アメリカに定年退職の年齢が無い理由は、1967年の法律です
日本では60歳や65歳の『定年』で退職時期が区切られるのが当たり前ですが、アメリカにはこの制度がありません。1967年に制定された連邦法が、年齢だけを理由にした強制退職のほとんどを違法としているためです。
In Japan
日本では、60歳や65歳になると会社を退職しなければならない「定年」という区切りが、法律上も当たり前のものになっています。2012年の法改正により、企業は希望する社員を65歳まで雇用し続けることが義務づけられていますが、その先には結局、退職の年齢が待っています。
In English
ところがアメリカには、年齢だけを理由にした「定年」そのものがありません。1967年に制定されたADEA(雇用における年齢差別禁止法)により、ほとんどの仕事で、年齢を理由に社員を強制的に退職させることが違法とされています。代表的な例外は、消防士や警察官など安全に直結する一部の職と、65歳以上で一定額以上の年金を受け取れる一部の高位管理職です。
1967年、リンドン・ジョンソン大統領が署名した法律
ADEA(Age Discrimination in Employment Act)は、1967年12月15日にリンドン・B・ジョンソン大統領が署名し、40歳以上の労働者を年齢差別から保護する連邦法として成立しました(Wikipedia|Age Discrimination in Employment Act of 1967)。当初は年齢差別の禁止が中心でしたが、1986年の改正で、ほとんどの仕事における強制的な定年退職そのものが禁止されました。大学で終身在職権を持つ教授だけは、70歳での定年が例外として認められていましたが、その例外も1993年末で切れています。
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日本の「定年60歳」は、法律で決まった最低ライン
日本では、企業が定年を定める場合、60歳を下回ってはいけないと法律で決められています。実際に定年制を設けている企業は94.4%にのぼり、そのうち定年年齢を一律に定めている企業の72.3%が、その年齢を60歳としています(厚生労働省|令和4年就労条件総合調査 結果の概況)。同じ『何歳まで働けるか』という話題でも、日本は年齢で区切り、アメリカは年齢では区切らないという、正反対の発想でできています。
この話で手に入る英語
There is no mandatory retirement age in the U.S.
和訳 アメリカには、法律で決まった定年退職の年齢がありません。
海外の会社員と働き方の話をするとき、日本の『定年』をそのまま説明しても伝わらないことがあります。この一文を添えると、そもそもの制度が違うことが一度で伝わります。
My uncle in the US is 72 and still works full-time; there's no retirement age forcing him out.
It's illegal in most U.S. jobs to force someone to retire just because of their age.
Japan sets 60 as the earliest age a company can set for mandatory retirement.
- ① アメリカにいる叔父は72歳でまだフルタイムで働いている。定年で辞めさせられることがないからだ。
- ② アメリカのほとんどの仕事では、年齢だけを理由に人を退職させることは違法です。
- ③ 日本では、企業が定年を定める場合、60歳より早くはできないと決められています。
出典: Wikipedia|Age Discrimination in Employment Act of 1967 / 厚生労働省|令和4年就労条件総合調査 結果の概況
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よくある質問
なぜアメリカには定年退職の年齢が無いのですか?
1967年に制定されたADEA(雇用における年齢差別禁止法)により、年齢だけを理由にした強制的な退職がほとんどの仕事で違法とされているためです。1986年の改正で、この禁止はさらに広い範囲に適用されるようになりました。
アメリカにも例外はあるのですか?
あります。消防士や警察官など安全に直結する一部の職種と、65歳以上で一定額以上の年金を受け取れる一部の高位管理職には、年齢による退職の定めが認められています。