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TED FOR LEARNERS

AdichieのTED英語|『シングルストーリーの危険性』

Chimamanda Ngozi Adichie「シングルストーリーの危険性」。4200万回再生。この19分には、難しい単語がほとんど出てきません。代わりに、同じ言葉が数えきれないほど戻ってきます。

The danger of a single story

シングルストーリーの危険性/Chimamanda Ngozi Adichie(小説家(ナイジェリア))・2009年・約19分 字幕つきで見る ↗

なぜ、これほど届いたのか

このトークは、語彙で勝負していません。出てくる単語のほとんどが、中学と高校で習うものです。

代わりに使われているのが、同じ言葉を何度も戻すという手です。storysingle story、この2語が最初から最後まで、手を変え品を変え戻ってきます。タイトルの言葉を、本文で数えきれないほど繰り返す。

これは英語のスピーチの、かなり古典的な設計です。聞き手は音を1回で理解できません。だから大事な語ほど、しつこく戻す。戻すたびに、その語が少しずつ重くなっていきます。

もうひとつは話の順番です。彼女はいきなり主張を言いません。まず自分が加害者だった話をします。子どものころ、自分もある人たちを「一つの物語」でしか見ていなかった、と。

自分を先に責めてから、聞き手に向き直る。だから19分間、誰も責められている気がしません。この順番だけでも、真似する価値があります。

名台詞

Stories matter. Many stories matter.

The single story creates stereotypes, and the problem with stereotypes is not that they are untrue, but that they are incomplete.

和訳 物語には力があります。たくさんの物語に、力があるのです。たった一つの物語は、固定観念を生みます。固定観念の問題は、それが嘘だということではありません。不完全だ、ということなのです。

ここが聞き取れない

story の t が、はっきり鳴る
アメリカ英語だと story の t は軽く弾けて「ストーリィ」に近くなりますが、彼女の t は1つずつ立っています。この1語を聞き分けられるだけで、19分の骨組みが追えます。
single の -le が、ほとんど消える
single は「シングル」より「スィングゥ」に近く聞こえます。最後の母音がほぼ鳴りません。英語の語末は、こうやって縮むのが普通です。
文の途中で、はっきり止まる
Stories matter. のあと、次の文まで間があります。速く話す人ほど詰めると思われがちですが、聞かせたい語の前後は逆に空ける。この空白も英語の一部です。

この1本の使い方

  1. 最初の90秒だけを、字幕なしで3回聞く。分からなくてかまいません。story という語が何回出たかだけ数えてください。
  2. 同じ90秒を、英語字幕つきで1回。数え間違いを確かめます。ここで「聞こえていた」と「読めていた」の差が見えます。
  3. 上の2文を声に出して10回。1文目は速く、2文目は途中の not that they are untrue をわざとゆっくり。速さを変えるだけで、意味の重さが変わるのが体で分かります。

19分を通しで見ようとしないでください。それをやると、たいてい7分あたりで集中が切れます。

このトークの値打ちは、短く切っても壊れないところにあります。最初の90秒だけでも、繰り返しの設計はきちんと見えます。

そして今日いちばん持ち帰ってほしいのは、大事な言葉は繰り返していいということです。日本語だと、同じ語を何度も使うのは幼く見えます。英語では逆で、繰り返しが力になります。

よくある質問

The danger of a single story はどんな内容のトークですか?

ナイジェリアの小説家 Chimamanda Ngozi Adichie が2009年のTEDGlobalで行った約19分のトークです。ある人や国について「たった一つの物語」しか聞かないと、その相手を誤解してしまう、という話を、自分自身の失敗から語り起こしています。

英語初心者でも聞き取れますか?

語彙は中学・高校で習う範囲がほとんどで、話す速さもゆっくりめです。ただし19分を通しで聞くのは負担が大きいので、最初の90秒だけを繰り返すところから始めてください。story という1語を追うだけでも、話の骨組みがつかめます。

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