TED✓ 視聴済7:57🎙️ TEDの話し方から盗む10のワザ
1日1ワザ、1分で試せる。まずは「つかみ」から
30秒でわかる
- できるようになること
- TEDの話し手によく見られる10の話し方を、1つずつ1分で試せる形にまとめた。全部やらなくていい。1日1ワザで、次の発表が少しずつ変わる。
- 入試ではここに効く
- 英語の発表・スピーチの授業、推薦・総合型選抜の面接やプレゼン、英検の二次試験のような面接形式で、聞き手に伝わる話し方の土台になる。日本語の発表にもそのまま使える。
- こんな人に
- 発表になると早口になる人、中身はあるのに伝わらないと感じている人に。
今日やること5分
TED✓ 視聴済7:57TEDを率いる人物が、人前で話すときの秘訣をテーマに語る8分ほどの話。10のワザを観察する入り口に向く。
▶ この動画でミッションやってみた例:英語の授業の発表をワザで直す
テーマは「好きな場所」。英語の授業でよくある発表を、10のワザのうち5つを使って直しました。英文は原田英語のオリジナルです。
Hello. I'm going to talk about my favorite place. My favorite place is the library. The library is quiet. I like books. I go there every day. That's all. Thank you.
まちがいはありません。でも、情報が同じ調子で並ぶだけなので、聞き手の記憶に残りにくい形です。
アフター:ワザ1・2・3・4・10を使った形
| 変えた所 | ビフォー | アフター |
|---|---|---|
| 始め方 | これから〜について話します | 質問で始める |
| 言いたいこと | 好きな理由が並ぶだけ | 1文の核(静けさで頭が働く) |
| 例 | 毎日行く、という事実だけ | 1つの場面(けんかのあと) |
| 話し方 | ずっと同じ速さ | 大事な1文の前で間を取る |
| 終わり方 | That's all. | 聞き手にしてほしいことで締める |
よくあるつまずき
人前に立つと頭が真っ白になる。
ユーモアなんて無理。笑わせる自信がない。
「えーと」「あのー」がたくさん出てしまう。
スライドに全部書いておかないと不安。
10個も覚えられない。
もっとくわしく
気になる所だけ開けばOK。
なぜTEDから盗めるのか/10のワザ早見表初級
TEDの話し手は、生まれつき話がうまい人ばかりではありません。多くの話し手は、限られた時間で伝えるために、練習と組み立ての工夫を重ねています。だからこそ、その話し方にはまねできる型が見えてきます。
ここでは、TEDの話に広く見られる特徴を10個に整理しました。特定の話のセリフは扱いません。どのワザにも1分でできる盗み方をつけています。全部やる必要はなく、1日1ワザで十分です。
| ワザ | ひとことで | 1分練習 |
|---|---|---|
| 1 つかみ | 最初の30秒で引き込む | 質問で始める1文を作る |
| 2 一文の核 | 1文で言い切る | 自分の話を1文にする |
| 3 具体例 | 頭に絵を浮かべさせる | 例を1つ足す |
| 4 間 | 沈黙も話のうち | 大事な文の前で止まる |
| 5 ユーモア | 緊張をほぐす | 自分の小さな失敗を1つ探す |
| 6 スライド | 文字を減らす | 1枚を1メッセージにする |
| 7 声 | 強弱と速さを変える | 同じ文を3通りで読む |
| 8 3つにまとめる | 3つで印象に残す | 要点を3つに束ねる |
| 9 体と目線 | 立ち位置と目線 | 1人に向かって話す |
| 10 締め | 行動か問いで終える | 最後の1文を作る |
サイトの基本のやり方「ミッション(5ステップ)」の④は「好きな30秒を声に出してまねる」です。そのとき、言葉だけでなく、間や強弱といった話し方のワザも1つ一緒にまねると、発表の練習にもなります。ミッションは入試コース30日から。
前半5つ:話の入り口と中身をつくる初級
ワザ1:つかみ
TEDの冒頭には、質問、体験談、意外な事実、笑いなど、聞き手の注意を引く仕掛けが置かれることが多くあります。あいさつや自己紹介から長く入るより、いきなり本題の入り口を見せるほうが、聞き手の集中を得やすいからです。
盗み方(1分):自分の発表テーマを、質問の形に直します。「〜を知っていますか」「〜だと思いませんか」のどちらかで大丈夫。英語なら Have you ever wondered why ...? の型が使えます。声に出して3回言えば完了。
