ゾウガメのジョナサンの年齢は、1882年に大人だったことから見積もった数字
思わず唸るNo.201

ゾウガメのジョナサンの年齢は、1882年に大人だったことから見積もった数字

世界最高齢の陸の動物ジョナサンは、少なくとも194歳

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もくじ
  1. ジョナサンは、南大西洋の島セントヘレナの総督の屋敷に住んでいる
  2. 「1832年ごろ生まれ」は、1882年に「十分に大人だった」ことからの逆算
  3. 1882〜1886年の写真に、すでに大きくなったジョナサンが写っていた
  4. このゾウガメの仲間のふつうの寿命は約150年で、ジョナサンは40年以上長く生きている
  5. ジョナサンは2009年ごろ、やせて、くちばしがぼろぼろになっていた
  6. 深掘り講義
  7. まとめ
  8. 英語で読む(A2・4択5問)
  9. 出典・ウラ取り

2026年4月1日の夜、X(旧ツイッター)に、ある投稿が出ました。ゾウガメのジョナサンが193歳で死んだ、という内容です。投稿したのは、ジョナサンの元の獣医だと名乗る人でした。

この話は、世界中でニュースになりました。でも、うそでした。次の日、ジョナサンが暮らす島の政府は、「ジョナサンは元気に生きている」と発表しました。

ジョナサンは、ギネス世界記録が認める、生きている陸の動物の中で世界最高齢の動物です。ギネスによると、2026年の時点で、少なくとも194歳です。なお、この記事は、2026年6月までに出たギネスとセントヘレナ政府の発表をもとに書いています。

でも、ジョナサンが生まれた日の記録はありません。では、194歳という年齢は、どうやって決められたのでしょうか。この記事では、まず、ジョナサンがどんなカメかを紹介します。次に、年齢を見積もった方法と、その手がかりになった古い写真を説明します。最後に、ジョナサンの今の暮らしを紹介します。

01ジョナサンは、南大西洋の島セントヘレナの総督の屋敷に住んでいる

ジョナサンは、セーシェルゾウガメという大きなカメです。もとはセーシェルから来ました。今は、南大西洋の遠くはなれた島、セントヘレナに住んでいます。島の人たちからは「ジョノ」という愛称で呼ばれています。

ジョナサンの家は、「プランテーション・ハウス」という屋敷の庭です。ここは、島の総督が住む屋敷です。総督は、島を治める役目の人です。ジョナサンは1882年にこの島へ来てから、ほとんどの時間をこの庭ですごしてきました。

ギネスによると、ジョナサンは、ウィリアム・グレイ=ウィルソンという人に贈られました。それから2022年までに、さらに31人の総督が入れかわりました。ジョナサンは、総督が何人変わっても、同じ庭を歩き続けてきたのです。

02「1832年ごろ生まれ」は、1882年に「十分に大人だった」ことからの逆算

ジョナサンの年齢の見積もり方は、とても単純です。

ギネスによると、ジョナサンは1882年に島へ連れてこられたとき、「十分に大人」だったと言われています。ゾウガメが十分に大人になるには、少なくとも50年かかるとされます。そこで、1882年から50年を引いて、1832年ごろに生まれたと見積もったのです。

1832年に生まれたとすると、2026年には194歳です。ギネスは、「島に来たときに50歳」というのは、いちばん若く見積もった数字だと書いています。だから、ジョナサンは本当は、もっと年上かもしれません。

031882〜1886年の写真に、すでに大きくなったジョナサンが写っていた

この見積もりを支える証拠が、あとから見つかりました。1882年から1886年の間に撮られた、古い写真です。

ギネスによると、その写真には、プランテーション・ハウスの庭で草を食べる、すっかり大きくなったジョナサンが写っています。そばには、島の人たちが何人かいます。

この写真によって、ジョナサンが島に来たころには、もう大きく育っていたことが確かめられました。ギネスは、これを年齢の見積もりを支える「直接の証拠」と呼んでいます。

1882〜1886年に撮られた写真には、すでに大人になったジョナサンが、屋敷の庭で草を食べる姿が写っている。
1882〜1886年に撮られた写真には、すでに大人になったジョナサンが、屋敷の庭で草を食べる姿が写っている。

