ハロウィンのお菓子に毒? 見知らぬ人のお菓子で亡くなった子どもは、確認されていません
アメリカでは長いあいだ、ある心配がありました。ハロウィンにもらうお菓子に、知らない人が毒を入れるかもしれない、というものです。社会学者が新聞を調べると、見えてきたのは別の姿でした。1974年の事件とあわせて紹介します。
In Japan
日本では1984年10月、大阪・兵庫・京都・愛知の店で、青酸入りの菓子が見つかりました。「どくいり きけん たべたら しぬで」と書いた紙が貼ってありました。グリコ・森永事件です。見つかった青酸入りの菓子は13個で、毒入りの食品で亡くなった人は出ていません(Wikipedia|グリコ・森永事件)。
In English
アメリカでは、ハロウィンの夜に子どもが家々を回ってお菓子をもらいます(trick-or-treat)。そして長いあいだ、知らない人がそのお菓子に毒を入れるかもしれない、と恐れられてきました。警察なども、子どもが食べる前に親がお菓子を調べるよう呼びかけてきました(GPB)。1985年には、ABC News とワシントン・ポストが世論調査をしました。親の60%が、お菓子への細工で子どもがけがをしたり死んだりすることを恐れていました(Wikipedia)。
社会学者が1958年からの新聞を調べました
この恐れを調べたのが、デラウェア大学の社会学者 Joel Best(ジョエル・ベスト)さんです。ベストさんは、1958年から1983年までの新聞の記事を集めました(Wikipedia|Poisoned candy myths)。
本当にお菓子に細工がされたかもしれない例は、90件足らずでした。その多くは、お金を取ろうとした大人か、注目を集めたい子どものしわざでした。子どもが自分のお菓子にピンを刺していた例もあります(Wikipedia)。
最初は「見知らぬ人に殺された」と地元当局に考えられた子どもの死も、5件ありました。どれも、調べてみると見知らぬ人のしわざではありませんでした(Wikipedia)。
ベストさんは、こう言います。「This is absolutely a legend.(これは、まったくの伝説です)」。1958年からの記録を探しても、トリック・オア・トリートでもらった毒入りなどのお菓子で、子どもが亡くなったり大けがをしたりした報告は、まだ見つかっていないそうです(GPB|Why the urban legend of contaminated Halloween candy won't disappear)。
この話の動画
1974年の事件は、父親が自分の息子に毒を盛ったものでした
ベストさんが見つけた、お菓子で子どもが殺された事件は、テキサス州の1件でした。犯人は、見知らぬ人ではなく、その子の父親です(GPB)。
1974年10月31日、父親の Ronald Clark O'Bryan(ロナルド・クラーク・オブライアン)は、自分の子ども2人を連れて出かけました。テキサス州パサデナの住宅街で、お菓子をもらって回ったのです。その夜、8歳の息子 Timothy(ティモシー)くんが、青酸カリを入れた粉菓子 Pixy Stix(ピクシースティックス)で亡くなります。
父親は「ドアを少しだけ開けた家の男の人からもらった」と話しました。ところが、その家の人は仕事に出ていました。父親は2人の子どもに生命保険をかけていて、合わせて約10万ドルになっていました。父親は1984年3月31日に死刑になっています(Wikipedia|Ronald Clark O'Bryan)。
それでも、恐れは消えませんでした。ベストさんは、理由をこう話しています。「We've stopped believing in ghosts and goblins, but we believe in criminals.(おばけは信じなくなったけれど、犯罪者は信じている)」(GPB)。
この話で手に入る英語
That's just an urban legend.
和訳 それは、ただの都市伝説だよ。
本当らしく広まっているけれど、確かめると根拠のない話に使えます。urban legend は「都市伝説」です。
Let's go trick-or-treating tonight.
My mom checked all my candy before I ate it.
- ① 今夜、お菓子をもらいに回ろうよ。
- ② 母は、私が食べる前にお菓子を全部調べました。
出典: Wikipedia|Poisoned candy myths / GPB(NPR)|Why the urban legend of contaminated Halloween candy won't disappear / Wikipedia|Ronald Clark O'Bryan
1問だけ
1985年の ABC News とワシントン・ポストの世論調査で、ハロウィンのお菓子への細工で子どもがけがをしたり死んだりすることを恐れていた親は、何%でしたか?
よくある質問
ハロウィンのお菓子に毒が入っていた事件はありますか?
1974年、テキサス州で父親が、青酸カリを入れた粉菓子で自分の息子を死なせた事件があります。父親は子どもに生命保険をかけていました。見知らぬ人のお菓子で殺されたとされた子どもの死は、調べると違っていました(Wikipedia)。
「都市伝説」は英語で何と言いますか?
urban legend と言います。That's just an urban legend.(それはただの都市伝説だよ)のように使います。