アメリカのレストランで氷水が無料で出てくるのはなぜですか?
アメリカに短期留学中の生徒から届いた質問に回答。アメリカのレストランで氷がぎっしり入った水が無条件に出てくる習慣は、19世紀に氷を安く売り歩いた『氷の王』の商売と、お酒の代わりに水を勧める運動が重なって根づいたものです。
アメリカに短期留学中、レストランに入ったら頼んでもいないのに氷がぎっしり入った水がすぐに出てきました。しかも無料です。日本ではお冷がセルフのお店もあるし、ヨーロッパでは水を頼むとお金がかかるとも聞きます。なぜアメリカだけ、こんなに気前よく氷水を出してくれるんですか?
アメリカに短期留学中の高校生さんより
19世紀のアメリカで氷が驚くほど安くなり、『冷たい飲み物をタダで出す』ことが客を呼ぶ宣伝になったからです。そこに、お酒をやめさせようとする運動が冷たい水を勧めたことも重なって、氷水はいつしかアメリカの当たり前になりました。
氷を安くした男が、習慣まで作った
19世紀初め、フレデリック・テューダーという商人が、ニューイングランドの湖で切り出した氷を、暖かい地域まで船で運ぶ商売を始めました(Deseret News|Why Americans love ice water so much)。客に冷たい飲み物をまず無料で出し、そのおいしさに慣れさせてから代金を取る、という売り方でした。1850年には、年間10万トンもの氷が出荷されるまでになり、1860年代にはボストンやニューヨークの家庭の3分の2が、毎日氷の配達を受けていたといいます(前掲Deseret News)。作家マーク・トウェインは、『アメリカらしい』と呼べるものは1つしかない、それはみんなが氷水を愛していることだ、と書き残しています(前掲Deseret News)。
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お酒をやめさせたい人たちも、水を後押しした
同じ19世紀のアメリカでは、お酒をやめさせようとする運動(禁酒運動)も盛んでした。この運動は冷たい水を『いちばん道徳的な飲み物』『天国で飲まれている唯一の飲み物』と呼んで勧めています(Restaurant-ing through history|That glass of water)。食事に水を無料で付けた最初の記録は1840年代で、ニューヨークとボストンに水道が引かれた時期と重なります(前掲Restaurant-ing through history)。1876年のアメリカ建国100年記念の博覧会では、禁酒団体が会場でのお酒の販売を止められず、代わりに無料の氷水の水飲み場を設けました(前掲Restaurant-ing through history)。1957年には、ニューヨーク・タイムズのフードライター、ジューン・オーウェンが『水は必ず出すべきだ。とくにこの国では』と書いています(Tedium|Water Consumption at Restaurants: Why?)。
Here's your water. Let me know when you're ready to order.
Wow, thanks! I didn't even ask for this.
- A お水をどうぞ。ご注文が決まりましたらお呼びください。
- B わあ、ありがとうございます。頼んでもいないのに。
Could I get some water, please?
Would you like ice in your water?
No ice for me, please.
- ① お水をいただけますか。
- ② お水に氷は入れましょうか。
- ③ 氷は入れないでください。
次にアメリカのレストランに入ったら、氷水が出てくる速さをよく見てみてください。もし氷が苦手なら、"No ice, please."(氷は入れないでください)とその場で伝えれば大丈夫です。逆にヨーロッパへ行くときは、水が有料になる店も多いことを覚えておくと、注文のときに慌てずに済みます。
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1問だけ
アメリカで氷水が無料で出る習慣について、本文の説明として正しいものはどれですか?
よくある質問
なぜアメリカのレストランでは、頼まなくても氷水が出てくるのですか?
19世紀に商人フレデリック・テューダーが氷を安く売り歩き、冷たい飲み物を無料で出して客に慣れさせる商売を広めたためです。同じ頃、お酒の代わりに水を勧める運動もあり、この2つが重なって氷水を無料で出す習慣が根づきました。
氷水がいらないときは、どう伝えればいいですか?
"No ice, please."(氷は入れないでください)と伝えれば大丈夫です。水そのものを断りたいときは、注文の際に "I'm fine, thank you." のように伝えれば問題ありません。