指で歩くロボットの手|スイスの大学が、手だけで動くロボットを作りました
スイスのチューリッヒ工科大学(ETH Zurich)のチームが、腕も体も無い、手だけのロボットを作りました。指先で床を歩き、転んでも起き上がり、キーボードのキーも押せます。『アダムス・ファミリー』の、ひとりでに歩く手 Thing(シング)を思い出す人もいるかもしれません。
A Hand That Walks
Scientists in Switzerland have made a robot hand that can walk.
It has no arm and no body.
It walks on its fingertips.
A small computer and a battery ride on its back.
The team did not teach it every move.
Instead, the hand practiced walking inside a computer first.
Then it walked on fourteen different surfaces, like grass and gravel.
When it fell over, it got up 21 times out of 25.
It can also press keys on a keyboard and push a small cube.
Does this remind you of something?
In The Addams Family, a hand named Thing walks around by itself.
Now a real Thing is here!
The team says the hand could help people one day.
It could go into small spaces where a big robot can't fit.
(134 words)
出典:IEEE Spectrum|This Disembodied Hand Is All the Robot You Need(2026年10月8日)
今日の語句
全文和訳
スイスの科学者たちが、歩けるロボットの手を作りました。腕も体もありません。指先で歩くのです。小さなコンピューターと電池が、手の甲に乗っています。チームは、動きを1つずつ教えたわけではありません。そのかわり、手はまずコンピューターの中で歩く練習をしました。そのあと、草の上や砂利の上など、14種類の地面を歩きました。倒れたときは、25回のうち21回、自分で起き上がりました。キーボードのキーを押したり、小さな立方体を押して動かしたりもできます。何かを思い出しませんか?『アダムス・ファミリー』には、ひとりでに歩き回る Thing(シング)という手が出てきます。本物の Thing が、ついに現れたのです!チームは、この手がいつか人の役に立つかもしれない、と言っています。大きなロボットが入れない、せまい場所に入っていけるかもしれないのです。
まず「コンピューターの中」で歩き方を覚えた
作ったのは、スイスのチューリッヒ工科大学(ETH Zurich)です。その中の Soft Robotics Lab(ソフトロボティクス研究室)のチームです。売られているロボットの手に、80グラムの「リュック」を背負わせました。中身は電池と、動きや傾きを測るセンサーと、小さなコンピューターの Raspberry Pi Zero です(IEEE Spectrum|2026年10月8日)。
チームは、手を動かす指示を1つずつ書いたのではありません。コンピューターの中に作ったまねの世界で、何度も試させて覚えさせました。うまくいくとほめられる形で学ぶ「強化学習」というやり方です(同じ記事)。
IEEE Spectrum によると、手は床や金属の格子、草、砂利など14種類の地面を歩きました。倒れたときは、25回のうち21回、自分で起き上がっています(同じ記事)。研究をまとめた論文の題は「Fingers as Legs」、つまり「脚としての指」です(arXiv|Fingers as Legs)。
この話の動画
「ロボットの残りが無くても、手だけでどこまでできるか」
研究を率いたのは Amirhossein Kazemipour さんです。ロボットの残りの部分が無くても、手だけでどこまでできるかを見てみたかった、と話しています(IEEE Spectrum)。
チームが考えている使い道は、工場の細かい保守作業や、災害のときの救助です。救助では、ロボットの体から手だけが外れて、せまい場所を探りに行く、という形です(同じ記事)。ただし、まだそういう場所で実際に使われたわけではありません。
IEEE Spectrum の記事も、『アダムス・ファミリー』の歩く手に触れています。英文の Does this remind you of something? は「何か思い出しませんか?」。remind A of B(AにBを思い出させる)の形で、会話でもよく使います。
1問だけ
本文の内容に合うものはどれですか?
よくある質問
指で歩くロボットの手は、どこが作ったのですか?
スイスのチューリッヒ工科大学(ETH Zurich)の Soft Robotics Lab です。売られているロボットの手に、電池とセンサーと小さなコンピューターを背負わせて、指先で歩けるようにしました。
ロボットの手は、どうやって歩き方を覚えたのですか?
コンピューターの中に作ったまねの世界で、何度も試して覚える「強化学習」というやり方で覚えました。そのあと、本物の手で14種類の地面を歩いています。