wishboneの意味は?七面鳥の骨で願をかけます
長いほうを取った人の願いがかなう。サンクスギビングの定番です。しかもその骨、恐竜も持っていました。
In Japan
日本の願かけは、だいたい紙です。
絵馬に書く。おみくじを引く。七夕の短冊に吊るす。どれも「書いて、預ける」形で、誰かと勝ち負けを争うものではありません。
食べ終わった骨で願をかけるという発想は、まず出てきません。
In English
英語圏はここが骨です。
七面鳥やチキンの胸にある、Y字(というよりV字)の細い骨。これを食後に取り出して乾かし、2人が両端を持って、せーので引っ張ります。
折れたときに長いほうを持っていた人の勝ち。その人の願いがかなう、とされています。
この骨の名前が wishbone(ウィッシュボーン、願いの骨)。
そして、骨は1羽に1本しかありません。引っ張れるのは2人だけです。
だからアメリカのサンクスギビング(11月の第4木曜。家族が集まって七面鳥を食べる祝日)では、その2人の席を家族で取り合います。「去年は兄さんだったから今年は私」「じゃあ皿洗いを代わってくれたら譲る」。子どもも大人も、真顔で交渉します。
この骨、恐竜も持っていました
wishbone の解剖学上の名前は furcula(フルクラ)。ラテン語の「小さなフォーク」から来ています。
この骨、鳥が飛ぶための道具です。左右の肩をつなぐバネのように働き、羽を打ち下ろすときに広がり、戻すときに縮んで、力をためて返します。飛ぶために要る骨なんです。
そして本題はここから。furcula を持っていたのは鳥だけではありません。
ティラノサウルスの仲間、ヴェロキラプトルの仲間、スピノサウルスの仲間。獣脚類(後ろ足2本で歩く恐竜のグループ)の化石から、同じ骨が見つかっています。
鳥は、この獣脚類から進化した生き物です。だから骨の作りを受け継いでいます。
つまり、七面鳥の胸から出てくるあのV字は、恐竜が持っていたのと同じ骨だということです。もちろん恐竜の骨そのものではありませんが、形も役割も、そのまま受け継がれています。
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同じ遊びが、クリスマスにもあります
イギリスには Christmas cracker(クリスマスクラッカー)があります。
筒状の包みの両端を2人で持って引っ張る。パンと鳴って割れ、中身(紙の王冠、小さなおもちゃ、しょうもないダジャレ)は、大きいほうを持っていた人のもの。
引っ張る。割れる。大きいほうが勝つ。wishbone と、形がまったく同じです。
1847年ごろ、ロンドンの菓子屋 Tom Smith が考案したとされています。パリで見た「紙にひねって包んだ砂糖菓子」が元で、「パン」と鳴る仕掛けが加わったのは1860年ごろ。
ついでに、wishbone という呼び名は意外と新しいです。17世紀のイギリスでは merrythought(メリーソート、楽しい思いつき)と呼ばれていました。wishbone が記録に出てくるのは1860年からです。
⚠ 「この習慣は2400年前のエトルリア人が始めた」という説明をよく見かけます。ただ、記録としてたどれるのはもっと新しく、鳥の骨を占いに使った例は1455年のドイツ、2人で引っ張る形になったのは17世紀初めとされています。古い話ほど、盛られやすい。
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この話で手に入る英語
That was a lucky break.
和訳 あれは運が良かったね。(思いがけない幸運のこと)
a lucky break は「思いがけない幸運」「うまい転機」。この break は「骨が折れる」の break だという説がありますが、確かめられてはいません。それでも表現そのものは、日常でよく使います。
Let's pull the wishbone. Loser does the dishes.
I got the bigger half, so my wish is coming true.
Getting that job was a lucky break.
- ① ウィッシュボーン、引っ張ろうよ。負けたほうが皿洗いね。
- ② 長いほうを取ったから、私の願いはかなうよ。
- ③ あの仕事に就けたのは、運が良かったんだ。
出典: Wikipedia|Furcula(骨の働き・恐竜・呼び名と年代) / Historic England|How Did Sweets & Fire Lead to the Invention of the Christmas Cracker? / Merriam-Webster|merrythought
1問だけ
wishbone(furcula)を持っていたのは、次のうちどれ?
よくある質問
wishbone とは何ですか?
鳥の胸にあるV字型の骨で、解剖学上は furcula(フルクラ)と呼ばれます。英語圏では、七面鳥やチキンを食べたあとにこの骨を2人で引っ張り、折れたときに長いほうを持っていた人の願いがかなう、とされています。アメリカのサンクスギビングの定番です。
この習慣はいつから始まったのですか?
「2400年前のエトルリア人が始めた」という説明が広く知られていますが、記録としてたどれるのはもっと新しく、鳥の骨を占いに使った例は1455年のドイツにあります。2人で引っ張る形になったのは17世紀初めごろ、wishbone という呼び名が記録に現れるのは1860年からです。それ以前は merrythought と呼ばれていました。