テーブルマナーの手の位置は?フランスは上、アメリカはなぜ膝の上なんですか?
フランスでは、食べていないときも両手をテーブルの上に出しておくのがマナーです。アメリカでは、片手を膝に置くよう教わります。1530年と1922年のマナーの本に、それぞれの教えがすでに書かれています。
アメリカに住んでいたいとこに「食事中、使っていない手は膝の上」と教わりました。ところがフランス人の友だちの家でそうしたら、「手はテーブルの上に出して」と言われてしまいました。どっちが正しいんですか? なぜ国によって逆なんですか?
高校1年生さんより
どちらも、その国では正しいマナーです。「両手をテーブルの上に」は1530年の本に、「食べていないときは手を膝に」は1922年のアメリカの本に、すでに書かれています。
フランスは「両手をテーブルの上」、アメリカは「片手を膝の上」
フランス語学習サイトの French Today で、カミーユ・シュヴァリエさんがこう書いています。「フランスの食卓では、両手を皿の両側に置き、テーブルの上に出しておきます。テーブルの下の膝の上には、決して置きません」(French Today|Mastering French Table Etiquette)。
シュヴァリエさんは、アメリカで感謝祭の食事に招かれたとき、アメリカのやり方に合わせて手を膝に置こうとしました。ところが、ナイフやフォークを使うたびに、手がテーブルの上に戻ってしまったそうです(同じページ)。
ホテルや観光を教える学校 Les Roches の記事も、同じ違いを書いています。ヨーロッパの多くの国では、食卓で手を膝に置くのは強く避けられます。アメリカでは逆で、食べていないときは少なくとも片手を膝に置くことが求められる、という説明です(Les Roches|US vs European dining)。
1530年のマナーの本は「両手をテーブルの上に」と書いていました
オランダ生まれの学者エラスムスは、1530年に子ども向けのマナーの本をラテン語で書きました。11歳の男の子にあてた本で、すぐに広まり、たくさんの言葉に訳されています(Wikipedia|De civilitate morum puerilium)。
その本のフランス語訳(1877年)には、こう書かれています。「席に着いたら、両手をテーブルの上に置きなさい。手を組んで皿の上に置いてはいけない」(Wikisource|La Civilité puérile 第4章)。
同じ本は、ひじをテーブルにつくのは、お年寄りか病気の人だけが許されることだ、とも書いています(同じページ)。
ただし、この本は「なぜ手をテーブルの上に置くのか」の理由を書いていません。「武器を隠していないと見せるため」という説もよく紹介されますが、確かめられる歴史の資料は見つけられませんでした。
アメリカのエミリー・ポストは「手を膝に」と教えました
アメリカのマナーの本で有名なのが、エミリー・ポストの『Etiquette』(1922年)です。子どもの食卓のしつけを書いた章に、こうあります。
「背すじを伸ばして座り、食べていないときは手を膝に置く。これは子どもにはとても難しいが、言い聞かせなければならない」(Project Gutenberg|Emily Post『Etiquette』)。
理由も書かれています。そうしないと、だらしない姿勢になり、体があちこちに傾いたり、手の届く物を指でいじったりするようになるから、という説明です(同じ本)。
つまりアメリカでは、手を膝に置くことは「行儀よく座る」ための教えでした。同じ「行儀よく」でも、フランスとアメリカでは手の置き場所が逆になったわけです。
Is everything okay? Your hand is under the table.
Oh, in America I was taught to keep one hand in my lap.
Here in France, we keep both hands on the table.
Got it. Thanks for telling me.
- A 大丈夫? 手がテーブルの下にあるけど。
- B ああ、アメリカでは、片手を膝に置くように教わったんだ。
- A ここフランスでは、両手をテーブルの上に出しておくの。
- B 分かった。教えてくれてありがとう。
Where should I put my hands during dinner?
In France, keep both hands on the table.
Please don't put your elbows on the table.
- ① 食事のあいだ、手はどこに置けばいいですか?
- ② フランスでは、両手をテーブルの上に出しておいてね。
- ③ テーブルにひじをつかないでね。
フランスの食卓では両手をテーブルの上に、アメリカの食卓では使っていない手を膝の上に置きます。迷ったら、その場で Where should I put my hands?(手はどこに置けばいいですか?)と聞いてみてください。
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1922年のエミリー・ポストの本は、子どもが食べていないときの手をどこに置くよう書いていますか?
よくある質問
フランスで食事中に手を膝の上に置くのは失礼ですか?
フランスでは、両手を皿の両側に置き、テーブルの上に出しておくのがマナーとされています。手を膝の上に置くのは避けたほうがよいでしょう。
食事中の手の位置を、英語で聞くには何と言いますか?
Where should I put my hands during dinner?(食事のあいだ、手はどこに置けばいいですか?)と聞けます。