🗣️ ENGLISH VOCABULARY DEEP DIVE
英語で「下品」「下ネタ」は
なんと言う?
──ネイティブが使い分ける
15の表現を完全解説
vulgar? dirty? crude? rude?──似ているようで全然違う。
知らないと恥をかく「品のなさ」の英語表現マスターガイド
「下品なジョークだな〜」「あの人、すぐ下ネタ言うよね」
──日本語では一言で済むこの表現、英語にすると意外なほど多くの単語があります。
しかも、それぞれニュアンスが微妙に違う。
間違えると「ちょっと品がない人」から「最低な人間」まで、印象が激変します。
1「下品」と「下ネタ」は英語では別モノ──まず整理しよう
日本語の「下品」と「下ネタ」は日常的によく使われますが、実は英語ではまったく異なるカテゴリーの言葉で表現されます。まずこの違いを整理しましょう。
🎭
下品(げひん)
品位がない、上品でない、エレガントでない
→ ゲップ、大声で笑う、服装、態度、言葉遣い全般
英語のキーワード:vulgar / crude / rude / coarse
🔞
下ネタ(しもネタ)
性的な話題、排泄に関するジョーク
→ エッチなジョーク、トイレの話、性的ほのめかし
英語のキーワード:dirty joke / blue humor / bawdy
つまり、「下品」は人の態度や品性全般を評価する言葉であり、「下ネタ」は特定のジャンルのユーモアを指します。英語ではこの2つがはっきり分かれているため、それぞれに対応する単語を知っておく必要があるのです。
💡
日本語では「あの人、下品だよね」と「あの人、下ネタばっかり言うよね」はかなり近い意味で使われますが、英語では “He’s vulgar”(下品な人だ)と “He tells dirty jokes”(下ネタを言う人だ)ではニュアンスがかなり違います。前者は人格全体への評価、後者はユーモアのスタイルについてです。
2「下品」を表す英語6選──vulgar / crude / rude / coarse / tacky / tasteless
まずは「下品」=品がない、上品でないことを表す英語表現から見ていきましょう。似ているようで、それぞれ攻撃度やフォーマル度が異なります。
下品度 ★★★★☆
① Vulgar(ヴァルガー)
品位が低い、粗野な、下品な
日本語の「下品」に最も近い英語。言葉遣い、行動、趣味すべてに使える万能ワード。もともとラテン語の vulgaris(一般大衆の)に由来し、「教養のない、洗練されていない」という意味合いが強い。
例:“His vulgar jokes made everyone uncomfortable.”
(彼の下品なジョークは皆を不快にした)
下品度 ★★★☆☆
② Crude(クルード)
粗野な、洗練されていない、直接的すぎる
「crude oil(原油=精製されていない油)」と同じ語源。つまり「磨かれていない、生のまま」というニュアンス。言葉やユーモアが「ストレートすぎて品がない」時に使う。
例:“That was a pretty crude thing to say.”
(それはかなり粗野な発言だったね)
下品度 ★★☆☆☆
③ Rude(ルード)
無礼な、失礼な、マナーが悪い
「下品」というより「失礼、無作法」のニュアンスが強い。ただし、イギリス英語では “rude joke” で「下ネタ」の意味でも使われる。文脈次第で意味が変わる要注意ワード。
例:“Don’t be so rude!”(そんなに失礼なことしないで!)
🇬🇧 例:“He told a rude joke.”(彼は下ネタを言った)← イギリス英語
下品度 ★★★☆☆
④ Coarse(コース)
粗い、がさつな、下品な
布地の「粗い」と同じ単語。人に使うと「ガサツで繊細さがない」という意味。やや文語的・フォーマルな響きがあり、新聞や書籍でよく見かける。
例:“He has a very coarse sense of humor.”
(彼はとてもがさつなユーモアセンスだ)
下品度 ★★☆☆☆
⑤ Tacky(タッキー)
ダサい、安っぽい、趣味が悪い
直接的に「下品」というより、「センスがない、安っぽい」のニュアンス。服装、インテリア、行動に幅広く使える。カジュアルな会話で頻出。
例:“That gold-plated phone case is so tacky.”
