jaywalkingの由来は?道路を自由に渡れなくしたのは、自動車業界でした
アメリカでは、横断歩道の外で道路を渡ると jaywalking(ジェイウォーキング)と呼ばれ、違反にされてきました。でも100年ほど前までは、道路は歩く人のものでした。歩行者を責める言葉と決まりを広めたのは、1920年代の自動車業界です。
In Japan
日本の道路交通法には、歩く人の渡り方が書いてあります。横断歩道の近くでは、横断歩道を渡らなければなりません。斜めに渡ることも、原則として禁止です(e-Gov法令検索|道路交通法、第12条)。
In English
アメリカにも同じような決まりがあり、破る人は jaywalker(ジェイウォーカー)と呼ばれます。jay は昔の言葉で「田舎者」のことです。
ところが、この言葉と決まりを広めたのは自動車業界でした。しかもイギリス(イングランド・ウェールズ・スコットランド)では、道路を渡ること自体は違法ではありません(Wikipedia|Jaywalking)。
1920年代、道路は「歩く人のもの」から「車のもの」へ
アメリカのニュースサイト Vox の記事によると、車が増えた1920年代、交通事故で亡くなる人が急に増えました。亡くなった人の多くは歩行者で、とくにお年寄りと子どもでした。それまで子どもは、道路で自由に遊んでいたのです(Portside(Vox の記事の転載)|The Forgotten History of How Automakers Invented the Crime of Jaywalking)。
バージニア大学の歴史学者 Peter Norton さんは、こう言います。「車が出てきたころは、歩く人をよけるのは運転する人の仕事だった」。1923年には、シンシナティで4万2,000人が、車の速さを時速25マイルまでにする署名をしました。この案は、車の販売店の反対運動で通りませんでした(同じ記事)。
そこで自動車業界は、事故の原因を歩行者に向けます。jay(田舎者)は、町での歩き方を知らない人という意味でした。業界の団体は、新聞に無料で記事を配り、事故を歩行者のせいにする話を広めました。1924年のニューヨークの安全パレードでは、道路を勝手に渡るピエロが、ゆっくり走る車に何度もぶつけられる出し物もありました(同じ記事)。
1925年のロサンゼルスから、全国へ。そして今、元に戻り始めた
Wikipedia によると、カンザスシティは1911年に、道路を斜めに渡ることを禁止する条例を作りました。広く効き目のあった最初の決まりは、1925年のロサンゼルスで、自動車業界が書いた案が使われました。1928年には、のちに大統領になる商務長官フーバーが開いた会議から、町の交通の条例の手本ができます。中身は「歩行者は横断歩道だけを、まっすぐ渡る」でした(Wikipedia|Jaywalking、Portside)。
いま、その流れが逆に動いています。カリフォルニア州では、2023年1月1日から、危険の無い横断で歩行者を取り締まれなくなりました。Freedom to Walk Act(歩く自由の法律)です。ニューヨーク市も2024年、信号に関係なく道路を渡ることを認めました(Wikipedia|Jaywalking)。
この話の動画
この話で手に入る英語
Don't jaywalk. Use the crosswalk.
和訳 勝手に道路を渡らないで。横断歩道を使ってね。
jaywalk は動詞としても使えます。crosswalk(横断歩道)はアメリカ英語で、イギリスでは pedestrian crossing などと言います。
He got a ticket for jaywalking.
In the 1920s, a jay meant someone from the countryside.
- ① 彼は、横断歩道の外で道路を渡って違反切符を切られた。
- ② 1920年代、jay は田舎から来た人のことだった。
出典: Wikipedia|Jaywalking / Portside(Vox の記事の転載)|The Forgotten History of How Automakers Invented the Crime of Jaywalking / e-Gov法令検索|道路交通法
1問だけ
jaywalker の jay は、もともとどんな意味でしたか?
よくある質問
jaywalking とは何ですか?
横断歩道の外や、信号を無視して道路を渡ることです。アメリカでは多くの町で違反とされてきました。jay は昔の言葉で「田舎者」という意味です。
イギリスでも jaywalking は違法ですか?
Wikipedia によると、イングランド・ウェールズ・スコットランドでは、高速道路などを除き、道路を渡ること自体は違法ではありません。北アイルランドには、不注意で自分を危険にさらす歩行者を罰する決まりがあります。