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🎙️ TEDの話し方から盗む10のワザ

1日1ワザ、1分で試せる。まずは「つかみ」から

やさしい⏱ 全部読むと約12分

30秒でわかる

できるようになること
TEDの話し手によく見られる10の話し方を、1つずつ1分で試せる形にまとめた。全部やらなくていい。1日1ワザで、次の発表が少しずつ変わる。
入試ではここに効く
英語の発表・スピーチの授業、推薦・総合型選抜の面接やプレゼン、英検の二次試験のような面接形式で、聞き手に伝わる話し方の土台になる。日本語の発表にもそのまま使える。
こんな人に
発表になると早口になる人、中身はあるのに伝わらないと感じている人に。

今日やること5分

練習にはこの1本

TEDを率いる人物が、人前で話すときの秘訣をテーマに語る8分ほどの話。10のワザを観察する入り口に向く。

▶ この動画でミッション

練習プレイヤーで開く →

やってみた例:英語の授業の発表をワザで直す

テーマは「好きな場所」。英語の授業でよくある発表を、10のワザのうち5つを使って直しました。英文は原田英語のオリジナルです。

ビフォー:よくある形

Hello. I'm going to talk about my favorite place. My favorite place is the library. The library is quiet. I like books. I go there every day. That's all. Thank you.

まちがいはありません。でも、情報が同じ調子で並ぶだけなので、聞き手の記憶に残りにくい形です。

アフター:ワザ1・2・3・4・10を使った形

Where do you go when you need to think?
(ワザ1 つかみ)考えごとをしたいとき、どこへ行きますか?
For me, it's the school library, because silence helps me think clearly.
(ワザ2 一文の核)私の場合は学校の図書館です。静けさがあると、頭がすっきり働くからです。
Last month, I had a big fight with a friend. I sat in the library for an hour, and I finally knew what to say to her.
(ワザ3 具体例)先月、友達と大げんかをしました。図書館に1時間すわっていたら、やっと何と言えばいいか分かりました。
(pause) Silence can be a good friend.
(ワザ4 間)(ここで1、2と止まってから)静けさは、よい友達になれます。
So this week, try ten quiet minutes in the library. You may find your answer, too.
(ワザ10 締め)だから今週、図書館で10分だけ静かに過ごしてみて。あなたも答えが見つかるかもしれません。
変えた所ビフォーアフター
始め方これから〜について話します質問で始める
言いたいこと好きな理由が並ぶだけ1文の核(静けさで頭が働く)
例毎日行く、という事実だけ1つの場面(けんかのあと)
話し方ずっと同じ速さ大事な1文の前で間を取る
終わり方That's all.聞き手にしてほしいことで締める

よくあるつまずき

人前に立つと頭が真っ白になる。
10のワザの多くは、話す前の準備で決まる。最初の1文(つかみ)と最後の1文(締め)だけは、完全に言えるまで練習しておこう。始まりと終わりが決まっていれば、途中で詰まっても戻ってこられる。
ユーモアなんて無理。笑わせる自信がない。
笑わせなくていい。いちばん使いやすいのは、自分の小さな失敗を軽く話すこと。相手を傷つけず、聞き手との距離が近くなる。
「えーと」「あのー」がたくさん出てしまう。
話している途中で迷うのは、だれにでもあること。減らしたいなら、「えーと」が出そうな所で、代わりに黙って1秒止まる練習をしよう。止まるほうが、落ち着いて聞こえる。
スライドに全部書いておかないと不安。
話す内容はメモ(手元の紙)に書き、スライドには1枚1つのことだけ置こう。スライドの文字が多いと、聞き手は読むほうに気を取られて話を聞かなくなる。
10個も覚えられない。
覚えなくていい。1回に1ワザだけ試す。まずはつかみ、次に締め。この2つだけでも発表の印象は大きく変わる。

もっとくわしく

気になる所だけ開けばOK。

なぜTEDから盗めるのか/10のワザ早見表初級

TEDの話し手は、生まれつき話がうまい人ばかりではありません。多くの話し手は、限られた時間で伝えるために、練習と組み立ての工夫を重ねています。だからこそ、その話し方にはまねできる型が見えてきます。

ここでは、TEDの話に広く見られる特徴を10個に整理しました。特定の話のセリフは扱いません。どのワザにも1分でできる盗み方をつけています。全部やる必要はなく、1日1ワザで十分です。

ワザひとことで1分練習
1 つかみ最初の30秒で引き込む質問で始める1文を作る
2 一文の核1文で言い切る自分の話を1文にする
3 具体例頭に絵を浮かべさせる例を1つ足す
4 間沈黙も話のうち大事な文の前で止まる
5 ユーモア緊張をほぐす自分の小さな失敗を1つ探す
6 スライド文字を減らす1枚を1メッセージにする
7 声強弱と速さを変える同じ文を3通りで読む
8 3つにまとめる3つで印象に残す要点を3つに束ねる
9 体と目線立ち位置と目線1人に向かって話す
10 締め行動か問いで終える最後の1文を作る
ミッションの④とセットで

