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TED FOR LEARNERS

脳科学者が語る、脳卒中の味|Jill Bolte TaylorのTED英語

自分自身の脳で起きた脳卒中を、研究者としての目で観察した神経解剖学者Jill Bolte Taylor。左脳の機能が消えていく朝の体験を語る、TED史上もっとも語り継がれるトークの1つです。

My Stroke of Insight

脳卒中がくれた、静けさについて/Jill Bolte Taylor(神経解剖学者(脳卒中を起こした1996年当時は、ハーバード大学医学部で脳の研究をしていた))・2008年・約18分 字幕つきで見る ↗

なぜ、これほど届いたのか

このトークが強いのは、語り手が「脳を研究する専門家」でありながら、同時に「脳卒中を起こした本人」でもあるという、二重の立場から語られる点です。1996年、37歳だったTaylorは自分の脳で大規模な脳卒中を起こしました。4時間のうちに、歩くことも話すことも読むこともできなくなります。ふつうなら、怖いだけの体験です。ところが彼女は、「いま自分の左脳の働きが1つずつ消えていく」と観察する研究者の目も、同時に持っていました。

語り方にも特徴があります。専門用語をほとんど使わず、体で感じたことをそのまま言葉にしているのです。体の輪郭が分からなくなる場面も、静けさに包まれる場面も、難しい言葉は出てきません。だから、医学の話が苦手な人にも届きます。回復までに8年かかったという事実を、トークの最後に淡々と語る締め方も印象に残ります。

名台詞

I can no longer define the boundaries of my body. I can't define where I begin and where I end.

And my spirit soared free like a great whale gliding through the sea of silent euphoria.

So who are we? We are the life force power of the universe, with manual dexterity and two cognitive minds.

和訳 自分の体の輪郭が、もう分からない。どこまでが自分で、どこからが自分じゃないのか、分からないんです。私の魂は自由に舞い上がりました。静かな至福の海を泳ぐ、大きなクジラのように。では、私たちは何者なのか。私たちは、器用な手と、2つの思考する心を持った、宇宙の生命エネルギーそのものなのです。

ここが聞き取れない

boundaries の発音
ウンダリーズと、最初の音節にアクセントが来ます。日本語の「バウンダリー」のイメージのまま後ろを強く読みがちなので注意してください。この単語はトーク全体で何度も繰り返されるキーワードです。
euphoria という専門的な語
「幸福感、多幸感」という意味の語です。長い単語が、ゆっくり発音される場面なので、聞き取りの練習に向いています。この1語が拾えると、前後の文の意味もつかみやすくなります。
間の取り方
Taylorは、大事な一文の前後にはっきりと間を置いて話します。「間」のあとに来る一文("So who are we?" など)は、話の要点であることが多いので、間を聞き取りの合図として使ってください。

この1本の使い方

  1. 字幕なしで、"I can no longer define the boundaries of my body" の一文を3回聞き、boundariesのアクセント位置が拾えるか確かめる。
  2. "So who are we?" のあとに続く一文を、間の取り方をまねしながら3回声に出して読む。
  3. 自分の体の感覚を表す英単語(body / boundaries / spirit)を3つ、声に出して意味を確認する。

今日は3つの引用を音読するところまでで十分です。明日は、字幕なしで冒頭2分だけを聞き直してください。体の輪郭が分からなくなっていく場面で、boundariesという単語が聞き取れるかを確かめてみてください。聞き取れたら、次はその先の2分に進んでください。

よくある質問

このトークはどんな内容ですか?

神経解剖学者のJill Bolte Taylorが、37歳のときに自分自身の脳で経験した大規模な脳卒中について、研究者としての視点と本人としての感覚の両方から語る、2008年のTEDトークです。回復には8年かかったと語られています。

英語初心者でも聞き取れますか?

専門用語は少なく、身体の感覚をそのまま言葉にした表現が中心です。話す速さはゆっくりで、大事な文の前後に間を置く癖があるため、聞き取りの練習にも向いています。

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