ワザ2:一文の核
TEDの話には、全体を1文で言える「核」があることがよくあります。核が1文で言えない発表は、聞き手にも伝わりにくいものです。
盗み方(1分):自分の話を「つまり、〜ということです」の1文にします。60字以内に収まらなければ、話が広がりすぎています。英語なら The main point is that ... です。
ワザ3:具体例
抽象的な主張ばかり続くと、聞き手は途中で離れます。TEDの話し手は、主張のあとに体験談・身近な例・実演などを置いて、頭の中に絵を浮かべさせることが多いです。
盗み方(1分):自分の主張を1つ選び、直後に「たとえば」を付けて例を1つ足します。数字より、人や場面の描写のほうが記憶に残ります。英語なら For example, ... / Take my own case. のような入り方が便利です。
ワザ4:間(ま)
うまい話し手は、大事な文の前後で少し止まります。沈黙がこわいのは話し手だけで、聞き手にとっては考える時間になります。ずっと同じ速さで話し続けると、内容が流れていってしまいます。
盗み方(1分):発表の中でいちばん大事な1文に印をつけます。その直前に、心の中で「1、2」と数えてから話します。録音して聞くと、間の長さは思ったより短く感じるはずです。
ワザ5:ユーモア
TEDの話には、笑いで聞き手の緊張をほぐす例がよく見られます。でも、無理に笑わせる必要はありません。使いやすいのは、自分の失敗を軽く話すタイプです。相手を傷つけず、親しみが生まれます。
盗み方(1分):勉強や部活、仕事での小さな失敗を1つ思い出し、「実は私、〜でした」と1文で言えるようにします。それだけで、つかみの候補になります。
前半のワザで使える表現の型
後半5つ:見せ方と終わり方中級
ワザ6:スライド
TEDのスライドは、文字より画像や図が中心になることが多いです。スライドは説明の主役ではなく、話し手の話を助ける背景です。文字が多いと、聞き手は読むことに気を取られて、話を聞かなくなります。
盗み方(1分):手持ちの資料から1枚選び、文字を半分に減らします。残った文字が「その1枚で言いたい、ただ1つのこと」です。
ワザ7:声
声の速さ・強弱・高さの変化も、多くのことを伝えます。大事な所はゆっくり、強めたい語は強く。これを意識するだけで、同じ内容でも印象が変わります。
盗み方(1分):同じ1文を、①速く ②ゆっくり ③大事な語だけ強く、の3通りで読み、録音して聞き比べます。どれが伝わるか、すぐ分かります。
ワザ8:3つにまとめる
要点を3つにしぼると、聞き手は覚えやすく、話し手も整理しやすくなります。TEDに限らず、スピーチ全般で昔から使われている型です。ポイントが5つも6つもあるなら、3つにまとめられないか考えてみよう。
盗み方(1分):今の発表の要点を紙に全部書き、似たものを束ねて3つにします。英語なら First, / Second, / Finally, で並べると聞き取りやすくなります。
ワザ9:体と目線
立ち位置・身振り・目線は、言葉以外のメッセージです。TEDの話し手は、ステージを歩いたり、手で数を示したり、会場のいろいろな場所に目線を送ったりします。体が話に合わせて動くと、説得力が増します。
盗み方(1分):鏡かスマホの前で、1人の相手に向かって話すつもりで1分話します。次に、目線を3か所に順番に送ってもう1分。自分がどう見えているかが分かります。
ワザ10:締め
終わり方にも型があります。行動を呼びかける、最初の話に戻る、問いを残す。どれも聞き手の記憶に余韻を残す工夫です。「以上です、ありがとうございました」だけで終わると、せっかくの中身が薄れてしまいます。
盗み方(1分):最後の1文を、「あなたに1つお願いがあります」か「最初の質問に戻りましょう」で始めてみます。
後半のワザで使える表現の型
どんな動画で観察する?初級
ワザは頭で理解するより、実際の話し手を観たほうが身につきます。観るときは、1回につき1つのワザだけに注目してください。つかみだけ、間だけ、のように絞ります。次の3本は、話し方そのものを観る入り口として使いやすい動画です。
ワザを観察する3本
TEDx✓ 視聴済5:56中身がなくても賢く見える?TEDトークのお約束を笑う
TED✓ 視聴済18:35人を動かすリーダーは「なぜ」から始める
TED✓ 視聴済20:04学校は、創造性を殺しているのか?