サイトの基本のやり方「ミッション(5ステップ)」の④は「好きな30秒を声に出してまねる」です。そのとき、言葉だけでなく、間や強弱といった話し方のワザも1つ一緒にまねると、発表の練習にもなります。ミッションは入試コース30日から。

前半5つ:話の入り口と中身をつくる初級

ワザ1:つかみ

TEDの冒頭には、質問、体験談、意外な事実、笑いなど、聞き手の注意を引く仕掛けが置かれることが多くあります。あいさつや自己紹介から長く入るより、いきなり本題の入り口を見せるほうが、聞き手の集中を得やすいからです。

盗み方(1分):自分の発表テーマを、質問の形に直します。「〜を知っていますか」「〜だと思いませんか」のどちらかで大丈夫。英語なら Have you ever wondered why ...? の型が使えます。声に出して3回言えば完了。

ワザ2:一文の核

TEDの話には、全体を1文で言える「核」があることがよくあります。核が1文で言えない発表は、聞き手にも伝わりにくいものです。

盗み方(1分):自分の話を「つまり、〜ということです」の1文にします。60字以内に収まらなければ、話が広がりすぎています。英語なら The main point is that ... です。

ワザ3:具体例

抽象的な主張ばかり続くと、聞き手は途中で離れます。TEDの話し手は、主張のあとに体験談・身近な例・実演などを置いて、頭の中に絵を浮かべさせることが多いです。

盗み方(1分):自分の主張を1つ選び、直後に「たとえば」を付けて例を1つ足します。数字より、人や場面の描写のほうが記憶に残ります。英語なら For example, ... / Take my own case. のような入り方が便利です。

ワザ4:間(ま)

うまい話し手は、大事な文の前後で少し止まります。沈黙がこわいのは話し手だけで、聞き手にとっては考える時間になります。ずっと同じ速さで話し続けると、内容が流れていってしまいます。

盗み方(1分):発表の中でいちばん大事な1文に印をつけます。その直前に、心の中で「1、2」と数えてから話します。録音して聞くと、間の長さは思ったより短く感じるはずです。

ワザ5:ユーモア

TEDの話には、笑いで聞き手の緊張をほぐす例がよく見られます。でも、無理に笑わせる必要はありません。使いやすいのは、自分の失敗を軽く話すタイプです。相手を傷つけず、親しみが生まれます。

盗み方(1分):勉強や部活、仕事での小さな失敗を1つ思い出し、「実は私、〜でした」と1文で言えるようにします。それだけで、つかみの候補になります。

前半のワザで使える表現の型

Let me start with a question.
質問から始めさせてください。
The main point is that ...
要点は〜ということです。
For example, take my own case.
たとえば、私自身の場合です。
Let me pause here for a moment.
ここで少し間を置かせてください。
To be honest, I was terrible at this at first.
正直に言うと、最初はこれがひどく苦手でした。
後半5つ:見せ方と終わり方中級

ワザ6:スライド

TEDのスライドは、文字より画像や図が中心になることが多いです。スライドは説明の主役ではなく、話し手の話を助ける背景です。文字が多いと、聞き手は読むことに気を取られて、話を聞かなくなります。

盗み方(1分):手持ちの資料から1枚選び、文字を半分に減らします。残った文字が「その1枚で言いたい、ただ1つのこと」です。

ワザ7:声

声の速さ・強弱・高さの変化も、多くのことを伝えます。大事な所はゆっくり、強めたい語は強く。これを意識するだけで、同じ内容でも印象が変わります。

盗み方(1分):同じ1文を、①速く ②ゆっくり ③大事な語だけ強く、の3通りで読み、録音して聞き比べます。どれが伝わるか、すぐ分かります。

ワザ8:3つにまとめる

要点を3つにしぼると、聞き手は覚えやすく、話し手も整理しやすくなります。TEDに限らず、スピーチ全般で昔から使われている型です。ポイントが5つも6つもあるなら、3つにまとめられないか考えてみよう。

盗み方(1分):今の発表の要点を紙に全部書き、似たものを束ねて3つにします。英語なら First, / Second, / Finally, で並べると聞き取りやすくなります。

ワザ9:体と目線

立ち位置・身振り・目線は、言葉以外のメッセージです。TEDの話し手は、ステージを歩いたり、手で数を示したり、会場のいろいろな場所に目線を送ったりします。体が話に合わせて動くと、説得力が増します。

