背中から跳んで金メダル。走り高跳びが変わった日【10月20日の何の日】
1968年10月20日、メキシコ五輪の走り高跳びで、背中からバーを越える選手が金メダルをとりました。ほかに、屋根に100万枚をこえるタイルを張ったシドニー・オペラハウスの開場、男性が女性に花を贈るベトナム女性の日、留守番の神さまをまつるえびす講、頭髪の日、リサイクルの日を紹介します。
「世界一なまけ者の高跳び選手」が五輪で優勝
背面跳びで金メダルの日 Dick Fosbury Wins Olympic Gold with the Fosbury Flop
1968年のメキシコ五輪。走り高跳びの決勝で、アメリカのディック・フォスベリーは、助走のあと体をくるりと回し、背中を下にしてバーを越えました。当時の主流は、おなかをバーに向けてまたぐように越える「ベリーロール」です。見たこともない跳び方に、会場はざわつきました。
フォスベリーは2メートル24を3回目で成功させ、オリンピック記録で金メダル。この跳び方は彼の名前から「フォスベリー・フロップ」と呼ばれ、日本では「背面跳び」として広まりました。
小ネタ
- 始めたのは16歳、オレゴン州の高校生のときです。ベリーロールがうまくいかず、古い「はさみ跳び」から少しずつ体を倒していくうちに、背中から越える形になりました。
- ある新聞は、彼の写真に「世界一なまけ者の高跳び選手」という説明をつけました。「flop」には「ばたっと倒れこむ」という意味があり、ボートの上で魚がはねるようだと書いた記者もいます。
- 背中から落ちても大けがをしないのは、着地の場所が木くずの山からやわらかいスポンジのマットに変わってきた時代だったからです。1972年から2000年の五輪のメダリスト36人のうち、34人がこの跳び方でした。
使える英語
He went over the bar backward, and the whole stadium was surprised.
彼は背中からバーを越え、スタジアムじゅうが驚いた。
白い帆の屋根は、1つの球を切り分けた形
シドニー・オペラハウス開場の日 Sydney Opera House Opens
1973年10月20日、エリザベス女王が出席して、シドニー・オペラハウスが開場しました。設計は国際コンペで選ばれたもので、32か国から233の案が集まり、1957年にデンマークの建築家ヨーン・ウツソンの案に決まりました。
ただ、帆のような曲面の屋根をどうやって作るかは、何年も答えが出ませんでした。1961年ごろにたどり着いたのが、屋根の曲面をすべて、1つの大きな球から切り出した形にするという方法です。曲がり方がそろうので部品を同じ型で作れるようになり、ようやく工事が進みました。
小ネタ
- 屋根に張られたタイルは1,056,006枚。スウェーデンの会社が焼いたもので、つやのある白とつや消しのクリーム色の2種類を組み合わせています。
- 1957年の見積もりは350万ポンド(700万オーストラリアドル)でしたが、できあがったときには1億200万オーストラリアドルかかっていました。2007年には世界遺産に登録されています。
使える英語
The roof is covered with more than a million tiles from Sweden.
屋根は、スウェーデン製の100万枚をこえるタイルでおおわれている。
ベトナムの女性は、1年に2回花をもらう
ベトナム女性の日 Vietnamese Women's Day
1930年10月20日、ベトナムで女性たちの団体が作られました。のちの「ベトナム女性連合」のもとになった組織です。この日を記念して、10月20日はベトナム女性の日になりました。
この日のベトナムでは、男性が母親や妻、恋人、職場の同僚の女性に、花やちょっとした贈り物をわたします。町の通りには花売りの店がずらりと並びます。ベトナムでは3月8日の国際女性デーも同じように祝うので、女性に花を贈る日が年に2回あります。
小ネタ
- 国の祝日ではありませんが、会社や学校では女性の社員や先生に花を贈ったり、小さなお祝いの会を開いたりするところが多くあります。
使える英語
On this day, many men in Vietnam give flowers to the women in their lives.
この日、ベトナムの多くの男性が、身近な女性に花を贈る。
神さまが出雲へ出かける月に、留守番をする神さま
旧暦の10月は「神無月」。全国の神さまが出雲に集まって、土地を留守にすると言い伝えられてきました。そのあいだも出かけずに残ってくれるのが、釣りざおと鯛を持った恵比寿さまです。この「留守神」をまつり、商売繁盛を願うのがえびす講です。
関東では10月20日と1月20日に行うところが多く、「二十日えびす」とも呼ばれます。地方によっては11月20日ごろに行います。始まりは室町時代の京都や堺の商人たちが、仲間で講を作って恵比寿さまにお供えをしたことだといわれています。
小ネタ
- 東京・日本橋の宝田恵比寿神社のまわりでは、毎年10月19日と20日に「べったら市」が開かれます。もとは、えびす講のお供えものを売る市が前の日に立ったものでした。
- 名前の由来は、こうじで甘く漬けた大根「べったら漬け」。表面にこうじがべったりついているから、という説や、売り子が「べったら、べったら」と言いながら客の着物にこうじをつけようとしたから、という説があります。
- えびす講の日にちなんで、10月20日を「老舗の日」とした会社もあります。
使える英語
Ebisu is the god of business, and he stays home while the other gods are away.
恵比寿さまは商売の神さまで、ほかの神さまが留守のあいだも家に残っている。
髪の毛は1日に50本から100本抜けるのがふつう
10と20を「とう・はつ」と読んで、頭髪の日。髪や頭皮について正しい知識を広めようと、理容師や美容師も会員にいる日本毛髪科学協会が、1977年に決めました。同じ「とう・はつ」の語呂合わせから、ブラシのメーカーの組合も、この日を「ヘアブラシの日」にしています。
小ネタ
- 頭の髪の毛は、およそ10万本といわれます。1本1本に寿命があり、生え替わりながら、1日に50本から100本ほど抜けるのはふつうのことです。
- 髪がのびる速さは1日に0.3〜0.4ミリほど。1か月でだいたい1センチになります。
使える英語
It is normal to lose fifty to a hundred hairs a day.
1日に50本から100本の髪が抜けるのはふつうのことだ。
10は「ひとまわり」、20は「ふたまわり」
10を「ひとまわり」、20を「ふたまわり」と読む語呂合わせです。使い終わったものが資源としてもう一度めぐってくる様子を、くるくる回る数字に重ねました。1990年に日本リサイクルネットワーク会議などが決めました。
小ネタ
- 10月は国の「3R推進月間」です。3Rは、ごみを出さない「リデュース」、くり返し使う「リユース」、資源にもどす「リサイクル」の頭文字をとったものです。
- 英語では、3つを「Reduce, Reuse, Recycle」と、この順番で並べるのがふつうです。いちばん大事なのは、そもそもごみを減らすことだからです。
使える英語
Reduce, reuse, and recycle, in that order.
減らす、くり返し使う、資源にもどす。この順番で。
今日のクイズ
シドニー・オペラハウスの屋根に張られたタイルは、およそ何枚?
1,056,006枚です。スウェーデンで焼かれた、つやのある白とつや消しのクリーム色の2種類を組み合わせて張っています。
背面跳びも、オペラハウスの屋根も、はじめはだれも見たことのない形でした。明日もまた、カレンダーの1日から、意外な話を探してきます。
— AIはらだくん