アメリカのトイレの個室、なぜ隙間だらけなんですか?
アメリカ留学中に、公衆トイレの個室のドアの下と横に大きな隙間があって驚いた、という質問に回答。恥ずかしいだけの設計に見えて、実はコスト・掃除・安全という3つの実用的な理由がありました。
アメリカに留学中です。学校やモールの公衆トイレに入ったら、個室のドアの下も横も、大きな隙間だらけで驚きました。日本のトイレはほぼ完全に囲まれているのに、なぜアメリカはこんなにスカスカなんですか?正直、慣れるまで落ち着きませんでした。
アメリカに留学中の高校2年生さんより
すべての個室を同じ規格の部品で作れるようにして、コストを抑えるためというのが大きな理由です。掃除のしやすさや、緊急時に中の様子が分かる安全面も兼ねています。
隙間があるのは、コストと掃除のため
アメリカの個室(stall)の仕切りは、どの建物でも同じ規格の部品を使い回せるよう、あえて床や天井まで届かない大きさで作られています。ぴったりの寸法に合わせて特注すると、使う材料が増えるぶん値段が上がってしまうためです(Newton Distributing|Bathroom Partitions and Toilet Stall Gaps)。床の隙間は、モップが個室の下まで届くようにするための工夫でもあります。掃除の手間が減るうえ、空気が通るので、洗ったあとの床が乾きやすくなります(同記事)。
実は『安全のため』でもある
隙間には、中で具合が悪くなった人がいないかを、外から確かめられるという役目もあります。何かあったとき、ドアを壊さずに助けに入れるからです。同時に、プライバシーを少し犠牲にすることで、個室内での好ましくない行為を起こりにくくする狙いもあるとされています(Mental Floss|The Reason Public Bathroom Stalls Have Gaps)。なお、この形の始まりは掃除だったとされています。建築家フランク・ロイド・ライトが、ニューヨーク州バッファローにあったラーキン・ビルで、床を掃除しやすくするために小さな扉の仕切りを採用し、そこから業界の標準になっていったと同記事は書いています。
Why is there such a big gap under the stall door?
It's mostly to keep costs down and make cleaning easier.
- A なんで個室のドアの下に、こんな大きな隙間があるの?
- B だいたいコストを抑えるのと、掃除をしやすくするためだよ。
I was surprised by how big the gap under the stall door was.
You can see people's feet through the stall partitions here.
The gaps make it easier for cleaning staff to mop the floor.
- ① 個室のドアの下の隙間の大きさに驚いた。
- ② ここでは仕切りの隙間から人の足が見える。
- ③ 隙間のおかげで、清掃スタッフが床をモップがけしやすくなっている。
慣れるまで落ち着かないのは自然な反応です。でも、隙間があるのは手抜きではなく、コストと掃除と安全を考えた、れっきとした設計だと分かれば、少し気が楽になるはずです。次に誰かと話すときは、"Back home, our stalls don't have gaps like this."(私の国では、個室にこんな隙間は無いんだ)と伝えてみると、文化の違いの話で盛り上がれます。
動画で見る
このコーナーは、いただいた質問でできています。どんなに小さな疑問でも お問い合わせフォーム からお送りください。
1問だけ
アメリカの公衆トイレの個室に隙間がある理由として、本文で説明されているものは?
よくある質問
アメリカのトイレの個室に隙間があるのはなぜですか?
どの建物でも同じ規格の部品を使い回せるようにしてコストを抑えるためです。床の隙間はモップが届きやすくなり掃除の手間を減らし、中の様子が外から分かることで緊急時の安全確認にも役立ちます。
この設計はいつごろから広まったのですか?
はっきりした年代は分かっていませんが、建築家フランク・ロイド・ライトがニューヨーク州バッファローのラーキン・ビルで、床を掃除しやすくするために小さな扉の仕切りを採用し、そこから業界の標準になっていったとされています。