぐ切り替えられる
動画で見る
on thin ice を教室で使う(5分)
ねらい: 『次に何かあれば取り返しがつかない』状況をon thin iceで表現させる
- 先生「一度注意されて、次は後がない、と感じた経験ある?」と問いかける
- 『薄い氷の上を歩くところを想像して』と伝え、on thin iceを板書する
- ペアで、自分や身近な人が『次はない』状況にあった場面を1つ挙げさせ、on thin iceを使って伝え合う
- 出口チケットで、on thin iceが天候の話ではない理由を説明させる
出口チケット: 『部活の顧問に一度注意され、次のミスは許されない』状況を、on thin iceを使って英語で書きなさい。
よくある質問
3つの表現のうち、会話でいちばんよく使うのはどれですか?
Sure thing. はもっとも日常会話で使う頻度が高い相づちです。on thin ice はニュースやスポーツ記事にもよく出て、Two heads are better than one. はことわざなので、助言や励ましの場面で使われます。