1本目はTEDの型を笑いで扱った短い動画で、組み立て方を一歩引いて見られます。2本目は組み立てと問いかけで知られる有名なリーダー論、3本目は教育を語りながら笑いを織り込むことで知られる話です。中身を覚えるのではなく、話し方の仕掛けだけを見つけるつもりで観てください。
| 観るワザ | 観方のコツ |
|---|---|
| つかみ・締め | 最初と最後の30秒だけ観る |
| 間・声 | 英語字幕を消して、耳だけで止まる所を探す |
| 体と目線 | 音を消して1分観る |
| 3つにまとめる | First / Second のような数の言葉が出る所をメモする |
8つの見どころで1本を分けて観る方法は、TEDを話し方の教科書にするにまとめています。
緊張と「えーと」とのつきあい方中級
発表で緊張するのは、ごく自然なことです。緊張をゼロにするより、緊張していても進められる準備をしておくほうが現実的です。
- 最初の1文と最後の1文は、メモを見ずに言えるまで練習しておく(始まりと終わりが決まっていれば、途中で詰まっても戻れる)
- メモは各まとまりのキーワード1〜2語だけにする(全文を書くと、読み上げになる)
- 本番と同じ立ち方で、声に出して通しで2回以上練習する
- 話し始める前に1回ゆっくり息をはいてから、最初の1文を言う
- 言葉に詰まったら、「えーと」の代わりに黙って1秒止まる
「えーと」「あのー」のような言葉は、だれの話にも出てくるものです。なぜ出るのかを扱ったTED-Edの短い動画もあります(題名のとおり、話すときにためらう言葉がテーマ)。ゼロにしようとするより、大事な1文の前だけは止まって言うくらいの目標で十分です。
もっと多くの話し方の技術を知りたい人には、話し方の技術そのものを数多く紹介するTEDxの話もあります。ただし技術は1回に1つ。たくさん知るより、1つを使えるようにするほうが発表は変わります。
言いよどみと話し方の技術を考える2本
TED-Ed✓ 視聴済5:34「えーと」「あのー」はなぜ出る?
TEDx✓ 視聴済16:52話し方の技術は110個ある?伝わる話し手の秘密
英検の二次試験のような面接形式でも、すぐに答えが出ないことはあります。そんなときは黙りこむより、Let me think. と一言いってから、言いたいこと1文→理由1文の順で答えると落ち着いて話せます。
10のワザを1週間で回す中級
10個を一度にやると混乱します。発表の1週間前から、次のように分けると負担が軽くなります。
- 月・火:入り口(ワザ1・2)各3分
つかみと一文の核を、自分の発表テーマで作る。ここまでできれば、発表の骨組みは半分完成。
- 水・木:中身(ワザ3・4・8)各5分
具体例、間、3つにまとめる。中身を固める日。録音して聞き返すのがおすすめ。
- 金:見せ方(ワザ5・6・7・9)10分
ユーモア、スライド、声、体を確認する。最後はだれかに聞いてもらえると最高。
- 土日:締めと通し(ワザ10)10分
締めの1文を作り、1分版を通して話す。これで自分の発表が1本できあがる。
1分版の作り方は、自分の英語スピーチを作るでくわしく説明しています。日本語の発表や、ふだんの説明にもそのまま使えます。