Shotgun!の意味は?|助手席は先に言った者勝ち
車に乗り込む前にひと言叫ぶだけで、助手席が自分のものになります。由来は「危険な狩りに行くとき」ではなく、もっと物騒な仕事でした。しかも、その時代には誰も使っていなかった言葉です。
Shotgun!
ショットガン!
助手席に座る権利を、真っ先に宣言する掛け声
a shout that claims the front passenger seat of a car before anyone else can
こんなときに使います
友達や家族と、これから車に乗り込もうという瞬間に使います。玄関を出て、車が見えたところが勝負の始まりです。
ひと言、Shotgun! と叫ぶだけです。文にする必要はありません。
言われた側は、たいてい素直に諦めます。早い者勝ちのルールを、その場にいる全員が知っているからです。
よく知られた不文律に、「車が目に入る前には言えない」というものもあります。家の中で叫んでも無効、というわけです。
Whoa, is that Dad's car?
Shotgun!
No fair, you always call it first.
Rules are rules.
- A あ、パパの車来た!
- B 助手席もらった!
- A ずるいよ、いつも先に言うじゃん。
- B ルールはルールだよ。
この言い方の、裏側
絵には「昔、危険な狩りに行くとき、助手席(=一番安全な席)に座る人が shotgun を持ったことから」と書かれています。調べてみると、もう少し物騒な話が出てきました。
舞台は19世紀アメリカの駅馬車です。御者の隣には、銃を持った護衛が座りました。狩りではなく、馬車を襲う強盗から、積み荷や乗客を守るための役目でした。近距離で確実に当てられる散弾銃(shotgun)が、護衛の得物として選ばれたのです。
ところがMental Flossの調査によると、駅馬車が実際に走っていた時代に「shotgun」という呼び名が使われた記録は、1つも見つかっていません。
記録として確認できる最初の例は1921年のパルプ小説。護衛の男が "ridin' shotgun for Wells Fargo" と呼ばれています。1939年のジョン・ウェイン主演映画『駅馬車』にも "I'm gonna ride shotgun." というせりふが出てきます。
1950年代、テレビが西部劇であふれた時代に、この言い方は一気に広まりました。1954年には『Riding Shotgun』という映画まで作られています。馬車の護衛から、車の助手席へ。意味が乗り物ごと引っ越したのは、このころです。
I call shotgun!
Sorry, my brother already called shotgun.
You got shotgun last time, so it's my turn.
- ① 助手席、私!
- ② ごめん、もう弟が助手席取っちゃった。
- ③ この前は君が助手席だったから、今度は私の番。
shotgun は動詞のように使えます。call shotgun(助手席を宣言する)とhave shotgun(助手席に座る権利がある)の2つを覚えれば十分です。単独で Shotgun! と叫ぶだけでも通じます。
Also
- Bagsy! イギリスで使われる、似た意味の「先取り」の掛け声
- Not it! 逆に「その役はやらない」と先に宣言する言い方
- Race you to the car! 先に車まで着いた人が勝ち、という誘い方
原田先生のひとこと
日本語にも「助手席もらった!」はありますが、1語で、しかもルールとして全員が守る言い方は思いつきません。
面白いのは、この掛け声が本来の仕事(強盗を撃退すること)をとっくに忘れて、席取りの言葉だけが生き残ったことです。もう銃を持つ必要はありません。
しかも、実際に馬車が走っていた時代には誰も言っていなかった、というのが痛快です。西部劇が広めた「らしさ」が、いまも私たちの車の中に残っているわけです。
次に海外ドラマで誰かが Shotgun! と叫んだら、その人はいま、助手席を狙っています。
1問だけ
「助手席、私が先に取った!」と英語で言うと?
よくある質問
Shotgun! とはどういう意味ですか?
車に乗るとき、助手席に座る権利を真っ先に宣言する掛け声です。I call shotgun. または単独でShotgun!と叫んで使います。よく知られた不文律として、車が目に入る前には言えない、というルールもあります。
shotgunの由来は何ですか?
19世紀アメリカの駅馬車で、御者の隣に座って強盗から積み荷を守った、銃を持つ護衛に由来するとされています。ただしMental Flossの調査によると、駅馬車の時代そのものにこの呼び方が使われた記録はなく、確認できる最初の例は1921年のパルプ小説です。1950年代にテレビの西部劇ブームで広まり、車の助手席を指す今の意味に定着しました。