婚約指輪は給料3か月分?実はデビアス社の広告でした
日本では「婚約指輪は給料3か月分」という基準が長年の伝統のように語られています。ところがこの数字も、アメリカで使われる「2か月分」という基準も、もとをたどれば同じダイヤモンド会社の広告が作ったものでした。
In Japan
日本では、「婚約指輪は給料3か月分が目安」という話を、結婚情報誌やジュエリー店で耳にすることがあります。古くからのしきたりのように語られることも多い数字です。
In English
ところがアメリカでは、同じように語られる目安が『2か月分』です。しかもどちらの数字も、もとをたどれば同じダイヤモンド会社デビアス社の広告キャンペーンが作ったもので、日本にもアメリカにも、もともとこの基準はありませんでした。
「A diamond is forever.」が生まれた日
1947年、アメリカの広告代理店N.W.エイヤー社のコピーライター、フランシス・ジェレティが「A diamond is forever.(ダイヤモンドは永遠に)」という一文を書きました。1999年に、広告業界誌のAdvertising Ageがこれを20世紀のスローガンの第1位に選んでいます(Sotheby's|How De Beers Changed the Diamond Market)。もとをたどれば1938年、世界恐慌でダイヤモンドの売れ行きが落ち込んだデビアス社が、この代理店に広告を頼んだのが始まりでした(Wikipedia|Mary Frances Gerety)。アメリカでダイヤモンドの指輪をもらった花嫁は、1940年には10%ほどでしたが、1990年には約80%になりました。それ以前は、ロケットや真珠のネックレス、家に伝わる品を婚約者に贈ることも多かったのです。
『2か月分』も『3か月分』も、広告が決めた数字
デビアス社の広告は、はじめは『給料1か月分』を勧めていましたが、1980年代までにアメリカでの基準は『2か月分』へと引き上げられました(Al Jazeera|How the diamond engagement ring was invented)。日本では1970年代に、デビアス社が広告代理店と組んで『婚約指輪は給料の3か月分』という宣伝を大々的に展開しました(ダイヤモンド・オンライン|「婚約指輪は給料の3カ月分」を広めた宝石業界のズルい思惑)。ダイヤモンドの婚約指輪を持つ日本人女性の割合は、1960年代には5%未満でしたが、1981年には60%まで増えています(Al Jazeera)。つまり『3か月分』という数字も、日本古来の伝統ではなく、広告が作った目標額だったのです。
この話で手に入る英語
A diamond is forever.
和訳 ダイヤモンドは永遠に。
デビアス社のために、1947年に作られた広告コピーです。いまも婚約指輪の定番の売り文句として、世界中で使われ続けています。
How many months' salary should I spend on a ring?
That 'two months' salary' rule actually started as an ad campaign.
In Japan, the ad campaign set the number at three months, not two.
- ① 指輪にどれくらい給料をかけるべきかな。
- ② その『給料2か月分』というルールは、もともと広告キャンペーンとして始まったものだよ。
- ③ 日本での広告キャンペーンは、その数字を2か月分ではなく3か月分に設定していた。
出典: Sotheby's|How De Beers Changed the Diamond Market with One Simple Tagline / Al Jazeera|How the diamond engagement ring was invented – and sold around the world / ダイヤモンド・オンライン|「婚約指輪は給料の3カ月分」を広めた宝石業界のズルい思惑
動画で見る
1問だけ
『婚約指輪は給料◯か月分』という基準について、本文の説明として正しいものはどれですか?
よくある質問
婚約指輪は本当に給料3か月分が相場なのですか?
法律や古来の伝統で決まっているわけではありません。ダイヤモンド会社デビアス社が1970年代に日本で行った広告キャンペーンで、目安として『3か月分』という数字が使われたのが始まりとされています。
アメリカでも同じ基準なのですか?
いいえ、アメリカでの広告は『2か月分』を基準にしていました。同じデビアス社の広告キャンペーンでも、国によって設定された数字が違います。