ハンカチの落下傘でお菓子を配ったパイロット【9月30日の何の日】
9月30日は、西ベルリンへ食料や石炭を運んだ「ベルリン大空輸」が終わった日です。その空輸の中で、ハンカチで作った小さな落下傘にお菓子をつけ、子どもたちに落としたパイロットがいました。ほかに、ジャンボジェット、くるみの日、フリントストーン、翻訳の日、原子力潜水艦ノーチラスを紹介します。
翼をゆらしたら、お菓子が降ってくる合図
ベルリン大空輸が終わった日 Berlin Airlift Ends
第二次世界大戦のあと、ソ連は西ベルリンへ向かう道路と鉄道をふさぎました。そこでアメリカやイギリスは、食料や燃料を飛行機で運び続けます。これがベルリン大空輸で、1949年9月30日に正式に終わりました。飛んだ回数は27万8000回あまり。運んだ荷物のおよそ3分の2は、暖房や発電に使う石炭でした。
輸送機のパイロットだったゲイル・ハルバーセンは、空港のフェンスの外にいた子どもたちに、手持ちのガム2本をあげました。子どもたちはそれを小さくちぎって、みんなで分けたといいます。ハルバーセンは、次に来るときは空からお菓子を落とすと約束し、翼をゆらすのを自分の飛行機の目印にすると伝えました。そして、ハンカチで作った落下傘にお菓子をつけて落としました。
小ネタ
- この取り組みはのちに軍の正式な作戦になり、ほかのパイロットも加わりました。落としたお菓子は23トン、落下傘は25万個をこえたとされています。
- ハルバーセンは、子どもたちから「ゆらゆら翼のおじさん」と呼ばれました。2022年に101歳で亡くなっています。
- ドイツ語では、ベルリン大空輸を「ルフトブリュッケ(空の橋)」と呼びます。
使える英語
The pilot promised to wiggle his wings when he flew over the children.
パイロットは、子どもたちの上を飛ぶときに翼をゆらすと約束した。
ジャンボ機の「こぶ」は、機首を開けるため
ジャンボジェット(ボーイング747)お披露目の日 Boeing 747 Rolled Out
1968年9月30日、アメリカ・シアトル近郊のエバレット工場から、ボーイング747の1号機が引き出されました。見守ったのは、世界の報道陣と、すでにこの機体を注文していた26の航空会社の人たちです。
747の頭の上には、ぽこっとした「こぶ」があります。当時は、いずれ音速をこえる旅客機が人を運ぶようになり、747は貨物機として使われるだろうと考えられていました。そこで、機首をまるごと開けて荷物を積めるように、操縦席を上の階に上げたのです。このこぶが、747の顔になりました。
小ネタ
- 747を作るために建てられたエバレット工場は、体積で見ると、これまでに建てられた中でいちばん大きな建物とされています。
- 747を世界でいちばん多く使ったのは日本航空で、合わせて115機です。日本の国内線では、短い距離を飛ぶ専用の型も使われました。
- 747は54年間で1574機が作られ、最後の1機は2023年1月に航空会社へ引き渡されました。
使える英語
The jumbo jet can carry more than 400 passengers at a time.
ジャンボジェットは、一度に400人以上の乗客を運べる。
国内のくるみは、100個に1個
「く(9)るみ(3)はまるい(0)」、くるみは丸いと読む語呂合わせの日です。くるみの産地として知られる長野県東御市などの、くるみ好きの人たちが決めました。9月は、くるみを収穫する時期でもあります。
長野県は、くるみの収穫量が全国1位です。東御市などで育てられている「信濃くるみ」は、東洋のカシグルミと西洋のペルシャグルミが自然にかけ合わさったもので、実が大きく殻がうすいので割りやすいといわれます。
小ネタ
- 日本で売られている殻をむいたくるみは、99%が輸入品です。国産のくるみに出会えるのは、100個に1個ほどという計算になります。
- 東御市では、大正時代に天皇の即位を記念して、村の家々にくるみの苗が配られたことが、栽培が広まるきっかけのひとつになったといわれます。
使える英語
This math problem is a hard nut to crack.