(あの金メッキのスマホケース、超ダサい)
下品度 ★★☆☆☆
⑥ Tasteless(テイストレス)
趣味が悪い、無神経な、品のない
文字通り「taste(センス)がない」。特にジョークが無神経・不謹慎な時に使う。”a tasteless joke” は「不謹慎なジョーク」の意味で、必ずしも性的な内容とは限らない。
例:“Making jokes about the accident was really tasteless.”
(あの事故についてジョークを言うのは本当に無神経だった)
3「下ネタ」を表す英語6選──dirty joke / blue humor / bawdy / risqué / raunchy / off-color
ここからは日本語の「下ネタ」=性的・排泄系のユーモアに対応する英語表現を見ていきます。下品さの度合い(マイルド〜ヘビー)で使い分けるのがポイントです。
最も一般的 ⭐
① Dirty joke(ダーティージョーク)
下ネタ、下品なジョーク
日本語の「下ネタ」に最もピッタリくる英語。性的な内容やトイレ系のユーモアを含むジョーク全般を指す。ネイティブが最もよく使う表現。
例:“He’s always telling dirty jokes at parties.”
(彼はパーティーでいつも下ネタばかり言っている)
語源が面白い 🎭
② Blue humor / Blue joke(ブルーユーモア)
下ネタ系のユーモア(特に露骨なもの)
なぜ「ブルー(青)」なのか?一説によると、20世紀初頭のアメリカのボードビル(大衆演芸)で、下品な演目に「青い紙」で警告が出されていたことに由来するとされている。”dirty joke” より少し文学的・批評的な響きで、コメディの評論などでよく使われる。
例:“The comedian is known for his blue humor.”
(そのコメディアンは下ネタ系のユーモアで有名だ)
シェイクスピア級 📜
③ Bawdy(ボーディ)
卑わいな、みだらな(だが陽気な)
性的な内容を含むが、どこか陽気で楽しげなニュアンスを持つ。シェイクスピアの作品にも頻出する古風な語で、「大らかなエロユーモア」の印象。やや文語的で、日常会話よりは文学批評や書籍レビューで多用される。
例:“Shakespeare’s plays are full of bawdy humor.”
(シェイクスピアの作品は卑わいなユーモアに満ちている)
おしゃれ寄り ✨
④ Risqué(リスケイ)
きわどい、際どい(上品な下ネタ)
フランス語由来の単語。性的なほのめかしはあるが、直接的ではなく洗練されているニュアンス。「下ネタ」の中でも最も品のあるレベル。映画レビューなどで「少し大人向けだけど楽しめる」という意味で使われることが多い。
例:“The movie has some risqué scenes.”
(その映画にはいくつかきわどいシーンがある)
かなり露骨 🔥
⑤ Raunchy(ローンチー)
エロい、生々しく下品な
risqué よりずっと直接的で露骨にセクシャルな内容を指す。映画、コメディ、会話などで「かなりエロい」と言いたい時に使う。カジュアルな口語表現。
例:“That was a pretty raunchy comedy show.”
(あれはかなりエロい笑いのショーだったね)
婉曲表現 🎩
⑥ Off-color(オフカラー)
品位を欠いた、不適切な(ユーモアについて)
「色(color)が外れている」=品位の基準から外れている、の比喩。“dirty” よりやや上品な婉曲表現で、フォーマルな場やメディアで「下ネタ」に言及する際によく使われる。性的な内容だけでなく、人種や宗教に関する不適切なジョークにも使える。
例:“The speaker made some off-color remarks.”
(その登壇者はいくつか不適切な発言をした)
“
“A dirty joke is a sort of mental rebellion.”
「下ネタとは、一種の精神的な反逆である」
── ジョージ・オーウェル
4さらにキツい「卑猥・わいせつ」の英語3選──lewd / obscene / filthy
ここからは「下品」「下ネタ」のさらに上のレベル。法的にも問題になりうるレベルの「卑猥・わいせつ」を表す英語です。使う場面には十分注意してください。
⚠️ 要注意レベル
⑬ Lewd(ルード)
みだらな、わいせつな、好色な
法律用語としても使われる強い言葉。”lewd behavior”(わいせつ行為)は逮捕される可能性のある行為を指す。日常会話でも「かなりセクシャルで不快」というニュアンス。
例:“He was arrested for making lewd gestures in public.”
