アメリカ大統領は毎年、感謝祭に七面鳥を「恩赦」します
日本には、動物を公式行事として『恩赦』する習慣はありません。ところがアメリカでは、大統領が感謝祭の前に生きた七面鳥を公式に『恩赦』し、食卓から救うという伝統が続いています。始まりはリンカーンの息子の逸話でした。
In Japan
日本では、動物を公式行事として『恩赦』するという発想そのものがありません。ペットを大切にする文化はあっても、国の代表者が儀式として動物を『赦す』場面は見られません。
In English
ところがアメリカでは、大統領が感謝祭の直前に、生きた七面鳥を公式に『恩赦(pardon)』するという伝統が毎年続いています。恩赦を受けた七面鳥は、感謝祭の食卓に上ることなく、余生を保護施設などで過ごします。
始まりは、大統領の息子がかわいがった1羽
最初の逸話は、エイブラハム・リンカーン大統領の息子タッドが、クリスマス用に届いた七面鳥を『ジャック』と名付けてかわいがったことに由来するとされています。タッドの訴えを聞いたリンカーンは、その場でカードに助命を書いて息子に手渡した、と伝えられています(Smithsonian Magazine|The History of Pardoning Turkeys Began With Tad Lincoln)。ただし、これは公式の儀式ではなく、あくまで息子への譲歩という個人的な出来事でした。
『恩赦』が正式な儀式になったのは1989年
正式に『pardon(恩赦)』という言葉を使い、儀式として始めたのはジョージ・H・W・ブッシュ大統領で、1989年のことです。それ以前、ハリー・トルーマン大統領が始めたとよく語られますが、これは誤りです。トルーマン大統領図書館は、在任中に七面鳥を恩赦した記録は無いと公式に説明しています(HISTORY|A Brief History of the Presidential Turkey Pardon)。実際、トルーマンや、その後の複数の大統領のもとに届いた七面鳥は、食卓に上っていました。1989年以降は、全米七面鳥連盟から贈られた七面鳥がホワイトハウスで恩赦を受けるのが、毎年の恒例行事になっています。
この話で手に入る英語
The teacher let him off the hook this time.
和訳 先生は今回、彼を大目に見た(許した)。
let ~ off the hook の hook は釣り針のことで、かかった魚を針から外して逃がす情景から生まれた表現だとされます。感謝祭で七面鳥が『恩赦』されて救われるのと同じ、『許されて解放される』イメージで覚えると忘れません。
The president pardoned two turkeys before Thanksgiving.
This turkey won't end up on anyone's table.
The tradition started as a personal favor, not an official event.
- ① 大統領は感謝祭の前に、七面鳥を2羽恩赦した。
- ② この七面鳥は、誰の食卓にも上ることはない。
- ③ この伝統は、公式行事ではなく個人的な譲歩として始まった。
出典: HISTORY|A Brief History of the Presidential Turkey Pardon / Smithsonian Magazine|The History of Pardoning Turkeys Began With Tad Lincoln
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感謝祭に七面鳥を『恩赦』する伝統を、公式の儀式として初めて始めたのは誰だと本文で説明されていますか?
よくある質問
感謝祭の七面鳥恩赦とは何ですか?
アメリカ大統領が感謝祭の直前に、生きた七面鳥を公式に『恩赦(pardon)』し、食卓に上ることから救う伝統行事です。恩赦を受けた七面鳥は保護施設などで余生を過ごします。
この伝統はいつから、誰が始めたのですか?
最初の逸話はリンカーン大統領の息子タッドが1863年の暮れに七面鳥を助けたことですが、正式な儀式として『恩赦』という言葉を使って始めたのは1989年、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領です。