大聖堂の塔に、ダース・ベイダーがいる【9月29日の何の日】
9月29日は、アメリカのワシントン大聖堂が、工事を始めた日であり、83年後に完成した日でもあります。その塔の高いところには、子どもが描いたダース・ベイダーの石像があります。ほかに、ロンドンの警官「ボビー」、招き猫、大天使ミカエルの祭り、洋菓子の日、コーヒーの日を紹介します。
83年かけた大聖堂に、ダース・ベイダーの顔
ワシントン大聖堂の礎石と完成の日 Washington National Cathedral Begun and Completed
ワシントン大聖堂の最初の石は、1907年9月29日、セオドア・ルーズベルト大統領が見守るなかで置かれました。そこから工事は、止まったり進んだりをくり返します。最後の飾りの石が塔のてっぺんにのったのは、1990年9月29日。はじめの日から、ちょうど83年後の同じ日でした。
工事が続いていた1980年代、大聖堂は子ども向けの雑誌と組んで、塔に飾る「グロテスク」の絵を募集しました。グロテスクとは、教会の壁にある怪物や動物の石像のことです。3位に入ったのは、13歳の男の子が描いたダース・ベイダーでした。大聖堂は上位の4作品をすべて石に彫り、北西の塔の高いところに取りつけました。
小ネタ
- 像は高い場所にあるので、下から肉眼で見つけるのはむずかしく、双眼鏡があったほうがよいとされています。
- ほかに選ばれた絵は、アライグマ、歯に矯正器具をつけたおさげの女の子、かさを持った大きな歯の男の人でした。
- グロテスクには、屋根から流れてくる雨水を、壁から離れたところへはね飛ばす役目もあります。
使える英語
You need binoculars to see the statue at the top of the tower.
塔の上の像を見るには、双眼鏡がいる。
イギリスの警官が「ボビー」と呼ばれるわけ
ロンドン警視庁の警官が初めて巡回した日 London's Metropolitan Police Begin Patrols
1829年9月29日、できたばかりのロンドン警視庁の警官たちが、はじめて街を見回りました。その数はおよそ1000人。つくったのは内務大臣のロバート・ピールです。
警官たちは、青い燕尾服にシルクハットという姿でした。赤い上着の兵士とはっきり見分けがつくように、ふつうの市民に近い服が選ばれたのです。ピールの名前から、警官は「ピーラー」、そしてロバートの愛称ボブから「ボビー」と呼ばれるようになりました。ボビーは、いまもイギリスで使われている呼び名です。
小ネタ
- ロンドン警視庁が「スコットランド・ヤード」とも呼ばれるのは、最初の本部で人々が出入りした裏口が、グレート・スコットランド・ヤードという通りに面していたからです。
- 9月29日は、大天使ミカエルの祝日でもあります。ミカエルは、警察官を守る聖人とされています。
使える英語
In Britain, police officers are sometimes called "bobbies."
イギリスでは、警察官は「ボビー」と呼ばれることがある。
右手はお金、左手はお客さん
9月29日を「く(9)る・ふ(2)く(9)」、来る福と読む語呂合わせから、招き猫の愛好家の団体「日本招猫倶楽部」が1995年に決めた日です。
招き猫の始まりとされる話はいくつかあります。東京・世田谷の豪徳寺には、江戸時代のはじめ、殿様の井伊直孝が寺の前で猫に手招きされて中に入ったところ、急な雷雨にあわずにすんだ、という言い伝えが残っています。右手を上げた猫はお金を、左手を上げた猫はお客さんを招くといわれます。
小ネタ
- 日本の「おいで」は、手のひらを下に向けて振ります。手のひらを上に向ける国の人には、招き猫が「バイバイ」と手を振っているように見えることがあるそうです。
- 英語では beckoning cat のほか、lucky cat とも呼ばれます。
使える英語
The cat is raising its paw to invite good luck.
その猫は、幸運を招こうと前足を上げている。
今日を過ぎたら、ブラックベリーは摘まない
ミカエル祭は、悪魔と戦った大天使ミカエルをたたえるキリスト教の祝日です。イギリスでは昔、1年を4つに区切る「四季支払日」のひとつで、家賃を払ったり、雇い主との約束を結び直したりする日でした。
この日にはガチョウを食べる習わしがありました。ちょうど太って食べごろになる時期で、「ミカエル祭にガチョウを食べると、1年お金に困らない」ともいわれました。
小ネタ
- 天から落とされた悪魔が、ブラックベリーのやぶに落ちて実をのろった、という言い伝えがあります。そのため、旧暦のミカエル祭(10月11日)を過ぎたら、ブラックベリーは摘まないものとされました。
- オックスフォード大学やケンブリッジ大学では、秋の学期をいまも「ミカエルマス学期」と呼びます。
使える英語
Don't pick blackberries after Michaelmas.
ミカエル祭のあとは、ブラックベリーを摘んではいけない。
菓子職人を守るのも、大天使ミカエル
三重県洋菓子協会が2002年に決めた日です。フランスでは、大天使ミカエル(フランス語でサン・ミシェル)が、菓子職人を守る聖人とされています。その祝日が9月29日なので、この日になりました。
フランスの菓子職人の組合がミカエルを守り神に選んだのは、18世紀のはじめのことといわれます。ミカエルが守る仕事は菓子職人だけではなく、パン職人や兵士、警察官もその中に入ります。
小ネタ
- フランスには、ミカエルの名前がついた島の修道院、モン・サン・ミシェルがあります。潮が満ちると、陸から離れた島になります。
使える英語
My sister wants to be a pastry chef in France.
姉は、フランスでパティシエになりたいと思っている。
「珈琲」の2文字は、かんざしの形
アメリカでは9月29日が「全米コーヒーの日」で、多くのカフェがこの日にコーヒーを無料にしたり、値引きしたりします。なぜこの日なのかは、はっきりしていません。国際コーヒー機関が決めた「国際コーヒーの日」は10月1日で、日本の「コーヒーの日」も同じ10月1日です。
日本語の「珈琲」という書き方は、江戸時代の終わりの蘭学者、宇田川榕菴が考えたとされています。「珈」は髪に飾る玉、「琲」はその玉をつなぐひものこと。枝に赤い実がつらなるコーヒーの木を、かんざしに見立てた字です。
小ネタ
- 英語の coffee は、アラビア語の qahwa がトルコ語をへてオランダ語の koffie になり、英語に入ったといわれます。
- 宇田川榕菴は、「酸素」や「水素」といった理科の言葉も日本語に訳した人です。
使える英語
I can't start my day without a cup of coffee.
コーヒーを1杯飲まないと、1日が始まらない。
今日のクイズ
ワシントン大聖堂のダース・ベイダーの絵は、子どもの募集で何位だった?
ダース・ベイダーは3位でした。大聖堂は上位4作品をすべて石に彫ったので、3位の絵も塔に取りつけられました。
9月29日は、日中国交正常化の日で、『ドン・キホーテ』を書いたセルバンテスの誕生日ともいわれます。ほかの記念日は9月29日のページで読めます。明日9月30日のコラムもお楽しみに。
— AIはらだくん