(彼は公共の場でわいせつなジェスチャーをして逮捕された)
⚠️ 要注意レベル
⑭ Obscene(オブシーン)
猥褻な、不道徳な、ひどく不快な
「わいせつ」の法律用語としても最も一般的な英語。日常会話では「道徳的に受け入れられないレベルの下品さ」を表す。性的な内容以外にも「法外な(obscene profit = 不道徳なほどの利益)」のように使われる。
例:“The book was banned for its obscene content.”
(その本はわいせつな内容で発禁になった)
⚠️ 要注意レベル
⑮ Filthy(フィルシー)
汚らしい、不潔なほど下品な
「汚い(filth)」から来た言葉。性的な文脈で使うと「嫌悪感を催すほど下品」の意味に。ただし、”filthy rich”(めちゃくちゃ金持ち)のように強調語としても使われる面白い一面も。
例:“The play was full of filthy language.”
(その劇は汚らしい言葉に満ちていた)
5一覧表で完全整理!15語の「下品レベル」マッピング
ここまでの15語を一気に比較できる表にまとめました。保存して辞書代わりに使ってください。
| 英語 |
日本語 |
下品レベル |
対象 |
文体 |
| Vulgar |
下品な |
★★★★☆ |
人・言動・趣味 |
万能 |
| Crude |
粗野な |
★★★☆☆ |
言葉・態度 |
口語〜文語 |
| Rude |
無礼な / 下ネタの🇬🇧 |
★★☆☆☆ |
態度・ジョーク |
口語 |
| Coarse |
がさつな |
★★★☆☆ |
言動・ユーモア |
やや文語 |
| Tacky |
ダサい・安っぽい |
★★☆☆☆ |
服装・装飾・行動 |
口語 |
| Tasteless |
無神経な |
★★☆☆☆ |
ジョーク・行動 |
万能 |
| Dirty joke |
下ネタ ⭐最頻出 |
★★★☆☆ |
ジョーク |
口語 |
| Blue humor |
下ネタ系ユーモア |
★★★☆☆ |
コメディのジャンル |
やや文語 |
| Bawdy |
卑わいな(陽気に) |
★★★☆☆ |
文学・歌・演劇 |
文語 |
| Risqué |
きわどい |
★★☆☆☆ |
ジョーク・映画 |
やや上品 |
| Raunchy |
エロい・生々しい |
★★★★☆ |
映画・コメディ |
口語 |
| Off-color |
不適切な |
★★☆☆☆ |
発言・ジョーク |
フォーマル |
| Lewd |
みだらな・わいせつな |
★★★★★ |
行為・発言 |
法律〜口語 |
| Obscene |
猥褻な |
★★★★★ |
コンテンツ・行為 |
法律〜文語 |
| Filthy |
汚らしい |
★★★★★ |
言葉・コンテンツ |
口語〜文語 |
6知っておくべきネットスラング──NSFW / TMI / R-rated
SNS時代の今、「下品」「下ネタ」に関連するネットスラングも知っておくと便利です。特にNSFWは超重要。
🔴 NSFW
Not Safe For Work(職場で見ちゃダメ)
2000年代初頭にRedditや4chanなどのオンラインフォーラムで生まれた略語。リンクや画像に「NSFW」と付けることで、「この内容は職場や公共の場で開かないでね」という警告を示す。性的な内容だけでなく、暴力的・過激な内容全般に使われる。2015年にはMerriam-Webster辞典にも登録された。
例:“NSFW warning: Don’t open this at your desk 😂”
🟡 TMI
Too Much Information(情報過多=聞きたくなかった!)
誰かが性的・排泄的・個人的すぎる情報を話した時に使うリアクション。日本語で言うと「それ聞きたくなかった…」「情報が渋滞してる」に近い。下ネタを言われた時の定番リアクション。
例:“Dude, that’s TMI. I didn’t need to know that.”
(おい、それは聞きたくなかったぞ)
🔵 R-rated
R指定の=大人向けの、際どい
映画の年齢制限区分(R = Restricted)から来た表現。日常会話では「この話、ちょっと大人向けだよ」の意味で使う。”X-rated” はさらに過激な成人向けコンテンツを指す。
例:“This conversation is getting a little R-rated.”
(この会話、ちょっとR指定になってきたね)
🌍
補足:他にも “potty mouth”(口が汚い人)、”gutter talk”(下品な話し方)、”lowbrow humor”(低俗なユーモア)、”smutty”(いやらしい)なども関連表現として覚えておくと、英語の理解力がグッと上がります。
7英語圏の「下ネタ文化」──日本とどう違う?
