恐怖を書き出す方法とは?Tim FerrissのTED英語
目標ではなく、恐怖のほうを紙に書き出す。そういう変わった提案をするトークです。もとは2000年前のローマの哲学者がやっていた練習でした。13分22秒で、英語は短い文が多く、繰り返しも多いので追いやすい1本です。
Why you should define your fears instead of your goals
目標ではなく、恐怖を書き出すべき理由/Tim Ferriss(作家・投資家)・2017年・13分22秒 字幕つきで見る ↗
なぜ、これほど届いたのか
このトークの作りで効いているのは、提案がたった1つしかないところです。
13分のあいだ、話し手が勧めることは変わりません。恐怖を紙に書き出せ。それだけです。ふつうの講演なら3つくらい並べるところを、1つに絞って、角度を変えながら押してきます。
英語として学びやすいのは、そのせいです。同じ語が何度も戻ってくるので、1回目に聞き取れなくても、2回目、3回目で拾えます。fear、define、worst case。この3語が分かれば、話の骨は追えます。
そしてもう1つ。山場の一文が、対になっている。Easy choices, hard life. Hard choices, easy life. 4つのかたまりが、たすきがけに並んでいます。文法らしい文法はありません。名詞と形容詞だけです。
中高生が字幕なしで挑むなら、この形の文は最初に拾えるはずです。
名台詞
The hard choices -- what we most fear doing, asking, saying -- these are very often exactly what we most need to do.
Easy choices, hard life. Hard choices, easy life.
We suffer more often in imagination than in reality.
和訳 難しい選択、つまり私たちがやること、頼むこと、口に出すことをいちばん恐れているもの。それこそが、たいていの場合、まさに私たちがやるべきことなのです。簡単な選択をすれば、人生は難しくなる。難しい選択をすれば、人生は楽になる。私たちは現実よりも、想像の中で苦しむことのほうが多い。
ここが聞き取れない
- fear は1音節
- カタカナの「フィアー」は3拍ですが、英語の fear は1拍です。「フィア」と伸ばさず、短く言い切ります。何度も出てくる語なので、ここを取り違えると全体がずれます。
- hard choices が「ハーチョイセズ」に近い
- hard の d と choices の ch がぶつかると、d がほとんど消えます。「ハード・チョイセズ」と2つに割って待っていると、通り過ぎます。
- what we most fear doing のかたまり
- 5語が一息で来ます。区切れるのは fear の前だけで、what we most までは1つのかたまりです。語ごとに拾おうとせず、ここは丸ごと覚えてしまってください。
この1本の使い方
- 冒頭の2分だけを、字幕なしで3回聞く。fear という語が何回出てきたかを数えてください。意味は取れなくて構いません。
- 3つの名台詞を、音に重ねて声に出す。1文につき10回。とくに Easy choices, hard life. Hard choices, easy life. はリズムごと。
- 英語字幕で通しで1回見る。知らない語は3つまでにしぼって書き出す。全部拾おうとすると続きません。
自己啓発の話として見ると、これは「怖いことをやれ」という13分です。ですが本当に扱っているのは、想像のほうです。頭の中で大きくなった最悪の場面を、紙に書き出して縮める。2000年前のローマ人がやっていたことを、いまの言葉でやり直しています。まずは冒頭の2分だけ、字幕を消して聞いてみてください。
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よくある質問
Tim Ferriss の TED トークはどれくらいの長さですか?
13分22秒です。2017年4月のTED2017で行われた「Why you should define your fears instead of your goals(目標ではなく、恐怖を書き出すべき理由)」というトークです。
Easy choices, hard life. Hard choices, easy life. はどういう意味ですか?
「簡単な選択をすれば人生は難しくなり、難しい選択をすれば人生は楽になる」という意味です。動詞が1つも入っておらず、名詞と形容詞だけをたすきがけに並べた形で、標語のように使われます。話し手自身の言葉ではなく、トークの終わりで紹介される重量挙げの元世界王者 Jerzy Gregorek の座右の銘です。