04このゾウガメの仲間のふつうの寿命は約150年で、ジョナサンは40年以上長く生きている

ギネスによると、ジョナサンの仲間のゾウガメの平均の寿命は、約150年です。セントヘレナ政府も、2016年の発表で、ゾウガメの寿命の目安を150年としています。2026年に少なくとも194歳だとすると、ジョナサンは、それより40年以上長く生きてきたことになります。

ジョナサンの前に、カメの仲間で最も長生きの記録を持っていたのは、トゥイ・マリラ(Tu'i Malila)という名前のカメです。マダガスカルのホウシャガメという種類で、188歳まで生きたとされます。ギネスによると、イギリスの探検家ジェームズ・クック(James Cook)が、1773年か1777年に、トンガの王家に贈りました。トゥイ・マリラは、1965年に死ぬまで王家で飼われていました。

ジョナサンは、2021年にこの記録を抜き、「最も長生きしたカメ」の記録も持つようになりました。

05ジョナサンは2009年ごろ、やせて、くちばしがぼろぼろになっていた

ジョナサンも、ずっと元気だったわけではありません。

ギネスによると、2009年ごろ、ジョナサンの体調は大きく悪くなっていました。体はやせ、くちばしはやわらかく、くずれやすくなっていました。

そのころジョナサンを主に世話していたのは、獣医のジョー・ホリンズ(Joe Hollins)です。ホリンズは、週に1回、果物と野菜を手で食べさせることにしました。すると、ジョナサンは元気を取りもどし、草を食べるための鋭いくちばしももどりました。ホリンズは、ジョナサンは栄養が足りず、ビタミンやミネラルが不足していたのだと気づいた、と話しています。

2026年4月のギネスの記事で、ホリンズは、ジョナサンは白内障という目の病気でほとんど目が見えず、においも分からなくなっている、と話しています。でも、ギネスの記録のページによると、耳は今もとてもよく聞こえるそうです。2022年のセントヘレナ政府の話では、ジョナサンは、食べ物を地面に置くだけでは気づきませんでした。そのため、週に1回、手で食べさせてもらっていました。2026年4月の記事でも、週に1回の手からの食事は続いている、とされています。ジョナサンは、ホリンズの声を聞くと、ごちそうがもらえると思って反応するそうです。

LECTURE

深掘り講義

ここから先は、もう一段深く。しくみ・史料・論争まで踏み込みます。

「年齢の見積もり」は、いちばん若い数字を出す方法

ジョナサンの年齢は、「生まれた日から数える」のではなく、「ある時点で、少なくとも何歳だったか」から決められています。この方法では、出てくる数字は「これより若くはない」という下限になります。

ギネスの記録のページでは、2026年のジョナサンの年齢を「少なくとも194歳」と書いています。一方、別のページでは「194歳」とも書いています。どちらも同じ見積もりにもとづく数字ですが、「少なくとも」がつくかどうかで、意味は少し違います。本当の年齢は、194歳かもしれないし、それより上かもしれないのです。

一方、ジョナサンが1882年に島へ来たことは、記録に残っています。島に来てから2026年までだけでも、144年になります。島に来る前の50年以上を足さなくても、ジョナサンは、このゾウガメの仲間のふつうの寿命(約150年)に近い年数を、この島だけですごしてきたのです。

ジョナサンが生まれたころ、イギリスの王はウィリアム4世だった

ギネスは、ジョナサンが生きてきた間の出来事を並べています。1832年ごろにジョナサンが生まれたとき、イギリスの王はウィリアム4世でした。ヴィクトリア女王が王位についたのは、ジョナサンが5歳のときです。

ダーウィンが『種の起源』を出したのは1859年、アメリカで奴隷制が廃止されたのは1865年です。ギネスの2023年の記事によると、ジョナサンの一生の間に、イギリスの王や女王は8人、アメリカの大統領は40人が入れかわりました。

