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原田英語の沼 Harada Eigo no Numa

TED FOR LEARNERS

宝くじに当たっても、幸せは長続きしません|Dan GilbertのTED英語

ハーバード大学の心理学者Dan Gilbertが、2004年のTEDで語った約21分のトーク。宝くじに当たった人と、下半身が動かなくなった人の1年後を比べた研究を軸に、『幸せは自分の頭の中で作れる』という考え方を紹介します。

The surprising science of happiness

幸せについての、意外な科学/Dan Gilbert(ハーバード大学心理学教授、『幸せはいつもちょっと先にある』著者)・2004年・約21分 字幕つきで見る ↗

なぜ、これほど届いたのか

このトークが強いのは、『幸せは外から与えられるもの』という思い込みを、具体的な研究結果でひっくり返す点です。Gilbertは、宝くじに当たった人たちと、下半身が動かなくなった人たちを1年後に調べると、自分の人生をどれくらい幸せだと感じているかが同じくらいだったという研究を紹介します。多くの聴衆にとって、この2つが並ぶこと自体が意外です。ただし、この「同じくらい」という言い方は、Gilbert自身があとで言い過ぎだったと認めています。TEDのブログで本人が挙げた実際の数字は、宝くじに当たった人が4.00、比べるための一般の人たちが3.82、下半身が動かなくなった人が2.96で、最後の1つはやはり少し低かった、と説明していますTED Blog|Ten years later: Dan Gilbert on “The surprising science of happiness”)。そこから"Natural happiness is what we get when we get what we wanted, and synthetic happiness is what we make when we don't get what we wanted."(自然に手に入る幸せと、手に入らなかったときに自分の中で作り出す幸せがある)という中心の主張へつなげ人間には『心理的な免疫システム』が備わっているという考え方を示します。最後まで実験と数字で語り続けるので、精神論に流れずに納得できる構成になっています。

名台詞

Natural happiness is what we get when we get what we wanted, and synthetic happiness is what we make when we don't get what we wanted.

Human beings have something that we might think of as a psychological immune system.

A year after losing the use of their legs, and a year after winning the lotto, lottery winners and paraplegics are equally happy with their lives.

和訳 自然に手に入る幸せは、望んだものを手に入れたときに得られるもの。作られた幸せは、望んだものが手に入らなかったときに、自分の中で作り出すものです。人間には、心理的な免疫システムとでも呼べるものが備わっています。下半身が動かなくなってから1年後と、宝くじに当たってから1年後とでは、その人たちが自分の人生をどれくらい幸せだと感じているかは、同じくらいです。

ここが聞き取れない

"Natural happiness ... synthetic happiness ..." の対句
同じ文の構造を繰り返しながら、対になる2つの語(naturalとsynthetic)を並べています。この型を覚えておくと、あとに続く具体例がどちらの話なのか、聞きながら追いやすくなります。
宝くじ当選者と下半身麻痺の人を並べる部分
本来ならまったく逆の出来事として語られる2つの立場を、あえて同じ文の中で並べています。長い文ですが、"a year after ..." が2回くり返されるので、その2回を手がかりに区切って聞くと、最後の "equally happy" までたどり着けます。
"psychological immune system" という専門用語の導入
このトークでは、"psychological immune system" と言ったあとに、それがどんな仕組みなのかという言い換えがすぐ続きます。単語そのものが分からなくても、後ろの文から意味を推測する練習になります。

この1本の使い方

  1. 上の3つの引用を、意味を確認したうえで音読する。"Natural happiness ... synthetic happiness ..." は、2つの語を対比させる気持ちで読んでみる。
  2. 宝くじ当選者と下半身麻痺の人を比べる部分だけを字幕なしで聞き、"equally happy with their lives" という結論にたどり着けるか確認する。
  3. 自分が最近『手に入らなかったもの』を1つ思い出し、それでも良かったと思えた理由を英語で1文にしてみる。

今日は、この3つの引用を声に出して読むところまでで十分です。明日、何かがうまくいかなかったときに、"synthetic happiness"(自分の中で作る幸せ)という言葉を思い出してみてください。それだけで、がっかりした気持ちの受け止め方が1つ増えます。

よくある質問

Dan Gilbertは、このTEDトークで何を語ったのですか?

2004年のTEDで、幸せについての意外な研究を紹介しました。宝くじに当たった人と、下半身が動かなくなった人を1年後に比べると、自分の人生をどれくらい幸せだと感じているかが同じくらいだった、という話をもとに、人間には『心理的な免疫システム』が備わっていて、望んだものが手に入らなくても自分の中で幸せを作り出せると語っています。なお、この『同じくらい』という言い方については、Gilbert自身がのちにTEDのブログで、言い過ぎだったと認めています。

英語学習には、どんな点で役立ちますか?

naturalとsyntheticのように、対になる語を並べて説明する型が出てくるので、対比の聞き取り練習に向いています。"psychological immune system" のような専門用語のすぐあとに言い換えが続くのも、意味を推測しながら聞く練習に役立ちます。

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