盗み方(1分):鏡かスマホの前で、1人の相手に向かって話すつもりで1分話します。次に、目線を3か所に順番に送ってもう1分。自分がどう見えているかが分かります。

ワザ10:締め

終わり方にも型があります。行動を呼びかける、最初の話に戻る、問いを残す。どれも聞き手の記憶に余韻を残す工夫です。「以上です、ありがとうございました」だけで終わると、せっかくの中身が薄れてしまいます。

盗み方(1分):最後の1文を、「あなたに1つお願いがあります」か「最初の質問に戻りましょう」で始めてみます。

後半のワザで使える表現の型

There are three things I'd like to share.
お伝えしたいことが3つあります。
First, ... Second, ... Finally, ...
1つ目は〜。2つ目は〜。最後に〜。
Look at this picture.
この写真を見てください。
So here is my ask for you.
そこで、あなたにお願いがあります。
Let's go back to where we started.
最初の話に戻りましょう。
どんな動画で観察する?初級

ワザは頭で理解するより、実際の話し手を観たほうが身につきます。観るときは、1回につき1つのワザだけに注目してください。つかみだけ、間だけ、のように絞ります。次の3本は、話し方そのものを観る入り口として使いやすい動画です。

ワザを観察する3本

TED✓ 視聴済20:04

学校は、創造性を殺しているのか?

Do schools kill creativity? | Sir Ken Robinson
笑って、そして少しドキッとする
▶ 2,501万回🇯🇵 日本語字幕★★☆ ふつう長編万バズ

1本目はTEDの型を笑いで扱った短い動画で、組み立て方を一歩引いて見られます。2本目は組み立てと問いかけで知られる有名なリーダー論、3本目は教育を語りながら笑いを織り込むことで知られる話です。中身を覚えるのではなく、話し方の仕掛けだけを見つけるつもりで観てください。

観るワザ観方のコツ
つかみ・締め最初と最後の30秒だけ観る
間・声英語字幕を消して、耳だけで止まる所を探す
体と目線音を消して1分観る
3つにまとめるFirst / Second のような数の言葉が出る所をメモする

8つの見どころで1本を分けて観る方法は、TEDを話し方の教科書にするにまとめています。

緊張と「えーと」とのつきあい方中級

発表で緊張するのは、ごく自然なことです。緊張をゼロにするより、緊張していても進められる準備をしておくほうが現実的です。

  • 最初の1文と最後の1文は、メモを見ずに言えるまで練習しておく(始まりと終わりが決まっていれば、途中で詰まっても戻れる)
  • メモは各まとまりのキーワード1〜2語だけにする(全文を書くと、読み上げになる)
  • 本番と同じ立ち方で、声に出して通しで2回以上練習する
  • 話し始める前に1回ゆっくり息をはいてから、最初の1文を言う
  • 言葉に詰まったら、「えーと」の代わりに黙って1秒止まる

「えーと」「あのー」のような言葉は、だれの話にも出てくるものです。なぜ出るのかを扱ったTED-Edの短い動画もあります(題名のとおり、話すときにためらう言葉がテーマ)。ゼロにしようとするより、大事な1文の前だけは止まって言うくらいの目標で十分です。

もっと多くの話し方の技術を知りたい人には、話し方の技術そのものを数多く紹介するTEDxの話もあります。ただし技術は1回に1つ。たくさん知るより、1つを使えるようにするほうが発表は変わります。

言いよどみと話し方の技術を考える2本

TED-Ed✓ 視聴済5:34

「えーと」「あのー」はなぜ出る?

Why do we, like, hesitate when we, um, speak? - Lorenzo García-Amaya
言いよどみは、悪者じゃない
▶ 283万回日本語字幕 未確認★★☆ ふつう
英語の面接形式でも同じ

英検の二次試験のような面接形式でも、すぐに答えが出ないことはあります。そんなときは黙りこむより、Let me think. と一言いってから、言いたいこと1文→理由1文の順で答えると落ち着いて話せます。

10のワザを1週間で回す中級

10個を一度にやると混乱します。発表の1週間前から、次のように分けると負担が軽くなります。

  1. 月・火:入り口(ワザ1・2)各3分

    つかみと一文の核を、自分の発表テーマで作る。ここまでできれば、発表の骨組みは半分完成。

  2. 水・木:中身(ワザ3・4・8)各5分

    具体例、間、3つにまとめる。中身を固める日。録音して聞き返すのがおすすめ。

  3. 金:見せ方(ワザ5・6・7・9)10分

    ユーモア、スライド、声、体を確認する。最後はだれかに聞いてもらえると最高。

  4. 土日:締めと通し(ワザ10)10分

    締めの1文を作り、1分版を通して話す。これで自分の発表が1本できあがる。

今週のワザチェック

1分版の作り方は、自分の英語スピーチを作るでくわしく説明しています。日本語の発表や、ふだんの説明にもそのまま使えます。

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