セントヘレナ政府によると、ジョナサンは島の歴史の中で、自動車、電気、テレビ、携帯電話、インターネットがやってくるのを見てきました。

ジョナサンが「別の種類のカメ」かもしれないという説がある

ギネスの記録では、ジョナサンの種類は、セーシェルゾウガメ(学名アルダブラケリス・ギガンテア・ホロリッサ)とされています。でも、ジョナサンの甲羅を調べた専門家の中には、ジョナサンは別の種類か、別の亜種(同じ種類の中の、地域による小さなグループ)かもしれない、と考える人もいます。この議論は、まだ決着していません。

また、ホリンズは2021年に、ジョナサンの体を綿棒でぬぐって、DNAを調べるための試料を取りました。調べているのは、アメリカ・テネシー州ナッシュビルの「ヴァンダービルト医学研究センター」です。ホリンズは、ゾウガメは傷ついた遺伝子を直すしくみがすぐれていて、がんになりにくい、と話しています。研究の論文は、ギネスの記事の時点ではまだ出ていませんでした。

「フレデリカ」は、実はオスだった

2023年のギネスの記事によると、ジョナサンは、プランテーション・ハウスの庭で、ほかの3頭のゾウガメと暮らしていました。デイビッドとエマは1969年に来ました。もう1頭のフレデリクは、1991年に来ました。

フレデリクは、もともと「フレデリカ」という女性の名前で呼ばれていました。ジョナサンがよく交尾しようとしていたので、メスだと思われていたのです。でも、あとでオスだと分かり、名前が変わりました。ホリンズは、動物は性別をあまり気にしないことが多い、と話しています。

06まとめ

ゾウガメのジョナサンは、ギネス世界記録が認める、世界最高齢の陸の動物です。2026年の時点で、少なくとも194歳とされています。

でも、生まれた日の記録はありません。「1832年ごろ生まれ」は、1882年に島へ来たとき、すでに50歳以上の大人だったことからの逆算です。1882〜1886年の写真も、そのころすでに大きく育っていたことを示しています。

だから、ジョナサンの本当の年齢は、194歳より上かもしれません。2026年6月、ジョナサンは、ギネス世界記録が特に有名な記録保持者を選ぶ「アイコン」の1人にも選ばれました。

人に話すなら、こう言おう

世界一長生きの陸の動物って、ゾウガメのジョナサンなんだって。生まれた日の記録はなくて、1882年に島に来たときもう大人だったことから、1832年ごろ生まれと見積もったらしいよ。
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英語で読む

Jonathan, the Oldest Tortoise on Land

CEFR A2218 words4択 5問全訳つき
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英文をタップすると、その文の訳が出ます。

On the night of April 1, 2026, a post on X said that Jonathan the tortoise had died at 193.2026年4月1日の夜、Xへの投稿が、ゾウガメのジョナサンが193歳で死んだと伝えました。 News around the world reported it.世界中のニュースがそれを伝えました。 But it was not true.でも、それは本当ではありませんでした。 The next day, the government of St Helena said that Jonathan was alive and well.次の日、セントヘレナの政府は、ジョナサンは元気に生きていると発表しました。

Jonathan is a giant tortoise from the Seychelles.ジョナサンは、セーシェルから来たゾウガメです。 He lives on St Helena, a far island in the South Atlantic.彼は、南大西洋の遠い島、セントヘレナに住んでいます。 His home is the garden of the governor's house.家は、総督の屋敷の庭です。 Guinness World Records says he is the oldest living land animal.ギネス世界記録によると、彼は生きている陸の動物の中で最も年をとっています。

But nobody knows his birthday.でも、彼の誕生日は誰も知りません。 When he came to the island in 1882, people said he was fully grown.1882年に島へ来たとき、彼はもう十分に大人だと言われていました。 That means he was at least 50 years old.それは、少なくとも50歳だったということです。 So experts think he was born around 1832.そこで専門家は、彼が1832年ごろに生まれたと考えています。 An old photo taken between 1882 and 1886 also shows a large, adult Jonathan eating grass.1882年から1886年の間に撮られた古い写真にも、草を食べる大人の大きなジョナサンが写っています。

