アメリカのお札はなぜ全部同じ大きさなんですか?
アメリカのドル札は、1ドルも100ドルも同じ大きさです。2006年には裁判所が「お札の大きさと色が全部同じなのは、180か国の中でアメリカだけ」と指摘しました。なぜ変えないのか、これからどうなるのかを、裁判の記録から紹介します。
アメリカのお札って、1ドルも100ドルも同じ大きさだと聞きました。日本のお札は、千円札より一万円札のほうが長いですよね。アメリカの人は、払うときに間違えないんですか? どうして全部同じにしているんですか?
高校1年生さんより
アメリカのお札は、1920年代の終わりに今の大きさに小さくなってから、どの額面も同じ大きさです。大きさを変えると、自動販売機などが高く複雑になる、という反対があり、今も変わっていません。
1920年代の終わりに小さくなり、それから全部同じ大きさです
いまのドル札は、どの額面も同じ大きさです。平均すると、横約15.6cm・縦約6.7cmです(Wikipedia|Federal Reserve Note)。
それより前のお札は、横約18.9cm・縦約8.0cmと、もっと大きいものでした(同じ記事)。連邦準備券(いま使われているドル札)が今の小さな大きさになったのは、1929年です(Wikipedia|Banknotes of the United States dollar)。アメリカの歴史専門チャンネル HISTORY の記事は、お札を小さくしたのは製造の費用を下げるためだった、と書いています(HISTORY|Why is American currency green?)。
日本のお札は、縦はどれも76mmですが、横の長さが違います。千円券が150mm、二千円券が154mm、五千円券が156mm、一万円券が160mmです(日本銀行|お札はどのくらいの大きさですか?)。
2006年、裁判所は「180か国の中でアメリカだけ」と言いました
大きさが同じで困るのは、目の見えない人です。指で触っても、1ドルか100ドルかが分かりません。
2002年、アメリカ盲人協議会(American Council of the Blind)が、国の財務省を訴えました。2006年11月28日、連邦地方裁判所のジェームズ・ロバートソン判事は、紙幣を出している180か国の中で、大きさと色が全部の額面で同じなのはアメリカだけだと指摘しました。そして、今のお札は目の見えない人に不当な負担をかけていて、法律に反している、と判断しました(Wikipedia|American Council of the Blind v. Paulson)。
財務省は控訴しましたが、2008年5月20日、控訴裁判所も2対1でこの判断を支持しました(同じ記事)。
ちなみに、2004年からは、1ドル札と2ドル札以外のお札に色が付けられ、見分けやすくなっています(Wikipedia|Banknotes of the United States dollar)。
大きさを変えない理由は、機械とお金でした
裁判では、政府側の弁護士が費用を見積もりました。額面ごとに大きさを変えて刷ると、最初に1億7800万ドル、毎年5000万ドルかかる、という見積もりです。ただ、控訴裁判所は、この見積もりは大きすぎると判断しています。
お札の大きさを額面ごとに変える案は、前にも検討されたことがあります。そのときは、自動販売機や両替機のメーカーが、大きさがばらばらになると機械が高く複雑になる、と主張し、その主張が通りました(Wikipedia|American Council of the Blind v. Paulson)。
裁判のあと、国の印刷局は、新しく作り直すお札に、指で触って分かる印を入れる計画を立てました。数字を大きく、見やすくすることや、お札を読み取る機械(currency reader)を配ることも計画に入っています。ただし1ドル札は別です。2009年の法律で、1ドル札の作り直しに予算を使うことが禁じられました(同じ記事)。
この話の動画
Wait, is this a one or a twenty? They look the same.
Check the number. All our bills are the same size.
In Japan, the bigger the bill, the longer it is.
That sounds a lot easier.
- A 待って、これって1ドル? 20ドル? 同じに見える。
- B 数字を見てね。こっちのお札は全部同じ大きさなんだ。
- A 日本では、額が大きいお札ほど長いんだよ。
- B そのほうがずっと楽そうだね。
All US bills are the same size.
Japanese bills come in different sizes.
Can you tell a one-dollar bill from a hundred by touch?
- ① アメリカのお札は、全部同じ大きさです。
- ② 日本のお札は、大きさがいろいろあります。
- ③ 1ドル札と100ドル札を、触って見分けられますか?
アメリカで買い物をするときは、お札を出す前に数字を確かめてください。日本のお札を説明するなら、こう言えます。Japanese bills come in different sizes.(日本のお札は、大きさがいろいろあります。)come in は「〜の種類がある」で、服のサイズや色の話にもそのまま使えます。
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1問だけ
2006年、アメリカの裁判所の判事は、お札について何と指摘しましたか?
よくある質問
アメリカのお札はなぜ全部同じ大きさなのですか?
1920年代の終わりに今の小さな大きさになってから、どの額面も同じ大きさで刷られています。大きさを変えると自動販売機などが高く複雑になる、という反対があり、変わっていません。
目の見えない人は、ドル札をどう見分けるのですか?
お札を読み取る機械(currency reader)を使う方法があります。2006年の裁判のあと、国の印刷局は、新しく作り直すお札に指で触って分かる印を入れる計画を立てました。