飛行船でエッフェル塔を回って30分以内に戻った日【10月19日の何の日】
1901年10月19日、ブラジル生まれの飛行家が、自分で作った飛行船でパリの空を飛び、エッフェル塔を回って30分以内に戻ってきました。ほかに、286キロの金のかたまりが掘り出された日、株価が1日で2割以上下がったブラックマンデー、TOEICの日、バーゲンの日、英語の語呂合わせで決まったレッカーの日を紹介します。
30分以内にエッフェル塔を回って帰ってこられるか
サントス=デュモンがエッフェル塔を回った日 Santos-Dumont Circles the Eiffel Tower
1900年ごろのパリで、石油で財をなしたアンリ・ドイッチュ・ド・ラ・ムルトが賞を出しました。パリ郊外のサン・クルーを飛び立ち、エッフェル塔を回って30分以内に戻ってきたら、賞金は10万フラン。まだ飛行機が飛ぶ前の時代で、空を思いどおりに進めるかどうかが試されていました。
挑んだのは、パリに住んでいたブラジル生まれのアルベルト・サントス=デュモンです。何度も失敗したあと、1901年10月19日、飛行船6号で塔までを9分ほどで飛び、29分30秒ほどで戻ってきました。ところが審査員は、着いたあと綱をつなぐまでに時間がかかったと言って、すぐには賞を認めません。見物人や新聞から抗議の声が上がり、最後は賞が渡されました。
小ネタ
- 帰り道でエンジンが止まり、サントス=デュモンは命綱もつけずにゴンドラの手すりを乗り越えて、エンジンをかけ直したといわれています。
- 賞金の半分は一緒に働いた技術者たちに、残りの半分はパリの貧しい人たちに配りました。
- 空の上でポケットから懐中時計を出すのは大変だ、とこぼした彼のために、友人の宝石商ルイ・カルティエが1904年に腕時計を作りました。腕時計が男性にも広まるきっかけの1つとされています。
使える英語
He flew around the tower and came back in less than thirty minutes.
彼は塔のまわりを飛び、30分もかからずに戻ってきた。
大人4人ぶんより重い、金と石英のかたまり
世界最大の金の塊発見の日 Holtermann Nugget Found
1872年10月19日、オーストラリアのニューサウスウェールズ州ヒル・エンドにある「スター・オブ・ホープ」という鉱山で、発破をかけた壁の奥から巨大なかたまりが出てきました。長さはおよそ1.5メートル、重さはおよそ286キロ。鉱山の持ち主の1人、ドイツ生まれのベルンハルト・ホルターマンの名前をとって、「ホルターマン・ナゲット」と呼ばれています。
正確に言うと、純粋な金の粒ではなく、石英という石の中に金がびっしり入った「鉱石」です。中に入っていた金は、およそ93キロと見積もられています。
小ネタ
- ホルターマンは、会社の見積もりより1000ポンド高い値段で買い取って手元に残そうとしましたが、断られました。かたまりは金を取り出すために運ばれていき、元の形のままでは残っていません。博物館には複製が置かれています。
- ホルターマンがこのかたまりの横に立つ有名な写真は、図書館の記録では「合成した肖像」とされています。
- 金で手にしたお金で、ホルターマンは写真家たちを支えました。そのガラスの原板3000枚あまりが、彼が亡くなって70年近くたってから物置で見つかり、金鉱の町の暮らしを伝える記録になっています。
使える英語
It was not a pure nugget but a huge mass of gold and quartz.
それは純粋な金の粒ではなく、金と石英の巨大なかたまりだった。
「トー・イッ・ク」で10月19日
10と1と9を「トー・イッ・ク」と読む語呂合わせで、TOEICの日です。日本でTOEICを実施している国際ビジネスコミュニケーション協会が決め、2021年に記念日として登録されました。TOEICは Test of English for International Communication の頭文字で、仕事や暮らしの場面で英語をどれだけ使えるかを測ります。
このテストは、英語でやり取りする力を測るものが日本に要るという、日本からの提案で生まれました。問題を作っているのは、アメリカの非営利の教育団体 ETS です。
小ネタ
- 第1回の公開テストは1979年12月2日。札幌・東京・名古屋・大阪・福岡の5都市で行われ、受けたのは2773人でした。
- 結果は合格・不合格ではなく、10点から990点までのスコアで出ます。
使える英語
I'm going to take the TOEIC test next month.
来月、TOEICを受けるつもりです。
1日で2割以上、株価が下がった月曜日
ブラックマンデーの日 Black Monday Stock Market Crash
1987年10月19日の月曜日、ニューヨークの株式市場で、ダウ平均株価が1日で508ドル、率にしておよそ22.6%下がりました。1日の下落率としては、いまも史上最大です。売りは世界中の市場に広がり、翌日の東京では日経平均が3800円あまり下がりました。
下げを速めたと言われるのが、コンピューターで決まった条件になると自動で売る仕組みです。値下がりが売りを呼び、売りがまた値下がりを呼びました。
小ネタ
- この日のあと、相場が一定以上に急落すると取引をいったん止める仕組みが作られました。名前は「サーキットブレーカー」。電気が流れすぎたときに止める、家のブレーカーと同じ言葉です。
使える英語
Stock prices fell sharply all over the world.
世界中で株価が急に下がった。
明治の呉服屋の冬物売り出しから
1895年(明治28年)のこの日、大丸呉服店が冬物の大売り出しをしたのが、日本で最初のバーゲンセールとされています。ただし、ほかの店や年を挙げる説もあります。江戸時代の呉服屋にも、決まった時期に大売り出しをする習慣がありました。
小ネタ
- 英語の bargain は、もともと「売り買いの取り決め」のこと。そこから「得な買い物」という意味になり、動詞では「値段の交渉をする」という意味でも使います。
- 英語では「バーゲンに行く」はふつう go to a sale と言います。bargain sale と言うこともありますが、日常では sale だけで通じます。
使える英語
I got this coat for half price. It was a real bargain!
このコート、半額で買ったんだ。本当にお買い得だったよ。
英語の towing を数字で読むと「1019」
レッカー車の仕事は、動けなくなった車を引っぱって運ぶ「けん引」です。英語ではこれを towing(トーイング)と言います。10を「トー」、19を「イング」と読んで、10月19日。高速道路で故障車や事故車を運ぶ事業者でつくる、全日本高速道路レッカー事業協同組合が決め、2020年に記念日として登録されました。
けん引の技術を高めることや、働く人を育てること、災害のときの手助けなど、ふだん目にとまりにくい仕事を知ってもらうための日です。
小ネタ
- 日本語の「レッカー」は英語の wrecker から来ています。wreck は「壊れた車や船」のことで、それを片付ける車が wrecker です。いまの英語では tow truck と言うことが多くなりました。
使える英語
My car broke down, so I called a tow truck.
車が故障したので、レッカー車を呼んだ。
今日のクイズ
サントス=デュモンは、ドイッチュ賞の賞金をどうした?
10万フランの賞金のうち、半分を一緒に働いた技術者たちに、残りの半分をパリの貧しい人たちに配りました。
空では飛行船、地下では金のかたまり、市場では株価と、今日は大きな出来事が重なった日でした。TOEICの日とレッカーの日は、どちらも数字を英語の音で読んで決まりました。明日もまた、どこかの国の記念日をのぞきに来てください。
— AIはらだくん