アメリカのスーパーに袋詰め係がいるのはなぜ?110年前のセルフサービス発明
アメリカのスーパーでは、会計のあと専門の係が商品を袋に詰めてくれます。その手前にあるのが、いまでは当たり前の「客が自分で商品を選ぶ」というセルフサービスの仕組みそのものが、1916年にアメリカで生まれたという話です。袋詰め係とのつながりは、確かめられた部分とそうでない部分を分けて紹介します。
In Japan
日本のスーパーでは、会計を終えたお客さんが自分で商品を袋に詰めるのが当たり前です。店員はレジ打ちまでを担当し、袋詰めはお客さん自身の仕事になっています。
In English
アメリカのスーパーには、会計のあと商品を袋に詰めてくれる専門の係がいます。bagger(または courtesy clerk)と呼ばれ、レジ打ちをする人(cashier)とは別の仕事として存在しています。
そもそも『客が自分で商品を選ぶ』こと自体が、110年前は無かった
1916年より前の食料品店では、客は店員に欲しいものを伝え、店員が棚や倉庫から商品を集めてくるのがふつうでした。客が店内を歩き回って自分で商品を選ぶ光景は、食料品店ではふつうではありませんでした。
これを変えたのが、テネシー州メンフィスでクラレンス・ソーンダースが1916年9月に開いた「Piggly Wiggly」という店でした。回転式改札口から入り、605品目の商品が並ぶ通路を通ってレジへ向かう仕組みで、ソーンダースはこの「セルフサービス式の店舗」という考え方を1917年に特許まで取っています(Wikipedia|Piggly Wiggly)。
客が自分で選ぶようになったから、詰める係が要った
それまでの店では、客の注文を聞いて商品を集めて渡すところまでが、店員の仕事でした。ところがセルフサービスになると、客が自分で商品を選んでレジに持っていく分だけ、会計の場所に品物が一気に集まるようになります。
そう考えると、レジで会計をする人とは別に、手早く袋に詰める係がいると助かる理由は見えてきます。今日の bagger(courtesy clerk)は、袋詰めのほかに、客の車まで荷物を運んだり、カートを戻したりする仕事です(Indeed|Courtesy Clerk Job Description)。
ただし、ここはすっきり言い切れないところです。この仕事がいつ定着したのかを示す記録は見つかりませんでした。1916年のセルフサービス化が袋詰め係を生んだ、とはっきり書いた資料も確かめられていません。この記事では「そう考えると筋が通る」というところまでにしておきます。
この話で手に入る英語
Paper or plastic?
和訳 紙袋とビニール袋、どちらにしますか?
アメリカのスーパーのレジで聞かれてきた決まり文句です。ビニール袋が広まった1980年代から聞かれるようになりました(99% Invisible)。
The bagger put my groceries into two paper bags.
In many countries, customers bag their own groceries.
Self-service supermarkets changed the way people shop.
- ① 袋詰め係が、私の買い物を紙袋2つに詰めてくれた。
- ② 多くの国では、客が自分で買い物を袋に詰める。
- ③ セルフサービス式のスーパーマーケットは、人々の買い物の仕方を変えた。
出典: Wikipedia|Piggly Wiggly / Indeed|Courtesy Clerk Job Description / 99% Invisible|Paper or Plastic?
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1問だけ
この記事で紹介した、1916年に起きたことはどれですか?
よくある質問
アメリカのスーパーにいる bagger とは何ですか?
会計のあと、専門に商品を袋に詰めてくれる係のことです。courtesy clerk とも呼ばれ、レジ打ちをする cashier とは別の仕事として存在しています。
なぜアメリカのスーパーには袋詰め係がいるのですか?
はっきりした記録は見つかっていません。手前の出来事として、1916年にテネシー州メンフィスで、客が自分で商品を選ぶセルフサービス式の店「Piggly Wiggly」が生まれています。客が自分でレジまで商品を運ぶようになれば、袋に詰める係がいると助かる、と考えると筋は通ります。ただし、この仕事がいつ定着したのかを示す記録は確かめられていません。