add fuel to the fire
アド・フューエル・トゥ・ザ・ファイア
「火に油を注ぐ、(すでに悪い状況を)さらに悪化させる」
古代ローマの歴史家リウィウスが、ローマ史を記した書物の中で、すでにこの比喩を使っていたとされています。
燃えている火に薪や油を足せば、火はさらに大きく、熱く燃え上がります。言い争いや対立に、余計な一言や行動を付け加えれば、事態はさらに悪くなる。この当たり前の観察が、そのまま2000年近く言い伝えられてきた言い回しです。
友だち同士のグループLINEで言い合いが始まったとき、あなたが「それってさすがに言いすぎじゃない?」とだけ送ったつもりが、火に油を注ぐ結果になったことはありませんか。
正しいことを言ったつもりでも、対立の真っ最中に一言足すと、火はさらに大きくなります。
なぜこの意味になるのか
fuel はラテン語 focus(炉、かまど)に由来する語です。もともと『炉にくべるもの』を指し、そこから『燃料』全般に意味が広がりました。add(足す)+ fuel(燃料)+ to the fire(火に)という、動詞と前置詞句だけで組み立てられた、飾りのないシンプルな構造の比喩です。
使うときの注意・使い分け
同じ意味で pour oil on the fire とも言います。fuel と oil、どちらを使っても意味は変わりません。
例文で確かめる
Don't mention his ex at the party, it'll just add fuel to the fire.
パーティーで彼の元恋人の話はしないほうがいいよ、火に油を注ぐだけだから。
The politician's remark only added fuel to the fire of public anger.
その政治家の発言は、世間の怒りに油を注ぐだけでした。
発音・リズム
fuel は「フエル」ではなく1音節に近い「フューl」です。fu と el がほぼくっついて聞こえます。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①長文の内容一致で、状況を悪化させた行動を add fuel to the fire と言い換えさせる形。②同意表現 pour oil on the fire との書き換えを問う形。
- ここで外す
- fuel を「燃料」という名詞の意味だけで覚え、動詞句全体を「燃料を足す」という直訳のまま状況に当てはめられない誤りが多いです。すでに悪い状況が前提にあることを見落とします。
- 決め手
- 直前の文に対立・怒り・トラブルなど「すでに悪い状況」が書かれているかを確認してください。その状況の直後に出てくる add fuel to the fire は、ほぼ確実に「さらに悪化させる」の意味です。
His sarcastic comment only added fuel to the fire during the argument.
- 誤答
- 彼の皮肉な一言のおかげで、言い争いはようやく収まった。
- 正答
- 彼の皮肉な一言のせいで、言い争いはさらに激しくなった。
読み方が変わる
Before
fuel を「燃料」の意味だけで覚えていて、比喩の文が出るたびに直訳が浮かんで止まっていた
After
「すでに悪い状況を、さらに悪化させる」という一言に、文脈を当てはめて即座に訳せる
こぼれ話
似た構造の比喩に throw gasoline on a fire もあります。使う語が変わっても、絵はいつも同じです。
似た表現・反対の表現
- 似た意味
- pour oil on the firefan the flames
- 反対の意味
- calm things down
add fuel to the fire を教室で使う(7分)
ねらい: 「すでに悪い状況+追加の行動」という2段構えの文脈で、比喩表現を正しく訳せるようにする
- 先生が「言い争いの最中に、さらに怒らせる一言を言われた経験ある人?」と挙手を求める
- 黒板に「火+油=もっと燃える」の絵を描き、fuel の位置を示す
- ペアで、すでに困った状況を1つ決め、それを悪化させる行動を1つ考えさせる
- 「その行動は add fuel to the fire だね」と、先生がペアの発表にコメントを返す
出口チケット: add fuel to the fire を使って、身近な出来事を1文で英語にする
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
add fuel to the fire を使った例文を3つ作ってください。それぞれ、①家族間のけんか、②クラスの対立、③ニュースで報じられる社会問題、という異なる場面で書いてください。日本語訳も添えてください。