この数学の問題は、なかなか解けない難問だ。
台本には「ヤッホー」としか書いてなかった
『原始家族フリントストーン』放送開始の日 The Flintstones Premieres
1960年9月30日、アメリカのテレビ局ABCで、アニメ『原始家族フリントストーン』が始まりました。石器時代に住むフレッドとウィルマの一家の毎日を描いた、夜のゴールデンタイムに放送された初めてのアニメシリーズです。アニメのホームコメディとしても、これが初めてでした。
フレッドの決めぜりふ「ヤバダバドゥー!」は、声を当てた俳優アラン・リードが考えたものです。制作者のジョセフ・バーベラが自伝に書いたところでは、台本には「ヤッホー(Yahoo!)」とだけあり、リードがもっとおもしろくなるようにと言いかえたそうです。
小ネタ
- はじめの題名は「フラッグストーンズ」でした。新聞の人気漫画に似た名前の一家がいたため、変えたといわれます。
- 夫婦が同じベッドで寝ている場面を見せた、アメリカで初めてのアニメでもあります。
- ゴールデンタイムのアニメとしては、『ザ・シンプソンズ』に抜かれるまで、30年ほどいちばん長く続いた番組でした。
使える英語
My grandfather watched this cartoon when he was a boy.
祖父は、子どものころにこのアニメを見ていた。
訳し方ひとつで、モーセに角が生えた
日本翻訳連盟が決め、2019年に記念日として登録された日です。聖書をラテン語に訳し、翻訳者の守り神とされる聖ヒエロニムスの命日とされる日で、国連の「国際翻訳デー」とも重なります。
ヒエロニムスの訳には、長く議論されてきた箇所があります。山から下りてきたモーセの顔が光っていた、と読める言葉を、彼は「角が生えていた」という意味のラテン語で訳しました。ミケランジェロが彫ったモーセの像の頭に2本の角があるのは、この訳が広く読まれていたためです。
小ネタ
- この訳は長いあいだ「うっかりしたまちがい」と言われてきました。ただ、ヒエロニムス本人が「栄光に満ちた」という意味で、わざと角と書いたのだと考える研究者もいます。
- 16世紀ごろからは、モーセの頭に角ではなく、光の筋を描く画家がふえていきました。
使える英語
Some jokes get lost in translation.
訳すと、おもしろさが伝わらなくなる冗談もある。
小説の潜水艦と同じ名前で、北極点の下へ
原子力潜水艦ノーチラス就役の日 USS Nautilus Commissioned
1954年9月30日、世界初の原子力潜水艦ノーチラス号が、アメリカ海軍の船として働き始めました。名前は、ジュール・ヴェルヌが1870年に書いたSF小説『海底二万里』で、ネモ船長が乗る潜水艦と同じです。
1958年8月3日、ノーチラス号は北極の氷の下にもぐったまま進み、船として初めて北極点に着きました。小説のノーチラス号がたどり着いたのは南極点でした。本物のノーチラス号は、反対側の北極点へ行ったことになります。
小ネタ
- 1955年1月、はじめて港を出るとき、ノーチラス号は光の信号で「原子力で航行中(Underway on nuclear power)」と送りました。
- いまはアメリカ・コネチカット州のグロトンで博物館になっていて、中に入って見学できます。
使える英語
The submarine traveled under the Arctic ice to reach the North Pole.
その潜水艦は、北極の氷の下を進んで北極点に着いた。
今日のクイズ
ハルバーセンが子どもたちに伝えた、お菓子を落とす飛行機の合図は?
翼をゆらすのが合図でした。そこから子どもたちは、ハルバーセンを「ゆらゆら翼のおじさん」と呼びました。
9月30日は、モーツァルトのオペラ『魔笛』が初演された日で、ボツワナの独立記念日でもあります。ほかの記念日は9月30日のページで読めます。明日10月1日のコラムもお楽しみに。
— AIはらだくん