イギリスの1階は、日本の2階です
ロンドンのホテルで「1階のカフェで待ってるね」と言われて下りていくと、そこには誰もいません。イギリスでは、地面の高さの階を ground floor と呼び、first floor はその1つ上のことだからです。同じ英語圏なのに、アメリカは日本と同じ数え方をします。
In Japan
日本では、建物に入ってすぐの床が1階です。エレベーターのボタンも「1」から始まります。2階は1つ上、3階はその上。数字と高さがきれいに一致しているので、疑う理由がそもそもありません。
In English
イギリスでは、地面の高さの階に「1」という数字を使いません。そこは ground floor(地面の階)で、エレベーターのボタンは G か 0 です。そして first floor は、その1つ上を指します。つまりイギリス人が「1階で待ってる」と言ったら、日本の感覚では2階のこと。同じ英語でありながら、アメリカでは地面の高さがそのまま first floor なので、日本と同じ数え方になります。
どちらが変なのではなく、数え始める場所が違うだけ
アメリカ式は単純です。建物に入って自分が立っている、その床が1枚目の floor。だから first floor。英語の floor がもともと「床」を意味することを思えば、素直な数え方です。
ヨーロッパ式は、地面の高さを「階」ではなく「地面」として別扱いします。数えるのは、そこから上に積み上がった床のほうです。だから地面の上に1枚目の床が乗って、ようやく first floor になります。
このヨーロッパ式の言い方は、中世のヨーロッパの用法までさかのぼるとされています。ただし、どうして2つに分かれたのかまでは、はっきり書き残されていません(Wikipedia|Storey)。
英語圏のほうが、実は割れています
ここが一番おもしろいところです。「英語圏はこう」とひとまとめにできません。
アメリカ式(地面が1階)を使うのは、アメリカ、カナダの英語圏、そして中国、ロシア、フィンランド、ノルウェー、東南アジアの多く。日本もこちら側です。
ヨーロッパ式(地面は0階)を使うのは、ヨーロッパの大半と、イギリス連邦の国々。ただしシンガポールとカナダは、その連邦の中にいながらアメリカ式です。メキシコやブラジル、アルゼンチンもヨーロッパ式で数えます(Wikipedia|Storey)。
国境ではなく、歴史のつながり方で線が引かれている。地図を見ても予想できないのは、そのためです。
この話で手に入る英語
Take the lift down to the ground floor.
和訳 エレベーターで1階まで下りてください。
イギリスで「1階」と言いたいときは、first floor ではなく ground floor。エレベーターは lift で、ボタンは G か 0 を押します。
The cafe is on the ground floor, not the first floor.
I'll meet you on the ground floor, by the entrance.
In America, the ground floor is called the first floor.
- ① カフェは1階です。2階ではありません。
- ② 1階の入口のところで会いましょう。
- ③ アメリカでは、地面の高さの階を first floor と呼びます。
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1問だけ
ロンドンのホテルで「It's on the first floor.」と言われました。日本の感覚では何階ですか?
よくある質問
イギリスの first floor は何階のことですか?
日本でいう2階です。イギリスでは地面の高さの階を ground floor と呼び、first floor はその1つ上を指します。エレベーターのボタンは G か 0 が地面の高さです。
アメリカもイギリスと同じ数え方ですか?
いいえ。アメリカは地面の高さの階をそのまま first floor と呼ぶので、日本と同じ数え方になります。カナダの英語圏やシンガポールもアメリカ式です。