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原田英語の沼 Harada Eigo no Numa

ENGLISH TRIVIA

塩をこぼすと不吉?左肩越しに投げる理由は『お金』にあります

日本では塩は「清めるもの」ですが、欧米では食卓で塩をこぼすこと自体が不吉の前触れとされ、こぼした塩を左肩越しに投げて打ち消す習わしがあります。理由をたどると、塩がお金と同じくらい貴重だった時代に行き着きます。

In Japan

日本で塩といえば、お清めの道具です。お葬式から帰ったら体に塩をふり、相撲の土俵には力士が塩をまき、お店の入り口には盛り塩を置きます。塩は「悪いものを払う」ためのもので、こぼしてしまうこと自体を気にする習慣はほとんどありません。

In English

ところが欧米では、塩をこぼすこと自体が不吉の前触れとされています。しかも、ただ気にするだけでは終わりません。こぼした塩を、指でひとつまみ、左肩越しに後ろへ投げるという謎の作法があるのです。映画やドラマで、料理中にうっかり塩をこぼした人が、何も言わずにパッと後ろへ投げる仕草を見たことがあるかもしれません。あれは演出ではなく、本当に伝わっている習わしです。

塩をこぼすことは、お金を捨てるのと同じだった

この迷信は、塩がとても高価だった時代までさかのぼるという説があります。塩は食べ物を保存するための貴重品で、通貨として使われた地域もあったほどです。英語の"salary"(給料)が、塩を意味するラテン語"sal"に由来するのもそのためだと言われています(Britannica|Why Do People Throw Salt Over Their Shoulder?)。塩をこぼすことは、お金を捨てるのと同じくらい『もったいない』出来事だったというわけです。

なぜ『左肩』なのか。レオナルド・ダ・ヴィンチの絵にも残る話

なぜ右肩でも前でもなく、左肩越しなのか。ここには2つの言い伝えが重なっています。ひとつは、悪魔は人の左肩のうしろに潜んでいて、隙あらば不運を吹き込もうとしているという言い伝え。塩を投げつけて悪魔の目つぶしにする、という発想です(Britannica|Why Do People Throw Salt Over Their Shoulder?)。もうひとつは、レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」に描かれた、ユダが肘で塩入れを倒している場面です(Tasting Table|Why We've Been Tossing Spilled Salt Over Our Shoulder For Centuries)。この絵をきっかけに、こぼれた塩は裏切りや不運と結びつけられるようになった、と言われています。ただし、どちらも『そう伝えられている』という段階の話で、どちらが本当の起源かは、はっきり分かっていません。

この話で手に入る英語

for good measure

和訳 念のため、おまけに

本気で信じているわけではないけれど、念のためやっておく、という場面で使います。「効くとは思わないけど、念のため」と言いたいときにぴったりの言い方です。

使ってみる

I don't really believe in it, but I still throw salt over my shoulder for good measure.

She spilled the salt and quickly tossed a pinch over her left shoulder.

和訳
  • 本気で信じているわけじゃないけど、念のため塩を肩越しに投げちゃうんだよね。
  • 彼女は塩をこぼして、すぐに左肩越しにひとつまみ投げた。

出典: Britannica|Why Do People Throw Salt Over Their Shoulder? Tasting Table|Why We've Been Tossing Spilled Salt Over Our Shoulder For Centuries

動画で見る

Short Stuff: Why Spilling Salt is Unlucky | STUFF YOU SHOULD KNOW (Stuff You Should Know) 雑学解説で知られるポッドキャストのチャンネルが、塩をこぼす迷信の由来を短くまとめた回です。

1問だけ

欧米で、塩をこぼしたときに投げる方向はどこですか?

よくある質問

欧米で塩をこぼすと、なぜ不吉とされるのですか?

塩がとても高価で、通貨として使われた地域もあったためという説があります。塩をこぼすことは、お金を捨てるのと同じくらいもったいない出来事とされていました。

なぜ左肩越しに塩を投げるのですか?

左肩のうしろに悪魔が潜んでいて不運を狙っているという言い伝えと、レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』でユダが塩入れを倒す場面が結びついたためと言われています。どちらが本当の起源かははっきりしていません。

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