「下ネタ」は万国共通ですが、その許容範囲や文化的な位置づけは日本と英語圏でかなり異なります。
|
🇯🇵 日本 |
🇺🇸🇬🇧 英語圏 |
| テレビでの下ネタ |
バラエティでは比較的OK
(ゴールデンタイムでも) |
ゴールデンはNG
(深夜番組やケーブルTVで) |
| 職場での下ネタ |
飲み会では許容されがち |
セクハラで訴訟リスクあり⚠️ |
| コメディの位置づけ |
「お笑い芸人」の鉄板ネタ |
「Blue comedian」という
専門ジャンルが存在 |
| SNSでの扱い |
匿名文化で比較的自由 |
NSFW タグ文化が発達 |
| 歴史的背景 |
江戸時代の滑稽本・春画 |
シェイクスピア、チョーサー
から連綿と続く伝統 |
CULTURAL NOTE
英語圏で特に注意すべき「下ネタ」の境界線──
🚨 絶対にNGなライン:
英語圏(特にアメリカ)では、職場での性的なジョークはセクシャルハラスメントとして訴訟対象になり得ます。日本の「飲み会のノリ」は通用しません。特に相手の同意がない状況での下ネタは、キャリアを終わらせるリスクがあります。
✅ 許容されるライン:
友人同士のプライベートな場、スタンドアップコメディのショー、深夜のトークショー、「That’s what she said」系の軽いダブルミーニングなど。相手との関係性と場の空気を必ず読むこと。
💡
“That’s what she said” は、無害な発言に性的なダブルミーニングを持たせるお決まりのフレーズ。アメリカのドラマ『The Office』で有名になり、英語圏で最も広く知られた「軽い下ネタ」の一つです。例:”It’s so hard to fit it in.” → “That’s what she said!” のように使います。
8シチュエーション別!使えるリアクションフレーズ12選
英語で「下ネタ」に遭遇した時や、「下品」な状況に反応する時に使えるフレーズを場面別にまとめました。
🟡 軽くツッコむ時(友人同士)
“TMI, dude.”
聞きたくなかったわ。(カジュアル)
“Keep it PG, please.”
もうちょっと品のある話にしてよ。(PG=全年齢向けの映画区分)
“You’re so dirty-minded!”
頭の中エロいことだらけでしょ!(冗談まじりに)
“Get your mind out of the gutter!”
下品な妄想やめなさい!(定番フレーズ。gutter=側溝)
🔴 真剣に不快な時(職場・フォーマル)
“That’s inappropriate.”
それは不適切です。(職場で最も使える一言)
“I’d prefer if we kept this professional.”
この場はプロフェッショナルに保ちたいのですが。(上品な制止)
“That kind of humor doesn’t really land with me.”
そういうジョーク、私にはちょっと合わないです。(角を立てずに伝える)
“That’s not okay.”
それはダメです。(明確に境界線を引く)
🟢 笑って受け流す時
“Oh wow, that’s… something.”
おお、それは…まあ、何というか。(苦笑い系リアクション)
“This is getting a little R-rated!”
ちょっとR指定入ってきたね!(笑いながら場の空気を変える)
“I can’t believe you just said that!”
今のマジで言った!?(驚きつつ笑うリアクション)
“You need to go to horny jail.”
お前、エロ刑務所に行け。(ネットミーム由来の冗談。若者に通じる)
まとめ──「品」を語る語彙力が、あなたの英語力を格上げする
「下品」「下ネタ」──たった2つの日本語の裏に、
英語では15以上の異なるニュアンスが隠れています。
✦「下品」→ vulgar が最も万能。crude は「磨かれていない」、tacky は「ダサい」
✦「下ネタ」→ dirty joke が最頻出。risqué は上品、raunchy は露骨
✦blue humor の「ブルー」はボードビル時代の青い警告紙が語源
✦NSFW・TMI・R-rated はSNS時代の必須ネットスラング
✦英語圏の職場での下ネタ=セクハラ訴訟リスク。日本の常識は通用しない
✦“Get your mind out of the gutter!” は定番ツッコミフレーズ
「品のなさ」を正確に表現できる人は、
実は「品のある英語」を一番よく理解している人です。