『全身が耳になる』というのは、想像すると少し不思議な絵です。体のほかの部分が消えて、耳だけが残っている。この大げさな比喩で、ほかの何にも気を取られず、相手の話だけに集中していますという気持ちを伝えます。日常会話で気軽に使われる、くだけた言い回しです。
スマホをいじりながら『うん、聞いてるよ』と答えると、相手はちゃんと伝わっているか不安になります。そんなとき、手を止めて I'm all ears. と言えば、『いまはあなたの話だけに集中する』という気持ちがはっきり伝わります。
なぜこの意味になるのか
『体じゅうが耳になる』という、そのままでは起こりえない大げさな比喩から生まれた言い回しです。体のほかの部分を忘れるくらい、相手の話だけに意識を集中させているという気持ちを、1つの絵にして伝えています。
使うときの注意・使い分け
相手が話し始める前に言う、『どうぞ話して』という前置きの一言。話を聞き終えたあとには使わない。
例文で確かめる
"Can I tell you something important?" "Sure, I'm all ears."
「大事な話があるんだけど」「もちろん、ちゃんと聞くよ」
Put your phone away and tell me what happened. I'm all ears.
スマホを置いて、何があったか話して。ちゃんと聞くから。
発音・リズム
all ears はつなげて【オーリアーズ】に近い音になる。all の l と ears の母音がつながるのがポイント。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①会話文の応答選択で、相手が話し始める直前の一言として選ばせる形。②I'm all ear. のように単数形にした誤りを見抜かせる形。③直訳『耳がたくさんある』という意味だと誤解させる読解問題。
- ここで外す
- ears を単数の ear にしてしまう誤り。また、直訳のまま『耳が異常に多い』という奇妙な意味だと捉えてしまう誤り。
- 決め手
- ears が複数形になっているかだけを見る。I'm all ear. は決まり文句として成立せず、必ず ears でなければならない。
- 誤答
- I'm all ear.(ears が単数になっている誤り)
- 正答
- I'm all ears.(耳を複数形にした正しい決まり文句)
読み方が変わる
Before
I'm all ears. を見ても『耳だらけ』という不思議な直訳しか浮かばなかった
After
会話の応答問題で、相手が話し始める合図としてこの決まり文句だとすぐに認識でき、単数形のひっかけにも気づけるようになる
こぼれ話
同じ『耳』を使った表現に lend an ear(耳を貸す、親身になって話を聞く)もある。
似た表現・反対の表現
- 似た意味
- I'm listening.Go ahead, I'm listening.
I'm all ears. を教室で使う(5分)
ねらい: I'm all ears. を、話を聞く前の合図として使いこなせるようにする
- 「相談があるんだけど、と言われたら何と返す?」と日本語で問いかける
- I'm all ears. を提示し、スマホを置くジェスチャーと一緒に発音させる
- 「ears を ear にしたらどうなる?」と問い、複数形が決まりであることを確認する
- ペアで「相談がある」→「I'm all ears.」の短いやり取りを練習させる
出口チケット: 友達に相談を持ちかけられた場面を想像して、I'm all ears. を使った短い会話を1つ書いてみよう。
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
友達に相談を持ちかける英会話の練習に使えます。①場面:「友達が悩みを相談してくる」②相手の最初のセリフを1つ考えてもらい、③自分は I'm all ears. から会話を始めます。そのやり取りを4往復ぶん、英語と日本語訳の両方で作ってください。