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DAILY ENGLISH

dordの意味は?13年間辞書にいた幻の単語

1934年のウェブスター大辞典に、dord という単語が載りました。意味は「密度」。ただし、この単語を口にした人間は、地球上に1人もいませんでした。

The Word That Never Existed

In 1934, an American dictionary printed a word that did not exist.

The word was "dord," and it meant "density."

It sat on page 771, right after "Dorcopsis."

Nobody had ever said this word out loud.

Here is how it happened.

In 1931, a chemistry editor sent in a small paper slip.

The slip read, "D or d, cont./density."

He only meant that D can be short for density.

But the letters were typed with spaces between them.

So "D or d" looked like one word: "Dord."

Nobody caught the mistake for five years.

In 1939, an editor noticed that dord had no word history.

He wrote "Imperative, urgent!" on a note.

Even so, dord stayed in the dictionary until 1947.

Years later, one editor called losing dord "probably too bad."

After all, why shouldn't dord mean density?

(139 words)

出典:Smithsonian Magazine|As "Dord" Shows, Being in the Dictionary Doesn't Always Mean Something's a Word

今日の語句

exist 存在する to be real, or to be there
slip 紙片、メモ用の小さな紙 a small piece of paper for a short note
density 密度 how heavy something is for its size
catch (間違いに)気づく、見つける to notice a mistake before it causes trouble
urgent 緊急の、大至急の needing to be done right now

全文和訳

1934年、あるアメリカの辞書が、存在しない単語を印刷しました。その単語は dord。意味は「密度」でした。771ページ、Dorcopsis のすぐ次に載っていました。この単語を声に出した人は、1人もいませんでした。何が起きたのか、説明します。1931年、化学担当の編集者が、小さな紙片を1枚送りました。紙片にはこう書かれていました。「D or d, cont./density」。「Dは density の略にもなる」と伝えたかっただけです。ところが、文字は1つずつ間を空けて打たれていました。そのため D or d が、Dord という1つの単語に見えたのです。5年間、誰もこの間違いに気づきませんでした。1939年、ある編集者が、dord には語の来歴が無いことに気づきます。彼はメモに「至急、緊急!」と書きました。それでも dord は、1947年まで辞書に残り続けました。何年もあとになって、ある編集者は dord を失ったことを「たぶん、惜しいことをした」と書いています。だって、dord が「密度」を意味してはいけない理由が、どこにあるでしょう。

「辞書に載っている」は、証明ではない

英語で言い争いになったとき、最後に出る一言があります。「辞書に載ってるよ」。あれで話が終わります。

dord は、その一言を静かに壊します。誰も使っていない。誰も言ったことがない。それでも、13年間ずっと辞書に載っていた。

こういう単語を、辞書を作る人たちは ghost word(ゴーストワード、幽霊単語)と呼びます。ウェブスター側が「うちの幽霊単語は、後にも先にも dord だけ」と認めているのが、また可笑しいところです。

そして、いちばん好きなのが最後の場面です。間違いだと分かって消したあと、編集者が「消してしまって、たぶん惜しいことをした」と書き残している。辞書を作る人が、自分たちの誤植に情が移っている。

単語は、辞書に載ったから本物になるのではありません。誰かが使って、誰かに伝わって、はじめて本物になる。dord は、その順番を13年ぶんまるごと飛ばしてしまった単語です。

この話の動画

Anne Curzan: What makes a word "real"? (TED) 辞書を作っている側から見た「本物の単語」の話。dord の一件が、この17分の裏づけになります

1問だけ

dord が辞書に載ってしまった原因は?

よくある質問

dord とはどういう意味の単語ですか?

本当は存在しない単語です。1934年のウェブスター新国際辞典 第2版に「密度」を意味する名詞として載りましたが、実際に使われたことは一度もありません。1939年に誤りが見つかり、1947年に削除されました。

ゴーストワード(ghost word)とは何ですか?

誤植や読み違いから生まれ、実際には使われていないのに辞書に載ってしまった語のことです。dord はその代表例で、メリアム・ウェブスター社は自社の辞書で唯一のゴーストワードだとしています。

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