This is an estimate, so he may be even older.これは見積もりなので、彼はもっと年上かもしれません。 Most tortoises like him live about 150 years.彼のようなゾウガメの多くは、約150年生きます。 Jonathan has lived more than 40 years longer than that.ジョナサンは、それより40年以上長く生きています。

In 2026, Jonathan was almost blind and could not smell, but he could hear very well.2026年のジョナサンはほとんど目が見えず、においも分かりませんでしたが、耳はとてもよく聞こえました。 Once a week, people fed him fruit and vegetables by hand.週に1回、人々が手で果物と野菜を食べさせていました。 He knew his vet's voice, and he thought of food when he heard it.彼は獣医の声を知っていて、その声を聞くと食べ物を思いうかべました。 Between his arrival and 2022, 31 more governors came and went.彼が島に来てから2022年までに、さらに31人の総督が入れかわりました。

4択問題 Reading Quiz

  1. Q1What is this story mainly about?

    この話は主に何についてのものですか。

  2. Q2When did Jonathan come to St Helena?

    ジョナサンがセントヘレナに来たのはいつですか。

  3. Q3Why do experts think Jonathan was born around 1832?

    専門家がジョナサンは1832年ごろに生まれたと考えるのはなぜですか。

  4. Q4In paragraph 4, the word "estimate" is closest in meaning to

    第4段落の estimate という語に最も意味が近いのはどれですか。

  5. Q5Which is true about Jonathan in 2026?

    2026年のジョナサンについて正しいのはどれですか。

重要語 Key Words(タップで裏返る)

  • tortoise名詞
    リクガメ

    The tortoise walked slowly across the road.

    リクガメはゆっくり道を横切った。

    💡 海のカメは turtle。発音は「トータス」。

  • giant形容詞
    巨大な

    There is a giant tree in the park.

    公園に巨大な木がある。

    💡 名詞では「巨人」。giant tortoise は「ゾウガメ」。

  • government名詞
    政府

    The government made a new law.

    政府は新しい法律を作った。

    💡 動詞 govern(治める)から。governor(総督、知事)も同じ仲間。

  • governor名詞
    総督、知事

    The governor lives in a big house.

    総督は大きな屋敷に住んでいる。

    💡 govern(治める)+ -or(人)。

  • estimate名詞
    見積もり、推定

    This is only an estimate of the cost.

    これは費用の見積もりにすぎない。

    💡 動詞として「見積もる」の意味もある。発音が名詞と動詞で少し違う。

  • fully grown形容詞句
    十分に成長した、大人になった

    A fully grown cat weighs about four kilograms.

    大人になったネコは約4キロある。

    💡 grow(育つ)の過去分詞 grown を使う。

  • blind形容詞
    目が見えない

    The old dog is almost blind.

    その年をとった犬はほとんど目が見えない。

    💡 almost blind で「ほとんど目が見えない」。

  • vet名詞
    獣医

    I took my cat to the vet.

    私はネコを獣医に連れていった。

    💡 veterinarian(獣医)を短くした語。

SOURCES出典・ウラ取り

この記事の事実は、次の資料を実際に開いて確認しています(確認した事実 22件)。

  1. Oldest land animal (living)(ギネス世界記録)guinnessworldrecords.com
  2. Oldest turtle/chelonian(ギネス世界記録)guinnessworldrecords.com
  3. 190-year-old Jonathan becomes world's oldest tortoise ever(ギネス世界記録、2022年)guinnessworldrecords.com
  4. World's oldest living land animal, Jonathan, turns 191 years old(ギネス世界記録、2023年)guinnessworldrecords.com
  5. Jonathan the tortoise is NOT dead(ギネス世界記録、2026年)guinnessworldrecords.com
  6. Jonathan the Tortoise is Alive and Well(セントヘレナ政府、2026年)sainthelena.gov.sh
  7. Jonathan Takes a Bath(セントヘレナ政府、2016年)sainthelena.gov.sh

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文章はすべて資料をもとに独自の言葉で書いています。画像はオリジナルのイメージです。誤りにお気づきの方は訂正窓口へ。

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